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ABS付きは安心感が大違い! ツーリングにも活躍必至!


先進的なeSPエンジンやアイドリングストップ機能を有して2010年に満を持して発売されたPCX。以降はハイブリッドやEV仕様のエレクトリックも追加され盤石の体制を整える同シリーズだが、その長兄にあたる150もかなりの人気っぷり! その実力を実際に試乗して検証してみた。




REPORT⚫️川越 憲(KAWAGOE Ken)


PHOTO&EDIT⚫️佐藤恭央(SATO Yasuo)

ホンダ・PCX150<ABS>……395,280円

ホンダ・PCX150……373,680円

マルチに使える優れた機動力! コストパフォーマンスの高さも魅力

 一時期のビッグスクーターブームで、250cc以上のスクーターの開発に拍車がかかり、大柄で装備も豪華になったことで価格も高騰した。そのブームが去ったのは、簡単に手が出ない金額に、若いライダーが離れていってしまったことが大きな原因だ。ビッグスクーターは欧州のライダーもターゲットに置いていたことから、ある意味しようがない事だっただろう。そんな状況を打開すべく、白羽の矢が当てられたのが東南アジア市場から生まれた125/150ccスクーター。お値段も手ごろでサイズもコンパクト。さらに維持費が安いこともあって、若者はもちろん、ベテランライダーのセカンドバイクとしても脚光を浴び、今に至る。その中心となったのがPCXだ。


 PCXは125cc、150ccともにベトナム生産だ。東南アジア系のスクーターは、荒れた路面や不整地での走破性を高めるため大径ホイールの採用が特徴で、PCXにも前後14インチホイールが採用され、タイヤも扁平率が低く細めのタイヤを履いている。250ccスクーターが軒並み50万円を大きく超える今、30万円台という価格はやはり魅力だ。




 都内の一般道を走っていて、このバイクを見ない日は無いと言えるほど販売は今も好調。その125ccのPCXの人気を背景に、高速道路を利用できる150cc版として2012年4月に登場したのが今回試乗したPCX150だ。フレームや外観のデザインが同じなので125とは見た目には違いが分からない。価格もPCXと比べて150のABS無しが約3万円、ABS付きが約5万円高いだけ。保険を始めとする諸費用の関係で、やっぱり原付二種のPCXの流通が圧倒的なのだが、スタートからの加速の上乗せや、80km/hまでの到達時間の短さは、150オーナーの優越感を満足させるだろう。

ちょっと高くても ぜひABS付きをオススメしたい!

 試乗前にまずPCXの熟成をおさらいしてみた。初代から2年後の2014年4月にマイナーチェンジを受けて全灯火類をLEDに変更。フロントとリヤカウルがシャープになり、燃料容量が5.9→8.0ℓに拡大。そして2018年4月に発売された現行の3代目はフレーム構造がアンダーボーンから、モーターサイクル同様のダブルクレードル構造に変更され、車体の剛性が大幅に上がった。初代からアイドルストップ機能の付いた水冷4スト単気筒「eSP」エンジンを搭載するが、モデルチェンジ毎に改良を加え、加速や中回転域の伸びを向上させてきたという。また、装備面では、現行モデルからスマートキーが採用されたことも大きなポイントだ。




 今回試乗したのは150のみに設定されているABS付きモデル。エンジンをかけてみると思っていたより鼓動感があり、音量規制が緩和された影響なのか、150ccとは思えないほど勇ましい音がする。一時期、環境への配慮から消音が進んで、クルマもバイクも周囲の人が車両の接近に気付きにくいという現象もあったが、個人的にこのくらいの排気音があったほうが注意喚起にもなっていいと思う。ポジションもグッド。グリップ位置や足の置き場も街中を走るにはちょうどいい。身長182cmの自分でも、ツーリングをメインにするなら、ちょっとコンパクトかな、と思うくらいだ。走り出してすぐに気付いたのは、直進安定性のよさ。前後ホイールが大径で、フレーム剛性が強化されたことも大きいだろう。スポーツバイクのように、ハンドルから手放ししても不安なく真っ直ぐ進むし、外乱にも強い。スロットルを開けると、スクーターの駆動系特有の一瞬の体ラグはあるが、80km/hまでよどみなく加速する。スクーターと言うより、モーターサイクルに近い乗り味と言えるだろう。




 特筆したいのはブレーキ。フロントブレーキが良く効く。ABSが付いているためか、一般的なスクーターに採用されているブレーキより、明らかに強力だ。試しにABSを効かせようと、何度か前輪フルブレーキングを試みたが、ABSが働いている感覚が無い。最近のホンダのABSは秀逸なので、作動していると気付かないだけかもしれないが、このブレーキであれば、荒れた路面や雨天も安心だ。街中を流して走っているぶんには、左手の前後連動ブレーキだけで事足りるだろう。購入するなら絶対にABS付きにすべき。価格も約2万円しか変わらないのだから。




