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『これが新しいスタンダード』マツダCX-30開発主査に訊く「CX-30の狙いは?」「世界ではどう受け入れられている?」「MX-30との関係は?」(前編)


いま国内でもっとも売れているマツダ車はCX-30だ。マツダの新世代商品群の第二弾で、新規モデルとしてデビューしたCX-30。国内導入から10カ月経ったところで、開発主査の佐賀直人さんにあらためて訊いた。「CX-30、狙い通りになっていますか?」


Interviewer◎鈴木慎一(SUZUKI Shin-ichi)

CX-30は、狙いどおりに売れているか?




マツダCX-30は、2019年9月20日に発表、10月24日に発売された新型クロスオーバーだ。パワートレーンは、2.0ℓのガソリン(SKYACTIV-G2.0)と1.8ℓディーゼル(SKYACITV-D1.8)、そしてSKYACTIV-X搭載モデルが2020年1月に追加で発売された。ちなみに月販目標は2500台である。




CX-30の開発主査を務めたのがマツダ商品本部主査の佐賀尚人(さが・なおひと)さんだ。1992年にマツダ入社後、トリビュート、初代MAZDA3(アクセラ)、CX-7などの開発に携わった後、北米のMNAO(Mazda North American Operations)へ出向。2013年からは車両実研部マネージャーを務め、2017年にCX-30の開発主査となった。今回、佐賀さんにインタビューする機会を得た。聞き手はMotor-Fan.jp編集長鈴木である。CX-30開発の裏話、現状、そして進化の方向性について、語っていただいた。



佐賀尚人(さが・なおひと)1967年茨城県出身。1992年マツダ入社。車両実研部でトリビュート、初代MAZDA3(アクセラ)の開発に携わったあと、プログラム開発推進本部でCX-7の開発スタッフとなる。その後、2009年に北米のMNAO(Mazda North American Operations)へ出向。2013年から車両実研部 商品性実研Gr.マネージャー。2017年から商品本部でCX-30の開発主査を務める。趣味はゴルフ、スキューバダイビング。現在の愛車はCX-30(G2.0)



M F:発表発売からある程度時間が経ったところで、佐賀さんにあらためて主査としてCX-30を振り返っていただきたいと思っています「自分としてはこういう想いで作ったんだけど、別の感じに受け止められていて、それはちょっと違うんだよなぁ」でもいいし、「狙いどおり!」でも、もちろん構いません。まずは、そのあたりをお伺いしたいな、と思っています。その前に、CX-30の販売状況をチェックしておきましょう。



2019年10月から2020年7月に国内で約2万6000台が売れている。月平均2600台だ。コロナ禍の影響を強く受けた2020年4月以降の数字が入っての実績だから、CX-30は「売れている」と言っていいだろう。

インタビューは2020年7月28日、長野県松本市内のホテルで行なった。CX-30の前に立つ佐賀尚人開発主査。



M F:CX-30、順調に売れていますね。



佐賀主査:(以下、佐賀)そうですね。ありがとうございます。



M F:2020年上半期に日本で最も売れたマツダ車がCX-30です。MAZDA2よりもMAZDA3よりも売れている。たぶん佐賀さんの狙いどおりなんだと想像しています。新型コロナ流行の影響を受けてしまって想定外の部分もあるとは思いますが、北米、日本での販売状況を教えていただけますか?



佐賀:最初に、開発の狙いに対してどうだったか? というあたりからお話したいと思います。もともとCX-30のコンセプトとして、私のなかには家族に向けてジャストサイズなクルマ、というのがありました。そこに対するお客さまの反応は、『サイズ的にはちょうどいいな』と受け止められていて、狙いどおりになっています。導入当時、私はサイズのことをかなり皆さんに言わせてもらいました。そこはうまくいったと思います。ターゲットカスタマーとして、小さなお子さまがいらっしゃるかた、もしくはカップル、今後子どもを持ちたいと考えておられるかたなどを想定していました。そこに対してはうまくミートしたなと思っています。もうひとつオポチュニティがあるなと思っていたのは、じつはCX-5を家族で乗られていて、お子さまが巣立って、CX-5までの大きなサイズはいらないな、というかたです。やはりそういったシニアのかたにもCX-5のあと、もしくはCX-8のあとに選ぶクルマとして好意的に受け止められていて、そういう意味では非常によかったんじゃないかなと思っています。



