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新能源車=NEV規制を読み解け。「テスラ100社」を夢見る中国、その勝算と現状(2)


 BEV(バッテリー充電式電気自動車)は高級車と安価なコミューターに二極分化する——果たしてこの読みは当たるだろうか。日本ではまだ、不特定多数の一般ユーザーが進んでBEVを買う状況ではない。BEVの販売動向は補助金額で変わる。中国政府がNEV(ニュー・エナジー・ビークル=新エネルギー車)規制を導入したことを受けて、日本のメディアでは「もうエンジン車の時代ではない」との論調が目立ったが、NEV規制初年度の中国ではやはり、一般ユーザーはBEVを買っていなかった。中国のネット企業が運営するウェブサイト「Sina.com」は、中国汽車工業協会のNEV販売台数発表を「真実ではない」と報じた。筆者の取材でも、NEVのおもな販売先は自動車産業内部だという推測を得られた。しかし、その一方でBEVスタートアップ企業が活発に動いている。とくに富裕層をターゲットとするスーパーBEVが、いよいよ商戦本番を迎えようとしている。




 オートモーティブニュース・チャイナにことしの年初、以下ような記事が掲載された——「NEV販売台数は中国でこの数年間急増している。しかし最近まで、誰が買っていたのかは不明のままだった。北京を拠点とするニュースサイトSina.comは、自動車メーカーが販売したと主張しているNEVの大部分が、フリートおよびモビリティ事業向けであることを突き止めた」「2018年1〜11月の中国NEV販売台数は、中国汽車工業協会(中汽工)の発表では88.6万台だが、小売顧客向けの納入は68.5万台であり、残る20.1万台は自動車メーカー自身がフリート(社用車)向けに出荷した」




 実際、自動車メーカーがカーシェアリング/ライドシェアリングの会社を興した例は少なくない。北京汽車集団は2017年にカーシェア専門会社を立ち上げ、傘下の北汽新能源が同社にBEVを供給している。オートモーティブニュース・チャイナによると、その数は「2018年11月までに約3万台」だという。最近は北京市内、とくに5環路(第5環状道路)より中心部で北汽新能源のBEVをよく目にするようになったが、その中には北京汽車直系カーシェア会社の車両が含まれているのだろう。




「いや、フリート向けだけでなく販売金融会社、販売会社、部品メーカーなどがNEVを割り当てられている」とは、旧知の中国メディア記者の発言だ。ある自動車販売会社では「カンパニーカーの中にもNEVがある」と聞いた。Sina.comはNEV販売台数の約23%が自動車メーカー直営フリート企業向けだと報じたが、社用車や関連企業への押し込み販売、従業員個人名義での購入など、業界内向けの比率は、ひょっとしたら50%を超えるかもしれない。

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