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都心から一番遠い東京へ 小笠原諸島を訪れた【レポート】




2011年に世界自然遺産に登録された小笠原諸島。東京都にありながら、都心から南へ約1,000キロの位置にあり、飛行機は就航していない。観光客が唯一利用できる交通手段である船は、6日に一度運航され、本州との所要時間は24時間。東京都心から最も遠い、東京都の観光地であることは間違いないだろう。このように時間的・距離的制約が大きく、世界遺産に登録された自然豊かな島ということは知られていても、実際に島に旅行で訪れた経験のある人は、他の国内の観光地に比べ、格段に少ないようだ。





今回、筆者は縁あって、小笠原諸島(父島・母島)に訪れる機会を得た。2016年に就航した新造船「おがさわら丸」についてや、常夏の楽園である島の美しい景色を、是非紹介したい。





「おがさわら丸」は、2017年7月に就航したばかりの新造船で、3代目だ。船内は現代人の生活にあうように工夫されており、フェリーの乗船経験がない読者の方は、その設備に驚くかと思う。客室は、昔ながらの「雑魚寝(カーペット敷)」は少なく、個室タイプの「2等寝台」・「特2等寝台」が中心。今回利用した「2等寝台」は、リーズナブルな価格だが、コンセントやカーテンが備え付けられており、プライベートな時間が確保できる。浴場こそないが、シャワーやトイレなどは十分な数が用意され、共用スペースも広くとってある。船内レストランや展望ラウンジなどでは、料理や飲み物(アルコール含む)が高くない値段で楽しめる。売店や冷凍食品・カップラーメンなどの自動販売機もある。





東京・竹芝桟橋を出航したおがさわら丸は、時速23.8ノット(時速約45キロ)で東京湾を進む。思ったより早いというのが率直だ。前線が近づいていたため、南下していくにつれ、風雨が激しくなる。おがさわら丸は大型の船で比較的揺れない構造だが、それでも船が進行方向に揺れてしまう。筆者は全く乗り物酔いをしないので気にしていなかったが、気分を悪くしてしまう人もいたようだ。船内は揺れても寝ることには不自由はなく、小笠原・父島二見港には定刻に入港した。





父島では船のダイヤにあわせ、基本的に3泊することになる。滞在中に島を周遊し、言葉では言い表せないような風光明媚な景色や、水平線に沈む夕陽、満点の星空など、都会では味わえない自然の魅力を、じっくりと堪能できる。約80キロ離れた母島にも、最短日帰りの滞在で訪れることができる。





滞在中は天候に恵まれ、島をレンタサイクルで巡ったり(一周することはできない)、至る所から壮大な太平洋や小笠原の豊かな自然を味わったりすることができた。どこを切り取っても絵になる光景が広がっていた。





両島とも携帯電話は3社とも集落に近いところでは問題なく利用でき、宿ではWi-Fiなどのインターネット接続も利用できるため、情報については苦労しない。買い物も生鮮食品は入手が限られるものの、豊かな魚介類やドラゴンフルーツなどの南国のフルーツに特筆される島の農作物は、離島という不便さを忘れさせるほど魅力的だった。





昨今、LCCの台頭により、海外との距離については、金銭的にも近づきつつある。それに対し、安くはない費用(片道運賃25,000円程度から)とまとまった時間を要求する小笠原諸島は、国内の観光地としては異質のものだろう。しかし筆者は小笠原諸島で、海外と匹敵するような、非日常という点での魅力があると感じた。もしまとまった時間とお金があれば、表現しがたい魅力があふれる、小笠原諸島を訪れてみてはいかがだろうか。

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