北米でもっとも売れているマツダ車はCX-5だが、CX-30も新規機種として充分な実績を残している。常にMAZDA3+アルファを売っている。今後はもっと期待できるのではないだろうか。



佐賀:販売自体も、ちょっとまぁSKYACTIV-Xは苦戦しているところはありますけど、ディーゼル、ガソリンの比率はほぼ想定内だったと思います。AWD比率はやはりマツダ3より高くなっていて、そこはやってよかったなと思っています。そのあたりがコンセプトどおりお客様に受け入れられたところですね。



M F:SKYACTIV-Xについては、あとでいろいろ伺いたいと思います。



佐賀:CX-30はデザインとか内装の質感にこだわって開発したのですが、蓋を開けてみると、デザインがいい、内装がよくて選んでいただいている方が思った以上に多くて、こだわった甲斐があったと思っています。私は輸入車から買い換えられたかたとも何名か個人的に知り合いになったのですが、輸入車から乗り換えても違和感なく、国産車でも、ちょっと手前味噌ですが、いいものがあるんだね、ということで満足度高く乗って乗っていただいています。





佐賀:販売台数自体ですが、ニューネームプレート(新規車種)ということもあって、じわじわじわーっといけばいいなと思っていました。初めに跳ねちゃうとあとでトーンダウンしてしまうところがあるので。それも認知度ともともに徐々に上がってきているので、今後もまだまだポテンシャルはあるし、多くのかたに乗っていただきたいなと思っています。



M F:北米ではCX-5がすごく売れているのでマツダ車トップではないですが、やはりMAZDA3より少し多く売れていますね。



佐賀:北米は、サイズ的にはCX-5でもサブカーとしても乗られているかたがいますから、そういう意味ではCX-5の台数が出るのは頷けます。ただ、我々CX-30を北米でローンチしたのが、昨年末くらいだったのですが、そのあと、すぐにコロナになってしまったので、認知度はまだまだ上がりきってない状態だと受け止めています。そういうなかでここ1~2ヵ月、ディーラーも開いてきて、誤算といってはおかしいかな、うまく売れています。現場としてはCX-5と棲み分けがしっかりできながらCX-30が売れているというのは、本当にうれしいニュースです。今後、コロナの回復に向けてですね、もっと認知度を上げていくと、まだまだポテンシャル発揮できるのではないか、という感触はあります。



インタビューは、透明なアクリル板越しに行なわれた。



M F:ヨーロッパはいかがですか?



佐賀:欧州は、ドイツを中心に賞もいただいていますし、非常に好調な滑り出しだと思っています。想定外によかったところというと、じつは南欧なんですよ。じつはフランス、イタリアは計画以上に売れています。我々マツダはドイツに拠点があることもあって、これまで南欧はどちらかというと、それほど強い地域ではなかったのですが、そこでも受け入れられたのはもしかしたらインパネとか色使いにこだわったのが、功を奏したのかな、と思っています。南欧は、ちょっと小さいサイズのクルマが多いので、その意味でもよかったのかなと思っています。





M F:このCX-30がいるカテゴリーって新しいカテゴリーですが、世界的に見ても最激戦区じゃないですか?



佐賀:皆さんに激戦区っていっぱい書かれていますね。



M F:トヨタC-HRはいるはホンダ・ヴェゼルはいるは、ヨーロッパ勢も全部そこへ入ってくる激戦区。先ほどの販売台数でいうとCX-30はCH-R、ヴェゼルよりちょっと下。販売店の数からすればすごく大健闘なんだと思います。CX-30は、ユーザーのライフスタイルが変わって、「SUVを買う」というよりは、昔クーペちょっとかっこいいを買っていた人たちが選んでいるんだろうな、と思います。そうすると、先ほど佐賀さんがやってよかったとおっしゃったAWDであることが、そんなに求められないカテゴリーだと思います。でもマツダはAWDもすごくこだわりがある。さきほどAWD比率も結構高いとおっしゃっていました。佐賀さんは、今後、このCセグクロスオーバーのカテゴリーは、ライバルも含めてどんなふうになっていくとお考えですか?



