伸びる雑草を無視して、正式なスクランブルコースのみをぐるぐる回り続けると、コース上だけに草が生えなくなってソコ以外はボーボーだから大草原の中を走ってる気分になる……。あぁダメダ、埒が明かん。ヤギを飼おう。休耕地を借りてそこでグルグルとスクランブルゴッコをしよう、の3回目はオフィシャルマシンの製作です。



TEXT●ノア セレン

PHOTO●松川 忍

結局は「カブ」! やはり世界のカブは偉大なのだ!



 田舎で使ってない畑を借りて、そこでバイクをグルグル走らせて楽しんじゃおう!のこのプラン、僕の場合はそのコース(畑)がすぐ近くだからなんとなく管理できるけど、家から遠い所に借りちゃったら一瞬で自然に飲み込まれていく無力感を味わうことでしょう。いやほんと、雑草ってすごい!

 前回は色んなバイクを持ち寄ってこのイッタンブ(300坪)のコースを楽しむには何が良いか、ってのを検証しました。結果、250ccクラスのオフロードバイクはちょっと本気度が高すぎて、楽しいけれど怪我しそう。PW50みたいなキッズバイクは楽しめるけど乗る人の体格を限定する。一番コースのサイズにマッチしてて、楽しいのはCRM80だったのだけれど、それを越える「気軽に誰でも楽しめる」のがカブ50だったというハナシ。やっぱり世界のカブは偉大だね! ということで、改めて休耕地スクランブルコースにおけるカブの優位性にフォーカス。

①誰でも乗れる

 休耕地コースを持っていても、一人で延々グルグル回ってるのはもはや遊びではなくトレーニングになっちゃう。そんなストイックなことをしたくて畑を借りたんじゃないから、やっぱり友達を呼んで、バーベキューでもしながら、追いかけっこをしたいわけですよ。バイク上級者ならCRM80でも250オフでも楽しめちゃうでしょうけど、そうじゃない「誰でも」って意味ではやっぱりカブ。誰でも一度は乗ったことあるだろうし、構えなくていいもの。「あ、ウチの畑でカブでも走らせてみる?」と言いやすくて、限られた性能だからこそケガもしにくいと思う。僕みたいに長身でも窮屈さがないのもいいよね。

②クラッチないし



 クラッチがないのはいいよ。まずエンストしないもん。そしてギアもロータリーだからガチャンガチャンと無造作に操作できちゃう(もっともほとんどギアチェンはないけれど)。久しぶりにバイクに乗る人でも、クラッチに自信がない人でも、誰でも乗れるし、かといってスクーターみたいに無段変速じゃないからちゃんとトラクションを感じたり、一速落としてスライドにつなげたりというレベルの高い走りも可能(ほんとだよ!)。

③安全です

 チェーンケースがついてるのが大きな安心。チェーンが汚れないから整備が楽というのももちろんあるけれど、オフロードは遅かれ早かれ転ぶから、その時に指とかをチェーンに巻き込んで怪我したりしないで済む。オフロード車にはだいたいついてますよね、後ろのスプロケの所に、手を巻き込まないためのガードが。カブではチェーン全体を覆っちゃってるんだからありがたい。

④静か

 ノーマルマフラーはとにかく静か。いくらブン回そうがしょせんはカブで、うるさくないのが最高。田舎で周りに何もない畑と言っても、音は近くの集落まで届くことがあるからね、一日中グルグルしてたら、うるさいバイクだったらやっぱり近所のことが気になっちゃう。だからつい「マフラーはアップタイプにしたらかっこいいな」なんて思っちゃうけど、ここは我慢してノーマルを貫くのです。チェーンケースに当たるチェーンの音の方が気になるぐらいだからちゃんと調整しよう。

⑤タダみたいなもの

 最初はXR100とか、そういった小さな競技用車両が何台かあったら楽しいな、なんて思ってたけれど、中古車市場を見るとこれがけっこう高いんだ。そんなにメジャーな分野だとも思えないけれど、ニッチだからこそ高値取引されるのかしら……。その点カブは、畑で走るだけのボロくていいのならどこからともなく入手できるし、タイヤとかも安いし。コスト面からみても楽しみ続けるのに無理がない。





 とまぁ、主にこんな理由からわが休耕地スクランブルコースにおけるオフィシャルマシンはカブに決定したわけです。カブの50なら今後もどこからともなく手に入る可能性があるから、うちで複数台用意したら人が遊びに来た時に貸してあげることもできちゃう。何台かで追いかけっこできたら最高だもんね!

とはいってもフルノーマルじゃ盛り上がらない

 とはいえ、ノーマルカブでオーバルをぐるぐる回ってるだけってのも、何だか完結しちゃってて面白くない。カブをスクランブル仕様にちょっとだけ改造したいぞ!

 僕が入手したカブは、ガレージセールで見つけたもの。距離は5万キロ以上走っていたものの一応実働だし、カブなんてなんとでもなるから1万5000円を支払って持ち帰りました。もう始めから畑専用のつもりだから書類とか関係なし。公道で乗ることはないでしょう。ならばどうせそのうち転んで壊しちゃう保安部品は要らないからとっちゃおう。加えて荷台とかそういった重いものはとっちゃって、ついでにフェンダーとかも切っちゃえば雰囲気出そう。ということでコスト0円の「むしり取り系カスタム」の始まりです。

5万キロのボロカブをむしる!

まずは保安部品は全部外しちゃって良いでしょう。ウインカーとかテールランプとかは割れる前にとっちゃえば、そもそもこのカブを入手したガレージセールでまた売っちゃえばいいや。あ、テールランプ内にはハチの巣があるじゃん! ヘッドライトをとったあとの穴には、なんかゼッケンプレートみたいなのをつけたらカッコいいかな!





 後ろの泥除けが長いのもカブの特徴で泥ハネを抑えてくれるわけだけれど、モトチャンプ誌に出てくるカブカスタムを見てると高い確率で切っちゃってるんだ。それがまたカッコイイ! いつかやろうと思ってたこのぶった切りカスタムをやってみました。

 そしたらリアホイールの着脱がとっても楽になりました。深いフェンダーだとリアホイールが真後ろに抜けなくて「むむむ?」となるからね。着脱ついでに一応ホイールベアリングやチェーン周りの点検もしておきます。



 リアを切ったらフロントの泥除けもちょっとスマートにしたらいいかなと思って、こちらも整備がてら分解。樹脂のフロントフェンダーは何で切るのが正解かわからなかったけど、結局サンダーでぶった切り。ブレーキ周りをチェックしたらブレーキシューのライニングがボロリと取れちゃった。フロントブレーキはあんまり使わないものの、全くないのもちょっと怖いからここは新品投入。新品のシューが1500円ぐらいしかしないのが素晴らしい。

 一番困ってたのはオイル漏れ。機能的には多少オイルが漏れてたって走る時に規定量ぐらい入ってれば問題ないけれど、ガレージの床がオイル染みだらけになるのがやっぱり嫌だなぁ。ベタベタのエンジン下を良く洗ってから点検すると、チェンジロッドの所が原因のよう。古いオイルシールを抜き取って新しいのを優しく入れ直しました。どっか他からも漏れてそうだけれど……

わずか半日でできちゃった!

 というわけで、すっごく簡単にスクランブル仕様のカブが完成です。リアを14インチにするとか、デコボコタイヤをつけるとか、そんなカスタムの発展性も妄想しちゃいますが、まぁとりあえずはこれで走ってみましょう!

情報提供元:MotorFan
記事名:「 畑でカブ遊び「休耕地スクランブル#3]