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10年ぶりのレースにちょうどイイ! TKレンタルバイクシリーズに出場してみた【前編】


 2017年からスタートしたTKレンタルバイクシリーズは、その名の通り、車両をレンタルして楽しめるワンメイクレースだ。ビギナー、エキスパートのほかに、GO&FUNチャレンジという若手育成のためのクラスを設け、サーキット秋ヶ瀬で開催されている。


 かつてレースに情熱を燃やしたカメラマンが7年ぶりにカムバックするために、この「TKレンタル」に挑んだ!! 今回は、前日の練習走行の模様をお届けします!




PHOTO:鷺坂 悠馬/山田俊輔


REPORT:星野耕作


まとめ:佐藤恭央


星野耕作(フリーランスフォトグラファー)

元地方選GP125参戦 (MOTO BUM)。 現役時代の最高位はもてぎロードレース選手権での3位。現在はフリーのカメラマンとして、バイク関係、芸能、音楽、ファッションと多岐にわたり活動中。オフィシャルサイト http://kousakuhoshino.com/


武田雄一

元全日本ライダーで、ST600クラスでは優勝経験もある。TKレンタルバイクシリーズの主宰で、秋ヶ瀬でのシリーズ戦のほか、明智ヒルトップサーキットでの耐久レースも開催し、レースの楽しさや厳しさを教えてくれる伝道師! オフィシャルブログ https://ameblo.jp/yu1-takeda/

お金を余り掛けず、時間も掛けずにレースに出たい人に!

 私がロードレースを辞めてから早7年が経ちます。その間に仕事でちょこちょこバイクに乗ることはあっても、サーキットは全く走っておらず、身も心もレースから離れてしまっていました……。“レースに出たい”という気持ちはずっと胸に秘めていたけれど、本職であるフリーランスのフォトグラファーとして生き残るためには、日々の仕事をこなし、常に作品撮りや機材のアップデートが必要です。要するにヒマ(とお金)がない!! 趣味のバイクレースはさておき、死活問題に直結する人生レースで後塵を拝するわけにはいきません。


 そんな悶々としていた時に知ったのが今回参戦を決めた「TKレンタルバイクシリーズinサーキット秋ヶ瀬」です。整備が行き届いた車両が用意されているので、当然、自前で車両を用意する必要がないんです! バイク(またはレース)フリークなら、マシンをチューニングしたり、その都度メンテナンスをしてコンディションを保つのも一興ですが、初期投資やランニングコストが掛かるのもこの車両が大きなウエイトを占め、レース参戦では難関だったりします。また、私は仕事兼用でハイエースを所持していますが、コンペティションとなると自走というわけにはいかないので運搬用にトランポも必要になります。でも、レンタルならこれらの問題がクリアできちゃうんです! 


「時間もお金もないけどレースに出たい!」という今の私におあつらえ向きなのです。ちなみにレースに出場するにはフルフェイスヘルメットやレーシングスーツ、ブーツなどの装備も必要ですが、装備類一式も借りられるので、身一つでレースに挑むことが可能。これはビギナーにとっては嬉しいですね。

本番前日にみっちり練習走行!

 さて、出場すると決まったらポディウム(表彰台)のてっぺんを狙いに行きますよ! この「TKレンタル」は、長年続くミニバイクレースのモトチャンプ杯東日本シリーズと併催されていて、レース前日は特別スケジュール(別料金)になっています。15分×6回と普段よりも多めに走行できるようなので、情けない結果にだけはならないように“勘”を取り戻したいところ。レースの参加人数によっては練習走行時にマシンをシェアすることもあるそうですが、サーキット秋ヶ瀬を走るのが初めての私にとって、本番前にたっぷりと練習できる機会があるのはとても助かりました。

アンダーボーンの珍しいレーシングバイク

 さて言い忘れていましたが、レンタル車両はスズキのFU150という、日本ではあまり見かけないモデルです。アンダーボーンフレームなのにやたらとレーシーな、珍妙なスタイルの一台ですが、聞けばアジア各国を転戦するロードレースの登竜門「SAC(スズキ・アジアン・チャレンジ)」初年度の2015年に実際に使用されていたという、由緒正しきバイクのようです。