佐賀:それは、私も日々考えているところですね。まずライバルの参入がこれだけ多いということは、私は当然だと思っています。開発中も、今後どんどん出てくるよとみんなに言ってきました。じつは、いまだから言えることですが、企画書を上げる段階で、ですね。だいたいマツダの主査って志を書くんですよ。志が強い会社なので。



M F:どんな企画書を書かれたのですか?



佐賀:私は『5ドアHBを超えるスタンダードを作りたい』って書いたんです。SUVってカテゴライズするのは簡単ですが、私はいまのジャンルにこだわらない若いかたが、SUVと認知して買っている人がどのくらいいるだろうっていうところにすごく興味があるんです。クルマが普通に進化していくとクロスオーバーSUVのようなカタチになると思っていますだからこそ、各社、可能性があると思って参入してくるんだと思います。またこれが面白いところで、各社、ちょっとずつサイズが違ったり……。これ、5ドアHBの創世記もそうだったんじゃないかなと思います。そうすると、各メーカーがなにが正解なんだろうと、考えていま開発しているはずです。



国内の駆動方式比率は、AWDが28%、FFが72%となっている。

北米ではAWDのほうが多いという結果。マツダのAWDヘの評価が高いことが窺える。

欧州のAWD比率は9%と日米と比べると少ない。



佐賀:そんな状況の下でやはり我々はマツダらしいひとつ筋をもっていなくてはいけない。そうすると、運動性能はどんなに間口が広がっても、ひとつ担保しなくてはいけない。僕は、そのときのソリューションがたまたま、AWDだったと思うんです。AWDの一番のメリットは通常の走行でどれだけ安心して走れるか、にあると思っています。目に見えてはいないけれど、4輪を駆動することで運転がスムーズになったり、助けられている場面は必ずあります。ちょっと雨が降ったりだとか、ちょっとワインディングが続いたりだとか。もしくは高速の入り口でちょっとコーナーを曲がりながら加速するところもAWDならではのトルクの出方で非常にスムーズに走れる。AWDを買っていれば、安心して走れるよっていうのがあれば、それはそれでいいな。なぜかわからないけれど自然に気持ちよく走れる、そういう価値に繋がればいいかなと思っているんですね。ですから、AWDにこだわっているわけではないんですが、いまの時点ではちょっとでも安心感を担保しようと思ったら、AWDがベストだと思っているとと考えていただければといい思います。





M F:たとえばいまMAZDA3よりもCX-30が売れているし、スバルもインプレッサよりもXV、ルノー・クリオよりキャプチャーとみんなそうなってきているじゃないですか。クルマの作り方としてはベースになる5ドアHBにスペーサーを噛ませてちょっと車高を上げてクロスオーバー出来上がり! みたいな作り方をしているメーカーもあります。しかし、マツダのようにMAZDA3が同じプラットフォームであるのでしょうが、ホイールベースも変えて、まったく別のクルマとして開発していくくらいでないと、これから激戦区で戦っていけないんじゃないかと思います。ちょっと背を高くしたら売れますという時代はもうとっくに終わってしまった感じがします。そういう意味でCX-30はとてもいいクルマだと思います。手抜きなしというか……。



佐賀:そこですね。やっぱり新しいカテゴリーに参入するなかで、これが新しいスタンダードになるんだと考えたときに、我々としてベストを尽くした姿をお見せしておかないといけないかな、とは考えました。たとえば、MAZDA3のファストバックの車高を上げてちょっとクラッディングをつけたとしたら、それが受け入れられたか? 僕は『NO』だと思っています。やっぱり『新しいスタンダード』というからには、ちゃんとしたサイズとか、パッケージがあるわけで、それを具現化しないと、正直言って見透かされるじゃないかな、と思いました。とくに、我々みたいな小さいメーカーがやろうとしたら、やはり『よそと違うマツダらしさ』をなにで表現するか。よそがやっていないことをしっかり真摯にやらないと、これからは、勝負が厳しい時代になると思います。



