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ZF:英国と米国のバスを電動化


ZFが開発を進めてきた「AxTrax AVE」電動ポータルアクスルがふたつの市場で成功を収めている。英国ではロンドンの赤いダブルデッカーバスにこの技術が搭載され、電気のみを動力として市内を走行する。英国のオプテア(Optare)社製のこの電動バスは、世界で最も厳しい排ガス規制に対応している。また米国では、有力な都市バスメーカーのニュー・フライヤー・オブ・アメリカ社(New Flyer of America, Inc.)とのパートナーシップが成功を収めている。ZFの「AxTrax AVE」電動ポータルアクスルを装備した「Xcelsior CHARGE」シリーズのバス100台を、米国の複数都市の輸送機関から受注した。

 ZFの商用車事業部の責任者であるフレドリック・シュテッドラー氏(Fredrik Staedtler)は次のように述べている。「ZFは、大都市の最も厳しい排ガス規制をクリアする純電気駆動システムを提供しています。『AxTrax AVE』ドライブアクスルは、完成車メーカーや市当局にとって、都市交通のゼロエミッション化を推進し、魅力的なモビリティを提供する理想的なソリューションです。私はロンドンと米国の大都市圏がZFをパートナーとして選択していただいたことを大変嬉しく思います」

公共交通機関をクリーンに

 ほとんどの大都市と同様に、英国の首都ロンドンも大気汚染に悩まされている。公共交通機関は大気汚染の解消において重要な役割を果たす。ロンドンの公共交通行政機関であるロンドン交通局(TfL)は、全面的にeモビリティに注力している。オプテア社が製造するバスの主軸である「Metrodecker EV」は、このeモビリティに最も重点を置いている。「AxTrax AVE」を搭載した新型バス31台には、ZFのゼロ・ローカルエミッションのパワフルで静かな駆動システムが装備される。ロンドンは2037年までに市内中心部のバスをすべて電動化する予定で、この市場にはさらに大きな可能性がある。




 ZFとバスメーカーのニュー・フライヤー・オブ・アメリカ社は、20年以上にわたりパワフルで効率の高いバスを製造するために協力してきた。今回、米国で新規受注に至った成果は、エレクトロモビリティの時代において、両社のコラボレーションによるメリットが評価された事を示している。2020 年までに「Xcelsior CHARGE」シリーズの合計100 台のバスが、米国の複数の公共交通機関に納入される予定。納入先には、ロサンゼルス郡都市圏交通局、シアトルのキング郡メトロトランジット、ボストンのマサチューセッツ湾輸送機関、ミネアポリスのメトロトランジットが含まれている。

AxTrax AVE を装備した合計100 機種のNew Flyer Xcelsior CHARGEバスが、米国内をゼロ・ローカルエミッションで運行予定。

効率性の高さと豊富な実績

 AxTrax AVE は、2012 年に発売されて以来、世界中で採用されている。電動ドライブアクスルは、燃料電池、またはバッテリーからの電力で駆動できるだけでなく、両者を組み合わせたハイブリッド構成も可能だ。フラットなデザインのため、完成車メーカーはインテリアの設計に大きな自由度が得られる。また、ZF はシステムサプライヤーとして適切なハードウェアとソフトウェアを提供することで、駆動系システムのパフォーマンス、効率、およびサービスライフサイクルを最適化することができる。

パワフルで環境に優しいZF のAxTrax AVE 電動ドライブアクスルは、最大13,000 キログラムの軸荷重までの低床バスを駆動。ホイールヘッドに統合された電動モーターの出力は合計250 キロワット。

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