鈴鹿サーキットで8時間耐久レースがおこなわれる7月27日(土)28日(日)に「ソフテイルツアー2019」を開催するハーレーダビッドソン。いま“イチオシ”としているソフテイルファミリーは、シャシーとエンジンが刷新され、従来にはなかったスポーティさを感じます。新型フレーム、ニューエンジンになってから登場した「SPORTSGLIDE(スポーツグライド)」に乗って、そのライドフィールを確かめてみました。



REPORT●青木タカオ(AOKI Takao) PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

SPORTSGLIDE(スポーツグライド)…ビビッドブラック2,295,700円/モノトーン2,337,700円/カスタムカラー2,378,700円

 新しくなったソフテイルファミリーに後発で加わったのが「SPORTSGLIDE(スポーツグライド)」です。搭載されるエンジンは最新の空冷V型2気筒OHV4バルブ「ミルウォーキーエイト」で、排気量は107キュービックインチ=1745ccのみ。114キュービックインチ=1868ccと2本立ての設定になっている機種もありますが、選べるのは「ミルウォーキーエイト107」だけとなっています。



 まず目を惹くのが、フロントに備わるミニフェアリング。じつはこれ、工具なしで即座に脱着でき、気の向くままにスタイルを変えることができるのです。



 二面性。これがスポーツグライドの魅力のひとつとなっていて、ハードサドルケースもまた取り外しが自由自在になっています。



 ハーレーダビッドソンは昔からワンタッチ式の「デタッチャブル」(クイックリリース機構)を導入し、ウインドシールドやバックレストなどを工具不要で脱着できるようにしてきました。



 一昔前のものは装着に手間取ったものですが、スポーツグライドではカウルもパニアケースも簡単スピーディに外したり付けたりでき、進化を感じずにはいられません。



 感心するのは、もうひとつ。サドルケースを外したとき、剥き出しとなるマウント部にクロームメッキが施され、見た目がキレイなところです。荷掛フックの役割も果たし、機能性にも優れます。



 引っ張って回すだけのクイックリリース機構も使いやすいものです。取付部も美しいし、サドルケースの脱着はイージーでまったく苦になりませんので、街乗りでは軽快なストリップスタイルにして走りたくなるのでした。



“一粒で二度美味しい”といったところでしょうか。街乗りメインのときは、これぞソフテイルといった王道的なストリップスタイルにし、またツーリング時にはフェアリングやサドルケースを取り付けたツアラースタイルに。

 ミニカウルは高速走行でウインドプロテクション効果を発揮し、長距離走行では疲労感を大幅に低減してくれるのです。



ワンランク上のクルージング力

 ソフテイルファミリーでは、このスポーツグライドとヘリテイジクラシックにのみオートクルーズコントロールの搭載があることからも、ツアラーとしてワンクラス上の性能を確保していることがわかります。

 ハンドル左にスイッチがあり、操作に慣れるとスロットルグリップを握る右腕の疲労感が低減され、高速巡航がより快適になるのでした。



 ハードケースは横開きでフタが大きく開くため荷物が入れやすく、こぼれないようネットも標準装備。シートに跨りながらも荷物を出し入れできるよう、開閉レバーが腰のすぐ横にあるのもよく考えられています。

 さらにリッドがダランと開かないようダンパー付きですから驚きを隠せません。ハーレーダビッドソン、いつからこんなに親切になったのでしょうか。高級感もバツグンです。



 ステップは両足を前方に投げ出すようにして乗るフォワードコントロールで、小柄な人の場合、ヒザが伸びきってしまい見た目にもよくありませんし、疲労感も増えてしまいます。



 スポーツグライドの場合、フットペグの位置はライダー側に寄せられ、決して遠くありません。身長175cmの筆者が乗車した場合、ヒザがゆったりと曲がり、余裕を持ってペダル操作ができました。



 なお、シート高は680mmと低く、足着き性では乗り手の体格を選びません。



ダイレクトに伝わる鼓動感に酔いしれる

 エンジンはボア×ストロークを100×111.1mmとするロングストローク設計で、ラバーを介さずリジッドマウントとしたことで、鼓動感が乗り手のカラダへダイレクトに伝わるよう設計されています。



