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【Mercedes-Benz・E350de試乗記】無敵のプラグインディーゼルハイブリッド


家庭で充電できるPHVの有能性は非常に高い。特に高速走行での燃費に優れるディーゼルを使用したPHVは、あらゆるシチュエーションで好燃費を実現する理想的なパワーユニットだと言えるだろう。




REPORT◉永田 元輔(NAGATA Gensuke) 


PHOTO◉田村 弥(TAMURA Wataru)




※本記事は『GENROQ』2020年2月号の記事を再編集・再構成したものです。

 回転直後から最大トルクを発生するモーターは街中での効率に優れ、ディーゼルエンジンは高速走行での燃費に優れる。ではこの2つを組み合わせれば理想のハイブリッドができるのでは? 考えるのは自然なことだ。しかし、ただでさえガソリンよりもコストがかかるディーゼルエンジンにバッテリーを組み合わせたらさらに高価になってしまう。それに低回転から大トルクを発生するディーゼルエンジンは、モーターを組み合わせるメリットがガソリンエンジンよりも薄い。そんなわけでディーゼルエンジンのハイブリッドは今までほとんどなかった。このE350deは、現在日本で唯一のディーゼルハイブリッドとなる。




 エンジンは2.0ℓ直4ディーゼルで、それ単体では194㎰、400Nmを発揮する。これに440Nmのモーターが加わる。システム出力は306㎰、700Nmというからおそらく2t近い車重(認可前のため非公表)を考えても十分すぎるパワーだ。




 システム自体はシンプルで、エンジンとトランスミッションの間にモーターを配置し、クラッチによりエンジンと切り離すことでモーターのみでの駆動を可能とするもの。バッテリーの容量は13.5kWhで、満充電での走行可能距離は約50㎞となっている。




 PHVなので、バッテリーが充電されている限り、基本的にはモーターのみで走る。アクセルを軽く踏むだけでスルスル〜と軽快な加速を見せ、流れの良い国道に入ってもエンジンはまったく始動しない。だが440Nmはさすがに強力で、加速時の力強さは3.0ℓクラスのエンジンに匹敵するぐらいの感覚だ。

エンジンとモーターの作動状況はリアルタイムで確認できる。ハイブリッドシステムモードは「HYBRID」「E-MODE」「E-SAVE」「CHARGE」の4種類がある。

2.0ℓ直4ディーゼルエンジンは第4世代の直噴コモンレール式。DPFとSCR触媒コンバーターを統合したsDPFを採用し、優れた環境性能を持つ。

 普通に走っている限りエンジンは始動しないのだが、アクセルをさらに踏み込んでいくと、ちょっとした抵抗を感じる部分に行きつく。これは「これ以上踏むとエンジンが始動しますよ」というメッセージで、エンジン始動を告知することでモーターのみで走ることを促そうというもの。それに構わずアクセルを踏み込むと、エンジンが始動し、エンジン+モーターの走行がスタートする。




 この状態の速さは相当なもので、AMGか! と叫びたくなるほどの迫力だ。ハイブリッドというと走りは二の次、というイメージがあるが、2つのパワーユニットが生み出す700Nmの走りはそんな固定観念を見事に打ち砕いていくれる。




 もっとも、そこまで踏み込む機会はまずないだろうし、ハイブリッドモードで走っていてもエンジンはほとんど始動しない。バッテリーが少なくなったりチャージモードを選択するとエンジンが始動するが、その時もエンジンが駆動と充電をこなし、モーターの駆動力サポートはほとんど入らない。つまりE350deはエンジンとモーターがそれぞれ独立して動くシステムだと考えればいいだろう。これはディーゼルとモーターの特性を活かすという意味でも、極めて合理的だと思う。




 認可前の参考燃費は17㎞/ℓ。Eセグメントのサルーンとしては素晴らしい値だ。あとは875万円という価格と、通常モデルより170ℓ少なくなってしまうラゲッジスペースをどう評価するかだろう。

充電口はリヤバンパー右側にある。満充電の状態なら、約50㎞のEV走行が可能だ。日常の使用はほぼ電気のみで事足りるだろう。

バッテリーがリヤシートの後ろに搭載されるため、ラゲッジルーム容量が通常モデルの540ℓに対して370ℓとなるのが実用上のデメリットだ。

〈SPECIFICATIONS〉メルセデス・ベンツE350deアバンギャルドスポーツ


■ボディサイズ:全長4923×全幅1852×全高1475㎜ 


ホイールベース:2939㎜ 


■車両重量:――㎏ 


■エンジン:直列4気筒DOHCターボ 


総排気量:1950㏄ 


最高出力:143kW(194㎰)/3800rpm 


最大トルク:400Nm(40.8㎏m)/1600~2800rpm(モーター:440Nm/44.9㎏m) 


■トランスミッション:9速AT 


■駆動方式:RWD 


■サスペンション形式:Ⓕダブルウイッシュボーン Ⓡマルチリンク 


■ブレーキ:Ⓕ&Ⓡベンチレーテッドディスク 


■タイヤサイズ:Ⓕ245/45R18 Ⓡ275/40R18 


■価格:875万円

【G350d試乗記】 ザ・ベストバランスG

メルセデス・ベンツG350d

 新型Gクラスはデビュー以来かなりの人気らしい。このキープコンセプト作戦は、まずは正しかったと言えるだろう。今まではV8のみのラインナップだったが、ようやく直6が登場した。しかもディーゼルエンジンだ。3.0ℓの排気量から286㎰/600Nmを生み出すのはさすがディーゼル、何しろ4.0ℓV8のG550でも610Nmなのだから。




 エンジンをかけるとディーゼルらしい音も聞こえてくるがほとんど気にならないし、むしろこのデザインには似つかわしいとさえ思える。走りは驚くほど軽快で、少し右足に力を込めるだけで意のままの走りが楽しめる。わずか1200rpmで600Nmを発揮するトルキーなエンジンの恩恵もあるが、V8モデルよりも軽快さで勝るのはフロントまわりが軽くなっているせいもあるだろう。




 装備類にもまるで不満などないし、これでG63より900万円以上も安いのだから、間違いなくオススメだ。

アクセルを踏み込んだ瞬間から湧き上がるようなトルクを発生する3.0ℓ直6ターボディーゼル。Gクラスとの相性は素晴らしくいい。
インテリアでV8モデルとの差異を見つけるのは難しい。最も異なるのは5300rpmからレッドゾーンとなるタコメーターだ。


〈SPECIFICATIONS〉メルセデス・ベンツG350d


■ボディサイズ:全長4606×全幅1931×全高1969㎜ 


ホイールベース:2890㎜ 


■車両重量:――㎏ 


■エンジン:直列6気筒DOHCディーゼルターボ 


総排気量:2925㏄ 


最高出力:210kW(286㎰)/3400~4600rpm 


最大トルク:600Nm(61.2㎏m)/1200~3200rpm 


■トランスミッション:9速AT 


■駆動方式:AWD 


■サスペンション形式:Ⓕダブルウイッシュボーン Ⓡリジッド 


■ブレーキ:Ⓕ&Ⓡベンチレーテッドディスク 


■タイヤサイズ:Ⓕ&Ⓡ265/60R18  


■価格:1192万円
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