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あるか、ないか、デジタルかアナログか.クルマの時計について考える


クルマの中に必ずあるもの、それが時計。「クルマの時計」について考察します。


TEXT●木原寛明(HIROAKI Kihara)

昔は時計よりタコメーターほうが重要な装備だった

 まずは昔話からはじめます。ワタクシK(昭和40年式)の少年時代、日産サニー (B110型)1200GLというクルマが家にありました。そのファミリーカーのスピードメーター横のスペースには大きめのアナログ時計が埋め込まれていたことを記憶しています。ワタクシはそれが嫌で堪りませんでした。理由は上級スポーツモデルのGX ではうちのクルマの時計の収まったスペースにタコメーターが備わることを知っていたからです。1200GLは中級モデルでタコメーターの部分は蓋になっており、うちのはオプション装備の時計が付いていたのだと思います。「時計よりタコメーターが欲しい」。いや、そうじゃない、「時計もタコメーターも両方とも欲しい」。そう思った少年時代でした。

B110型日産サニー1200GL(写真はマイナーチェンジ後のモデル。筆者の家にあったのは前期型だった)

今度はAE86レビンで時計がなくて叫ぶ!

 時は流れて大人になったワタクシK。いつだったかAE86型トヨタ・カローラレビンGTV(ハチロクで一番スパルタンなモデルです)を買ったとき、タコメーターはあったものの時計がないことに驚き(オプションでデジタル時計が用意されてはいました)、なんじゃこりゃ〜! と叫びました。これを例外にしてワタクシが今まで購入したクルマのほとんどには備え付けの時計が付いていました。わりかし高級車とかハイソカー(死語)が好きなことも影響しているかもしれません。ちなみにどんな車種に乗ってきたか何台かを挙げますと、国産車ではソアラ(2代目)、セルシオ(初代)、シーマ(2代目)、ゼロクラウンに5代目マジェスタ、輸入車ではベンツSクラス(W126)、ジャガーXJ6(X300)、ベンツCL(2代目)、キャデラック・セビル(5代目)などなど。これらはいずれも時計を標準装備してました。

トヨタ・AE86カローラレビン。写真は上級モデルの GT アペックス。筆者が買ったのは装備を簡素化したスパルタンなGTVモデルだった。

アナログとデジタルと2種類ある。なぜ?

 ここでふと疑問が湧いてきます。そういえば、先に挙げたかつての愛車の時計には、「アナログ」のものと「デジタル」のものと2タイプがあったよなと。すぐ思い出されるのはジャガーXJとベンツSクラス(W126)、それに2代目シーマがアナログだったこと。これは直感的に思い出しますね。セルシオはデジタル、ソアラやクラウン系もデジタルでした。トヨタはデジタル時計が好きなんでしょうか。そうそうマジェスタのはGPS誤差修正機能が付いていて時刻合わせがいらないのは便利でした。ほぼ同時代のライバル車同士=シーマはアナログでセルシオはデジタルって、なんだか象徴的じゃありませんか。とはいえベンツSクラス(W126)は設計年度が古い(うちのは90年式でしたが初期型の登場は79年)ので、ジャガー XJ6(うちのは97年式)やシーマ(93年式)とは時計の見せ方の考え方が違うように思います。実際、W126はメータークラスター内にスピードメーターやタコメーターと同デザインの時計があり、「ドライバーにだけ見てもらえばいいや」といった割り切りが感じられますが、ジャガーXJ やシーマはインパネのセンター部分に装飾品のような高級感のあるアナログ時計が埋まっていたのです。乗員全員を優雅な気持ちにさせるのが目的の時計とでも言いましょうか。

ジャガー XJ6(X300)。中古で買ったのでトラブルもあったが、内外装の優雅な雰囲気が好きだった。アナログ時計もよく似合っていたと思う。

現行の国産車の時計事情

 先ほど、「トヨタはデジタル時計が好き?」ということに触れましたが、いま売られているクルマは実際どうなっているんでしょうか? まずは国産車を調べてみると、トヨタではセンチュリーの後席にのみアナログ時計が使われております。デジタルとアナログ、どっちがいいのかという議論はさておき、さすがはセンチュリー様。そのコダワリが凄いではありませんか。そのほかの車種を見てみると、クラウンはデジタル時計ですし、アルファード/ヴェルファイアもしかり。なんと、センチュリーの後席を例外として、トヨタ車でアナログ時計を使っている車種は見当たりませんでした。ところがですよ、レクサスはLS、GS、GSF、ES、IS、LC、RC、RCF、UX、LX、RX、NXに GPS対応時刻補正機能付きのアナログ時計を採用。もちろん前席にです。デジタル時計を使っているのは唯一、CT だけでした。それでは日産はどうか。なんとアナログ時計を使っているのはシーマとフーガの2車種のみ。トヨタと日産以外は……筆者が調べたところ見つかりませんでした。

いまのレクサスはアナログ時計がお好き。初代セルシオはデジタル時計だった。写真は現行型LS。

現行の輸入車の時計事情

 輸入車の場合、多くの自動車メーカー、多くの車種でアナログ時計を採用しています。ここでは日本に正規輸入されているクルマに限定して話を進めます。




 まずはメルセデス・ベンツから見ていきましょう。Cクラス、Eクラス、Sクラス、CLSクラス、SLクラス、Gクラス、メルセデス・マイバッハがアナログ時計を採用しています。特筆したいのはSクラス、SLクラス、Gクラスの各 AMGモデルとメルセデス・マイバッハにのみ設定されたスイスの高級ブランド時計「 IWC」です。腕時計では100万円以上するものも少なくない……と書いている時点で筆者の民度がバレバレなワケですが。




 お次はBMW。 5シリーズ、7シリーズは「“アナログ風”液晶」です。アウディは全車デジタル時計。フォルクス・ワーゲン然り。ドイツ車はメルセデス・ベンツを例外として、アナログ時計をインテリアの一部としては捉えていないのかもしれません。




 意外だったのはアナログ時計にコダワリがあると勝手に思っていたジャガー。現行モデルではXJ のみの採用となっております。このほか、世界の高級車をチェックしてみると、マセラティの全車(ギブリ、レヴァンテ、クアトロポルテ、グラントゥーリズモ、グランカブリオ)、ロールスロイス・ファントム全車(カリナン、ゴースト、レイス、ドーン)、ベントレー全車(コンチネンタル、ミュルザンヌ、フライングスパー、ベンテイガ)が、いずれもアナログ時計を採用しています。ベントレーは知る人ぞ知る「ブライトリング」という高級時計ブランドのものです。ベントレーとコラボした腕時計も出ていますから、一部のオーナーは人とクルマの時計のコーディネイトもしてるんでしょうね。羨ましい。




 筆者はホンダ車に乗っていたとき、ホンダの時計を持っていた過去はありますが。そういえば、高級時計ブランドで思い出しました。2002年に登場したキャデラック・2代目エスカレードでは「ブルガリ」のアナログ時計を採用していましたが、2007年に登場した3代目で採用を見送ってしまいました。なんででしょう。理由は定かではありませんが、現行の4代目にもない幻の時計です。

ベントレーはスイスの高級ブランド時計のブライトリングを採用。ブライトリングは創業1860年の名門中の名門で航空機との関わりも大きく、腕時計のファンも多い。

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