 4バルブ、ツインスパークで燃焼効率を上げて、先代のビッグツインでは2本あったカムシャフトを1本化。スロットルボディを50→55mmに拡大したほか、フライホイールの慣性モーメントを増やすなどし、より低回転でのクルージングや850rpmというオールドハーレーのような極めて低いアイドリングを実現しました。



 低回転域から潤沢なトルクを発揮し、高いギヤを使ってゆったりと乗ることのできるエンジンですが、回転を引っ張り上がれば湧き上がるような力強さで、ハイパフォーマンスクルーザーとしてアグレシッブにスポーツライディングを堪能したくもなります。



 ノンビリと、あるいは堂々と重々しいのが従来のビッグツインモデルでしたが、モノショック化した新しいソフテイルファミリーは身のこなしが軽く、コーナーもリズムよく駆け抜けていくのです。

 軽量・高剛性なキャストホイールはフロント18インチ、リア16インチの組み合わせで、フロントは倒立フォークをレイク角30度でセット。落ち着いたハンドリングながら、クセのないニュートラルなステアリングフィールで、ハードにコーナーを攻め込んでも狙ったラインを外しません。



 ミニフェアリングとハードサドルケースを装着すれば、スポーツツアラーとして。すべてを取り外せば、ワイルドなクルーザースタイルに。



 走りにおいても、ビッグツインの味わい深さを感じつつノンビリゆったりもいいですし、強化した足まわりを活かしてアグレシッブなライディングに夢中となるのもいいでしょう。



 見た目にも、性能的にもふたつの顔があり、長くつきあえそうなモデルとなっています。最新ソフテイルはオールマイティなのです。



スポーツグライド ディテール解説

フェアリングを外せば、すぐに軽快なストリップスタイルに一変。オーソドックスなハンドルバーは幅広で、肩幅より若干広めの位置にグリップを構えます。



タンクオンメーターは指針式の速度計をメインに、埋め込まれた液晶画面ではバーグラフ式の燃料計のほか、時計、オド、トリップA/B、エンジン回転数/ギヤ段数、残燃料による航続可能距離を切り換え表示します。



搭載される空冷Vツインエンジンは、4バルブ化され「ミルウォーキーエイト」とネーミングされています。ミルウォーキーはハーレーダビッドソンが1903年の創業以来、本拠を構える米国ウィスコンシン州のホームタウンの名。エイトは、2気筒なので合計8バルブを意味しています。



エンジン左サイドで大きく張り出しているのは、プライマリーチェーンケースです。ハーレーダビッドソンのビッグツインはエンジンとミッションがそれぞれ独立した別体式で、それをチェーンで連結する方式を採用しています。



倒立式フロントフォークはSHOWA製で、インナーチューブ径は43mm。ブレーキは対向4ピストンキャリパーと11.8インチ(300mm)フローティングディスクローターの組み合わせです。



シートは前後セパレート式で、ソロ仕様にして乗ることもできます。ハードサドルケースはキー付きで施錠も可能です。試乗車には純正ETC車載器が備わっていました。



モノショック式のリアショックには、ダイヤル無段階調整式のプリロードアジャスターが備わります。ライディングへの意欲を感じる装備と言えるでしょう。



ウインカーにテール/ブレーキランプが埋め込まれているので、リアフェンダーの上はスッキリとしています。シンプルなテールセクションを演出しました。



ファイナルドライブはベルト式です。チェーンのように清掃、給油、調整といったこまめなメンテナンスが不要で、変速時のショックを吸収し、走行時の静粛性に優れます。



フレームネックにはUSB端子が備わり、スマートフォンなど電子機器を充電するのに重宝します。

情報提供元:MotorFan
記事名:「 一番お得なハーレーはコレ!? 理由はわずか3分、工具無しでカウル&サイドケース着脱できる→1台で2つのスタイルを味わえるから。【H-D スポーツグライド試乗】