EVでだけなく、SKYACTIV-G2.0+M HYBRID搭載モデルの存在も発表されたMX-30

MX-30とクロスオーバーのCX-30のボディサイズは 全長×全幅:4395mm×1795mm ホイールベース:2655mm で共通である。



M F:ひとつ純粋な疑問あるんですが、お訊きしてもいいですか? マツダくらいのサイズの会社で、かたやCX-30があって、かたやMX-30が出てくる。大きさほぼ一緒。片方は電気自動車だって言われたら「そうだねよ」って納得できるのですが、いやいや電気じゃなくてエンジンを積んだのもあるぞ、ってなると「???」となるのです。エンジンが載るのだったら、MX-30っているの? CX-30とMX-30は両モデルともかっこよくて、両モデルともどちらかといえば本格SUVというより都会派クロスオーバーです。同じサイズのクロスオーバーがマツダのなかで並立する、並立させ方がちょっとよくわからなくて。佐賀さんはCX-30の主査なので「いいや、CX-30があれば、ほんとはMX-30はいらなかったんだよ」って思っていらっしゃるかもしれませんが…….(笑)。



広報:(すかさず割って入る)マツダとしては両方いるってことですよ。ターゲットにしているお客様がまったく違うので。



佐賀:じつはMX-30の企画は、CX-30とほぼ同時期だったんです。その頃からEVとエンジンがあるカタチにしようと思っていました。竹内(注:MX-30の主査。女性)は、主軸を電気自動車に据えて新しい価値の創造をやっていますが、やはり数的なものと市場を考えたら、やはりガソリンエンジンを搭載したモデルもフィットするんじゃないかとということで、MX-30にもエンジン搭載車を設定したわけです。MXって、いわゆるチャレンジ的な意味合いが非常に強いですよ。内装もコルクやいろんな素材にこだわって環境的なイメージも強めて開発しています。マツダが可能性に挑戦する意味合いが『MX』にはあると僕自身は受け止めています。



MX-30のインテリア。



佐賀:そのうえで、『CX-30があるからMX-30はなくてもいいじゃん』って言ったら”なくてもよかった(笑)”。なくてもよかったかもしれませんが、逆にCX-30でMXのチャレンジはできなかったです。CX-30でチャレンジしてしまったら、ちょっとスタンダードから外れてしまう。じつはCX-30のサイズや考え方は、非常に古典的ですよ。クルマ作りの基本に忠実にやりました。その意味では正直チャレンジはMX-30に任せた。で、CX-30は王道をいこう、と。だからMX-30は、いらなかったかもしれないけど(笑)、助けられた部分もずいぶんあった。CX-30でできなかったことを彼女はMX-30にどんどん取り入れていきました。そういう意味ではいい棲み分けができたんじゃないかな、と思っています。





M F:僕らはMX-30とCX-30はまったく別のプラットフォームだと思っていたので、あっち(MX-30)にエンジンが載るんだったら、こっち(CX-30)にも電気が載るんじゃないかって思ってしまうんです。当然、これから電動化はしていかないといけない。いまマツダの場合は、M HYBRIDが24Vのマイルドハイブリッドです。きっといろんなマーケットからは、これでは足りないって言われる部分ってあると思います。そのあたりはどうお考えになっていますか?



佐賀:M HYBRID、まず24Vでいれましたが、今後、それで足りるとも、当然思っていません。世の中に48Vもありますし、将来的にはもっともっと……技術開発は進めています。……これは言ってもいいんだよね?



広報:24Vが足りないっていうのは……。



佐賀:いや、足りないんじゃなくて、将来的にはそれだけでは勝負ができないってことだよ。いまの24Vが足りないって話じゃないよ(笑)。



佐賀:そういう技術開発は当然ながらパワートレーン部門、あとは技術研究所がやっていますいまのマルチソリューション戦略をさらに強化していく必然性は当然あると思っています。そのなかでMX-30が電気だから、それがCX-30にも載るかっていうと、まぁちょっと派生のさせ方が違いますよね。MX-30が完成したので、今後それをどうやってフィードバックするかは、考えていかなくてはいけない。いろんなクルマでいろんな可能性を追求していくのは当然の責務としてやっていく。はい。そんなところです。



M F:CX-30は一躍マツダの主力車種に躍り出ました。もちろん、佐賀さんは躍り出るつもりでお作りになったと思います。でもこれから先、プレッシャーはありますよね?