 速度は80km/h以上はあまり伸びないが、0km/hから80km/hまでの到達時間は、車重の軽さもあって250ccスクーターとあまり変わらない。試乗車にはオプションのETCが付いていたが、まるで標準装備のようにセットされていた。車載器の装着やアンテナも取付けが簡単にできるよう考慮されている、と聞いて納得だ。


 今回の試乗では、一般道と高速道路を約200km走って燃費は48.8km/ℓ。燃料タンクの容量は8ℓなので、1回の給油で400km近く走れてしまうのは、普段燃費のあまり良くない車両に乗っている自分には、すごく魅力的だ。通勤や通学、お買い物のセカンドバイクとしてだけでなく、ふらっとツーリングにも出かけたくなる1台だ。

●足つきチェック(ライダー身長182cm)



シート高760mmは、150ccスクーターとしてはちょっと高めの数値でフロアボードも広めだが、シートの角が大きくカットされ、足が降ろしやすい形状であるため、標準的な体形のライダーなら両足がしっかり接地する。

●ディテール解説

スマートキーを採用したことで、よりコクピットがすっきりとした。ハンドルバーエンドやステアリング周辺のメッキパーツがクラスを超えた豪華さを演出。

モデルチェンジでメーターのデザインも一新。デジタル液晶メーターは、速度計、走行距離計、時計の他、平均燃費も表示する。

フロントのみ作動するABS付き車両もラインナップ。2018年3月のフルモデルチェンジで前後ホイールの軽量化とタイヤサイズを変更(F:90/90-14→100/80-14、R:100/90-14→120/70-14)。

フルモデルチェンジでリヤサスペンションのストローク量を増加。また、フレームをダブルクレードル式に変更し、車体剛性を高めている。

2018年3月のフルモデルチェンジで外観デザインを一新。より先鋭的なフロントマスクと流麗なボディサイドラインに変身した。

横に長いX型の、斬新なテールユニット。テールランプの他、ウインカーやライセンスランプにもLEDを採用している。



シート下スペースは縦に長く2段に分かれ、容量約25ℓを確保。ジェット型のヘルメットが楽々収納できた。ETC車載器はオプション設定だが、アンテナ別体のセパレートタイプの車載器本体を搭載する専用スペースも設けられている。

ホンダスマートキーシステムを採用。ウインカーが点滅して車両の位置を知らせるアンサーバック機能も搭載。

車体の中央が盛り上がったセンタートンネル仕様だが、フットレスト部分の広さは十分。ニーグリップはできないが、足で車体をホールドしやすい。
センタートンネルにある給油口のフタはメインスイッチのワンプッシュでオープン。燃料タンク容量は初代の5.9ℓから8.0ℓに拡大し、無給油航続距離を大幅に延ばしている。


フロントパネル左側のインナーボックスは奥が深く、500mℓペットボトルが収納可能。扱いやすいワンプッシュ開閉式。外部電源ソケットも装備。
右スイッチボックスにはセルスターター、ハザード、アイドルストップのオンオフスイッチを配置。ハザードスイッチが大きめで使いやすい位置にレイアウトされているのが特徴。


■主要諸元■

車名・型式:ホンダ・2BK-KF30


全長(mm):1,925


全幅(mm):745


全高(mm):1,105


軸距(mm):1,315


最低地上高(mm):137


シート高(mm):764


車両重量(kg):131


乗車定員(人):2


燃料消費率*1(km/L):


 国土交通省届出値定地燃費値*2(km/h)…52.9(60)〈2名乗車時〉


 WMTCモード値★(クラス)*3…46.0(クラス 2-1)〈1名乗車時〉


最小回転半径(m):1.9


エンジン型式:KF30E


エンジン種類:水冷4ストロークOHC単気筒


総排気量(㎤):149


内径×行程(mm):57.3×57.9


圧縮比:10.6


最高出力(kW[PS]/rpm):11[15]/8,500


最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm):14[1.4]/6,500


燃料供給装置形式:電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉


始動方式:セルフ式


点火装置形式:フルトランジスタ式バッテリー点火


潤滑方式:圧送飛沫併用式


燃料タンク容量(L):8.0


変速機形式:無段変速式(Vマチック)


タイヤ:


 前…100/80-14M/C 48P


 後…120/70-14M/C 55P


ブレーキ形式:


 前…油圧式ディスク


 後…機械式リーディング・トレーリング


懸架方式:


 前…テレスコピック式


 後…ユニットスイング式


フレーム形式:ダブルクレードル




■製造事業者/本田技研工業株式会社

■ライダープロフィール

二輪カルチャーにどっぷり浸かった華の50代(1967年生まれ)! 愛車はBMW R1150GS・BUELL XB9SX・TZR250(1KT)。バイクジャンルを中心に活動するフリーライター・編集で、有限会社遊文社・代表取締役も務める。BiGMACHINE(内外出版社)や培倶人(エイ出版社)など雑誌、WEB問わず様々なメディアで活躍中!

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