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【日本ならいごとの旅 第3回】もうひとつの京都、北山杉の里京北で学ぶ精油と石けん作り




はじめに


京の都から嵐山を抜けバスで北上すること約1時間、北山杉のなめらかな肌が立ち並ぶ森が広がる「もうひとつの京都」、京北町は最近「森の京都」と呼ばれ、林業やジビエ、里山再生、グリーンツーリズムなど森の資源を活かした取り組みが注目されています。クロモジや梅、柚子の樹からの精油作り、石けん作り、そして酵素浴など、森とともに生きる人々の生業に触れ、大地と繋がる生き方を学びにでかけてみませんか。


Text&Photo:前田知里

「もうひとつの京都」京北町


「ここが京都市ですか?」京北に初めて足を踏み入れるとき誰もが思うこと。着物姿の舞妓さんもいなければ、コンビニもありませんが、一応、京都市右京区なのです。町の93%を森に囲まれ、残り数%の谷間を縫うように点在する畑と集落。ここの林業の特徴は、丁寧に磨き上げられた高級な磨丸太が有名で、茶の湯の床柱は京北地域で年間5万本生産されているといいます。きれいに整備された北山杉の森は美しく荘厳で、里には森とともに生きる人々の暮らしの姿がありました。
そして京北町は、古来より都とのつながりが深く、京都はもとより奈良の都の寺社仏閣建築を支えたといいます。南北朝時代の光厳法皇によって開かれた「常照皇寺」は、皇室ゆかりのお寺。観光地の喧噪がウソのように静まり返った古刹には、まさに、白州正子が描く「かくれ里」の凛とした風情が漂っています。
静かに参拝できる常照皇寺は心穏やかに過ごせる穴場。

杉乃精の精油作り


そんな「森の京都」京北にて、日本人がかつて親しんできた森の香りをアロマや森林浴として提供している「杉乃精」を訪ねてきました。
森林浴ツアーでは、人工林が多い中、数キロにわたってクロモジが立ち並び、広葉樹林が残る秘密の森へと案内していただきました。
こちらのクロモジを間伐し、粉砕したものを原料に蒸留し、フローラルウォーターや精油を作ります。
 

まるでジブリの世界に迷い込んだかのような工房。蒸留機はパーツを組み合わせて自作したのだとか。
間伐したクロモジを粉砕し、こちらの鍋に入れ、煮だします。燃料にも間伐材や山地残材が使用されています。
蒸気がパイプをつたって、冷却されます。上部にたまった黄色い液体が精油、下の白い液体がフローラルウォーター。境目がはっきりしています。
商品は主に、杉、クロモジ、柚子の3種類で、それぞれに特徴的な香りが楽しめます。当帰やヨモギなど、季節限定商品も。
写真:杉乃精提供


そして、待っている間は、フットバスの体験も。間伐材が自然に発酵した酵素浴で、裸足で入ると心地よい香りとともに樹の温もりに浸れます。森が生まれ、分解され、土に還ってゆく様子を感じながら、菌たちとの共生と森の循環に思いを廻らせるひとときです。
 

宝石石けんづくりとピザ釜体験


工房見学のあとは、オプションでランチタイムも。京北の特産、納豆餅を焼いたり、自分で作ったピザを社長がピザ釜で焼いてくれます。
 

さらに、その季節に採れる素材を使った手作りコスメをオプションで選択することができます。フローラルウォーターを使った宝石石けんや柚子の化粧水、ヨモギのリップクリーム等、季節によってメニューが変わってきます。

宝石をちりばめたようなアロマ石けんづくりは、女性に人気で、お子様連れの方も楽しめそうです。


 

京北で「森の京都」を体験


国土の約2/3を森林に覆われた森の国日本は、古来から森とともに生き、とりわけ杉や檜は、建材として、風呂桶や寿司桶などの食具として、薪炭材として、日々の暮らしの中でもっと身近な存在でした。

今や花粉症の原因ともなり、厄介者とされる針葉樹林ですが、美しく整備された森に入ると、人々が古来から向き合ってきた森の存在感にはっとさせられることがあります。「森林セラピー」という言葉もありますが、セラピーが必要になるのは、かつては当たり前にあった自然から人が遠のいてしまったということかもしれません。

京都市街から1時間、もうひとつの京都へ、森からうまれる香りの癒しと植物の力を生活に活かす知恵を学びに出かけてみませんか?


◆株式会社K・Kファーム アロマ事業部「杉乃精」
住所:京都市右京区京北熊田町新田50
電話番号: 075-852-1688

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