 早速、自前の装備に身を固めてイザ発進! 久しぶりに腕を通したレーシングスーツは常日頃から節制していた甲斐あってジャストフィット! 正直、アンダーボーン仕様だからサーキットには不向きなのでは?と思っていましたが意外や意外!! ポジションはSP50マシン(NS50R/Fなど)に似た“攻めの姿勢”が取れます。燃料タンクが一般的なバイクより下位置なのでニーグリップをするのに最初は少し戸惑いましたが、通常とは違う車両をゲーム感覚で操るのがクセになりそう!

扱いやすいキャラクター

 この車両に搭載されている空冷4スト単気筒エンジンは、ヨシムラ製マフラーとミクニ製TMRφ28キャブレターで強化されていてかなりパワフル。20ps近くは出ているハズ! かといってピーキー過ぎず、本来の粘り強いエンジン特性と6速ミッションのギヤ比が絶妙にマッチしていて低速からでも不安なくアクセルを開けていけます。


 車重が100kgオーバーと市販車並みにあるけれど、乗車位置と重心バランス、スチールフレームならではの適度な“しなり”が効いて、ビギナーからエキスパートまで扱いやすく、バイクに求められる基本動作がとっても素直だから乗っていて楽しいんです。各ライダーのレベルに応じてくれる〝懐の深さ“が感じられました。マシンだけに依存せず『人間が頑張ればタイムが出る』仕様ですね。若手ライダーの育成に使用されているのも納得です。

調子に乗って転倒……。

転倒を喫したヘアピン……。背後から迫っているのはTKレンタルと併催されるモトチャンプ杯参戦のNSR。レーサーレプリカとは乗り方が異なり、これはこれでおもしろい!

 この車両は全て同じスペックでイコールコンディションをキープした、いわゆるワンメイクです。マシンの性能差が出ないので純粋にスポーツとしてのレースが楽しめるからやりがいがあるし、負けた時はマシンのせいにはできません(笑)。


 同じ車両でも3クラス(ビギナー、エキスパート、GO&FUNヤングチャレンジ)の各ライダーの走りを見比べると、一番タイムが速いGO&FUNヤングチャレンジのライダーが明らかに「人間がバイクをコントロール」しているのがわかります(30秒台前半)。かくいう私のタイムは、

1本目 34秒689  2本目 34秒621  3本目 33秒778


4本目 33秒159  5本目 33秒257  6本目 33秒313

 といった具合です……。なお、コースインした早々に2ヘアピン(スプーン)で転倒してしまいました。転倒1回につきペナルティとして別途3000円がかかります(※下段開催概要参照)。まぁ、タイヤが温まっていないのに無謀にも攻め込んだ結果であり、アグレッシブな気持ちによる『前のめりに倒れた』ものなので悲観はしていません! レースに転倒は付き物ですから慣れっこです(エヘン!)。それにスピードが出過ぎない小排気量車&ミニバイクコースなのであまり大事に至らないのもポイントですね。


 また、自前の車両なら自分で破損個所などを確認して、問題があればその場で急ピッチで直すのが当たり前ですが、TKレンタルは主催者の武田さんをはじめ、MFJ全日本ロードレースでも活躍しているベテランメカニックが帯同してくれているから安心してお任せできます。(壊してもいいってわけじゃないですよ! スタッフの皆様に感謝!!)。


 この転倒もあってライディングは自ずと慎重に。1回走行毎に反省点を見つけて次の走行に試すことを繰り返し、午前中はなんとかバイクとコースに馴れることができました。バイクについては先ほど述べた通りで、サーキット秋ヶ瀬のコース攻略については、トップスピードで進入する1・2コーナーと転倒してしまった2ヘアがとくに重要と判断。それに、マシンのパフォーマンスが同じならコーナリングで上手く立ち回るしかありません。

転倒をしてもスタッフがすぐに駆けつけてくれるから安心。こういう時は他ライダーの妨げにならないよう、焦らずに対処しよう。

プロのアドバイスで一気に飛躍!