佐賀:そうですね、まず産んで出す、皆さんに説明するまでがひとつ大きなプレッシャーでした。当然、MAZDA3とのポジショニングの問題もありました。ファストバックをデザインのほうへ飛ばして、こいつ(CX-30)を主力にするんだっていうのは企画当初からありました。しかし、果たして本当にそこへ行きつけるんだろうか、っていうところは、ニューネームプレートということも合わせると非常にハードルは高かったと思います。





佐賀:CX-30は始まったばかりなので、次をどうやって進化させるの? っていうのが一番の高いハードルです。これだけクロスオーバーに競合車種が出てくると、今度はそれぞれが睨み合いを始めるわけで、そうするとどうやってCX-30の特徴を維持していくか。当然デザイン、CX-30に質感で買ってくれるお客様が多いというのを他社さんが分析したら、その方向へくるだろうし、やっぱりサイズだよねとなれば、同じようなサイズになってくると思います。そうなると今度は画一的なものになってしまう。そうするといまのクロスオーバーマーケットが果たして存続できるかっていう話にもなってきます。次が非常に難しい。それはひしひしと感じますね。



M F:佐賀さんご自身は、現行のCX-30を進化、その先の次のフルモデルチェンジも担当するかもしれないんですか?



佐賀:それは上が決めることなので、僕がどこまで携われるかわからないですが、会社にいる限り、どういったカタチにしていくかには携われるかなと思っていることを前提にすると、そこは『イエス』でやっていかなくてはいけない。もうすでにインサイクルなアクションは、ある程度走っているんです。いろんな考えがあるなかで、自分のなかの一番の課題は、じゃあ次のモデルを出すとして、そこにいまのインサイクル進化とどう繋げていくか。そこがすごく難しい。CX-30は新しいネームプレートなので、一代でガラッと変わってしまうと、あれ? 結局認知度が上がったのに、その認知度って捨てるのかっていう話になる。しかし、キープコンセプトになると、あ、代わり映えしないなってなってしまう。それが悩みの種です。



M F:CX-30が発表されたとき「まさか、30でくるとは思わなかったよね」ってみんなが言っていましたい『2桁あり』ってなったときに、じゃあCX-5の次はCX-50になるのか、80になるのかとか、中国専用モデルのCX-4も含めて、CXシリーズをどうしていくのか、にも興味があります。



佐賀:そういう意味では一桁でも二桁でも僕のなかではこだわりはないんですが、シリーズラインアップとして、SUVとして置くのか、クロスオーバーとして、新しいカタチとして整理していくのかといったら、僕は後者になっていくような気がします。そのときに、ほんとにいまの体系でいいのか。じゃあ、お客様がCXシリーズのなかでマツダを乗り継いだときに、ちゃんと繋がっているのかとか、どういう派生のさせ方をするのかとか、そのあたりは整理するでしょうね。





佐賀:逆に、SUVという名の下にラギット(rugged=いかつい、無骨な、荒削りな)なクルマも当然ながら同時に出てきているわけで、じゃあそういうクルマはいらないのか、とかそんな議論もしていかないといけない。CXシリーズが第6世代商品群のCX-5から始まったなかで、我々としてはある程度知名度が出てきたんじゃないかな、と思っています。CX-30は新しい商品群としてどうやってストーリー作りをしようか、はひとつ大きな方向性ではありますね。CX-5やCX-8が今後二桁になるのか、僕も知りませんし、僕の口からは言えません(笑)。





佐賀:ただ、そうですね、自問自答しながらお客様に本当に喜ばれる商品をどうやって作っていくか、というのはCXシリーズが出揃ったいまだからこそ、次が難しい。そこをどうやって外さないようにかつ「そう来たか!」ってサプライズもありながらニュースを発信していけるかが、我々小さい所帯のマツダが生きていけるかだと思うんです。




後編では、SKYACTIV-Xについて、の佐賀さんとのQ&Aをお届けする。



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