starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

【東京都】作家・栗山圭介さんが案内するレトロスポット




はじめに


新元号になって、約半年。東京オリンピックも近づいてくる今こそ訪れたいのが、昭和を体験できる「レトロ」スポットです。今の暮らしの礎ともなった時代に思いを馳せ、追体験できる場所3つを、“昭和ムードこそが創作の源泉”という作家でクリエイティブディレクターの栗山圭介さんに紹介してもらいました。

photo:OU(インタビュー)

作家・栗山圭介さんおすすめの「レトロスポット」3選


少年時代を過ごした昭和、その時代に「戻りたい」わけじゃないけれど、50歳を過ぎると自分がかつていた時代を見たくなるんですよね。というのも当たり前にあったものが、平成になって急になくなった気がして、それが自分のなかで残念でさみしい感じがするんです。だからノスタルジーをたどるというよりは自分が目にしていた風景に出会いたいという思いで3つ取り上げました。同じような時代を取り上げながらも、メッセージがそれぞれ違うんです。

[1]戦中から戦後の暮らしを伝える「昭和館」(千代田区)


自分にとっての原点は、長屋のある時代から東京オリンピック、万博など好景気に向かっていく時代なんですけど、そのさらに過去には、苦くて暗い時代も過去にはあったわけじゃないですか。「昭和館」では、戦時の人々の暮らしが紹介されていて、なかなか重いものがありますが、「過去を素通りして通るべからず」という意味でぜひ行ってほしいですね。
セットとしてもすごいし、再現性もすごいんです。楽しみ方としては、メディアとか家電とか今普及しているものの原点がここにあったんだと、自分の生きる時代と比較して今の礎となっている時代について学んでほしいですね。

◆昭和館
住所:東京都千代田区九段南1-6-1
電話:03-3222-2577
アクセス:地下鉄「九段下」駅4番出口から徒歩約1分

[2]まるでタイムスリップ!「昭和のくらし博物館」(大田区)


ここは実際に人が暮らしていた民家で、使っていた家具や調度品はもちろん、この時代に暮らしていた人の日記だとかそういう“人の暮らし”がある。そんな「昭和のくらし博物館」で驚いたのが、台所の揚げ板がきしむんです。狙ってないでしょうけど(笑)。ほかにも、すり鉢を使って料理を作ったり、当時の暮らしの体験ができるエンターテインメントな仕掛けが素晴らしい。
特筆すべきは狭さですよ。いまのような空間的なゆとりを重視するよりは、一つの部屋が建具で仕切られていたり、廊下がなかったり。でもよく考えれば、デッドスペースを作らず、とても機能的です。ちょうどいい狭さで、それが人と人との触れ合いを作っていたのかな。コミュニケーションの原点が見えてきます。


◆昭和のくらし博物館
住所:東京都大田区南久が原2-26-19
電話:03-3750-1808
アクセス:東急池上線「久が原」駅より徒歩約8分

[3]レトロなテーマパーク! 下町風俗資料館(台東区)


台東区にある「下町風俗資料館」は、懐かしい下町の町並みが広がっています。建物の中に入ることもできるし、例えば銭湯だったら番台に座ったり、そこにある引き出しを開けたりしていもいい。不思議なもので懐かしい世界の中に身をおくと、当時の匂いが戻るんです。ちょっと湿っぽいというか。思い出がまるでフラッシュバックするかのようにいろいろよみがえってきます。
最近行ったとき、ちょっかい出してくるスタッフの方がいたので話しかけたら同い年で、けん玉で張り合いながら少年時代を思い返せたのも楽しかったですね。なかでも見事なのは、駄菓子屋さん。ガラスケースは開けられないけれど全部本物なんです。
◆下町風俗資料館
住所:東京都台東区上野公園2-1
電話:03-3823-7451
アクセス:JR上野駅(しのばず口)より徒歩約5分、京成上野駅より徒歩約3分 日常のなかの寄り道が「旅」。ならば過去への回帰も「旅」

日常のなかの寄り道が「旅」。ならば過去への回帰も「旅」


僕ね、純喫茶が好きなんです。それは、「頑張って“昔”をやっている」わけではないから。ずっと当たり前に過ごしてきて、いつの間にか懐かしい風景になっているだけなんですよね。そういう景色のなかに入るのも旅だと思うんです。だから僕にとって、旅は非日常というより寄り道みたいなもの。ふと見つけて立ち寄るくらいでいいです。こういう郷愁を誘う場所も、ふらっと過去を訪ねられるのがいいですよね。

思えば昭和はふれあいの時代でした。空間的にも狭い場所だからこそ、人と人との触れ合いがあり、それがコミュニケーションの原点だと気付かされます。僕、実家が美容院で、そこに集まっているお客さんと常に話していたんです。そこで母が「そんなに話したいなら、外に出て知らない人と話してみれば」といわれて、それ以来43年間実践し続けて今も記録更新中です。挨拶をしたり、声をかけたりすることも含めてですが、そうやって、とにかく毎日外に出て人と触れ合って、自分のなかに物語をためているんです。そんな風に周囲で会話が飛び交っていたり、たくさん会話してきたからこそ、生まれたのが「ヒールをぬいでラーメンを」なのかな。
仕事も恋もうまくいかない女性の再生を描く「ヒールをぬいでラーメンを」

仕事も恋もうまくいかない女性の再生を描く「ヒールをぬいでラーメンを」


栗山圭介/著
1,760円/角川春樹事務所

僕は、女性に対して敬意というか憧れがすごくあって、小説で女性を描けば女性の気持ちになれると思ったんです。実際、主人公の女性の姿を借りているけれど、作品の中には自分の考えがダダ漏れですし。女性の人生を旅しているような気持ちで書いたので、ぜひ読んでほしいですね。
◆栗山圭介(くりやま・けいすけ)
作家・クリエイティブディレクター。数々の企画・広告・イベント等をプロデュースする一方、インタビュー、執筆、コピーライティングなども行う。デビュー作『居酒屋ふじ』が連続ドラマ化(テレビ東京系)。近著に『ヒールをぬいでラーメンを』(角川春樹事務所)

『ヒールをぬいでラーメンを』発売記念  トークイベント開催


『ヒールをぬいでラーメンを』の刊行を記念して、トークイベントが開催されます。初めて女性を主人公とした経緯や創作秘話、今まで発売された著書の裏話なども。

【イベント詳細】
開催日時:2019年11年8日 (金) 19:00~21:00
場所 :文喫 六本木(東京都港区六本木6丁目1-20 六本木電気ビルディング 1F)

おわりに


実際に体験していなくても、どこか懐かしいと感じるレトロスポット。映える場所も多いので写真を撮る旅としても楽しそうです!
    Loading...
    アクセスランキング
    starthome_osusumegame_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2024
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.