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THKの「予兆検知IoTサービス」とはいったいなんだろう?


世界に先駆けて機械の直動システムを開発、LMガイドの名称で商品化したTHKが、製造業における予兆検知IoTサービス「OMNI edge(オムニエッジ)」の正式受注を開始した。「予兆検知IoTサービス」とはいったいなんだろう?


TEXT:松井亜希彦(Akihiko MATSUI)PHOTO:MFi FIGURE:THK

 世界に先駆けて機械の直動システムを開発、LMガイドの名称で商品化したTHKが、製造業における予兆検知IoTサービス「OMNI edge(オムニエッジ)」の正式受注を開始した。製造現場でも急速に進んでいるIoT化だが、その導入や運用にはコスト面など大きなハードルがあるのが現実。オムニエッジは生産ラインの状況を把握するためのIoTをパッケージ化したもので、ITエンジニアがいなくても手軽に導入・運用ができることが特徴だ。第1弾として同社のLMガイドに対応するタイプを用意し、LMガイド構成部品に取り付けるセンサー、ネットワークを構築するルーターなどの機器、解析用ソフトをセットで提供する。




 センサーが常時、LMガイド構成部品の損傷や潤滑状態を数値化してデータを送信、蓄積データを予兆検知ソフトが解析することで各部品の状態をウェブ上で「見える化」。グラフ表示や異常時のアラートメールなどの機能が導入開始直後からすぐに利用できる利便性を重視している。このパッケージが初期コストゼロ、もっとも廉価なプランは年間9万6000円~という低価格で提供されるのも魅力だ。




 オムニエッジを提供するのはTHKだが、各分野で豊富な実績を持つ企業が協力。データ通信はNTTドコモ、ネットワークシステムのコンサルティングや開発をシスコシステムズ、IoT基盤の構築・運用支援を伊藤忠テクノソリューションズが担当し、4社の強みを連携、製造現場での持続的な生産性向上に貢献していくことを表明している。今夏には第2弾としてボールねじ対応タイプを提供する予定だ。

簡単に設置できる専用センサー

上の写真がLMガイド用のセンサーで、手に持っているアタッチメントを介して右の写真のようにLMガイド上面に設置する方法と、側面に接着タイプのアタッチメントで装着する方法がある。センサー情報の取り込み機器や通信環境もオムニエッジではセットで提供される。

各社の強みを集結し信頼性を確保

正式受注の開始を発表した記者会見にはTHKだけではなく、NTTドコモ、シスコシステムズ、伊藤忠テクノソリューションズから担当執行役員が出席。クラウドを使用するインフラ構築のコストメリットや本取り組みに対する協力体制、将来的な計画などが説明された。

さまざまな産業分野で利用されるLMガイド

機械の直線運動を正確に軽い力で動かすために、面によるすべりではなくボールを使った“ころがり”化した機械要素部品がLMガイド。高精度化、高剛性化、高速化を実現することで現在の工作機械、医療機器、建築物の免震・制振装置などに利用されている。

〈EDITOR'S EYE〉国内製造業が抱える課題解決に取り組む

 これまでは熟練者の経験と勘に頼っていたり、破損や潤滑の状態にかかわらず期間を区切って大がかりな定期点検を行なっていた生産現場でも、オムニエッジを導入することでメインテナンスの効率化が可能になる。簡単に設定でき、費用対効果が実感できる料金設定も大きな魅力だ。

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