 午後からは、1コーナーの走り方にイマイチ納得がいかなかったので、武田雄一さんに相談したところ「早めにカットインして、すぐにアクセルをつけるといいよ!」というアドバイスをいただき、早速実践したところ、0.5秒以上も縮まってベストタイム(33秒159/4本目)をマーク! 目標の32秒台入りも目前!! この好調子を5本目につなげようと思いましたが、クリアラップが取れず断念。6本目は疲れてしまい身体が付いてこず……。練習走行では目標達成とはいきませんでしたが、私がエントリーしていたビギナークラスでは、なんと一番時計です! 明日の本番もこの調子で行けば表彰台のてっぺんに上がれるかも!? 

万全のサポートがありがたい!

 私のタイムが一気に縮まったのは武田さんのおかげに他ならず、彼はみんなと一緒に走行して引っ張ってくれたり、一人ひとりの走りを見て個別にアドバイスをしてくれるなど、主催者として親切熱心に対応してくれていました。トップライダーから直に手ほどきをしてもらえることなんて早々ありません。こんな思いがけぬレッスンが付いて、車両などに関する手間も一切ナシ! これってすっごくお得なのでは、とあらためて思っちゃいました! さて明日(本番)もガンバルぞ~!!

排気量が150㏄あり、トルク感もあるからコーナーの立ち上がりからしっかり加速してくれる。これならビギナーでも扱いやすい!

レンタルされるFU150は、吸排気の変更の他にレーシングボーイ製のアルミバックステップやチェーンガードを装着。

レンタルバイクは約15台用意されていて、ビギナー、エキスパート、GO&FUNヤングチャレンジの3クラスで併用。

豪華ゲストが訪れることでも知られる当レース。今回は全日本ロードレースJSB1000クラス最終戦(鈴鹿サーキット)にてプライベーターながらも5位入賞を果たしたホッシー選手(星野智也/TONE RT SYNCEDGE4413)が参戦! 私と同じ苗字なので親近感が湧きます(笑)。

武田さんからポジショニングやアクセル&ブレーキのタイミングなど的確なアドバイスをもらう。自らバイクを駆ってライン取りなども教えてくれるので非常にわかりやすい。

■開催概要


・開催場所 サーキット秋ヶ瀬 〒338-0824 埼玉県さいたま市桜区上大久保1099




・申込方法 開催日1ヶ月前から受付開始、開催日1週間前の16:00締め切り


現金書留郵便、または事務所窓口にて直接申込の事




・参加費 通常参加費¥35,000-


連戦割り¥30,000-(連続でエントリーされた場合)


(参加費、車両【スズキFU150】レンタル費、車両整備費ガソリン代込) ※転倒1回につき別途¥3,000-、また損害が大きい場合は部品代の実費あり ※車両の割り振りはメンテナンス管理者が実施




・レース前日練習費用


¥15,000-(走行料込み)


※サーキット秋ヶ瀬のライセンスをおもちで無い方はビジター料¥1,000-別途


(車両【SUZUKI FU150】レンタル費、車両整備費込)


※レース参加申込時にレース前日練習の有無を決定




・装備品レンタル料 レーシングつなぎレンタル¥5,000- レーシングブーツ¥1,000- グローブ¥1,000- ヘルメット¥1,000-




・レーススケジュール 【午前】 ライダーズミーティング





タイムアタック7分間





予選レース10周





===お昼休み===





【午後】 決勝レース12周 ↓ 表彰式




■都内からサーキット秋ヶ瀬へのアクセス


・浦和駅経由


湘南新宿ライン籠原行きに乗り、浦和駅下車。西口の国際興業バス、浦桜13-3大久保浄水場行に乗り、中島で下車。バス停より徒歩10分。




・南与野駅経由 埼京線大宮行きに乗り、南与野駅下車。西口の国際興業バス、志03-3 志木駅東口行に乗り、下大久保下車。バス停より徒歩15分。

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