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あおり運転の一斉取り締まりで1300人(!)が検挙される異常事態を分析する!【交通取締情報】


この6月1日~7日に全国の高速道路で「あおり運転」の一斉取り締まりが行われたが、なんと、1088人ものドライバーが、車間距離保持義務違反で検挙され、他にも進路変更禁止違反や追い越し方法違反等で200人強が検挙されたというのだ!(朝日新聞) えっ? いつのまに「車間距離不保持=あおり運転」ってことになっちゃったんだろう? さっそく、検証してみよう!

警察庁が各都道府県警に「あおり運転」への厳正な対処を通達!

「あおり運転」一斉取り締まりでは、各都道府県のヘリコプターも大活躍。14府県で空と地上の連携プレイで取り締まりを行ったそうだ。

「あおり運転」といえば、1年前、東名高速で発生した危険運転行為がきっかけとなった死亡事故により、悪質な運転行為としてクローズアップされたが、確かに、極端に車間を詰めたり、後ろからパッシングを浴びせたり執拗に警笛を鳴らしたり、最悪の場合、幅寄せしたり前に出たあげくクルマを止めていやがらせをしたり、という、まさに暴力に匹敵するような行為は危険きわまりないということは間違いない。




 が、今回の一斉取り締まりで検挙された約1300件は、「暴行や傷害事件が起きるようなトラブルはなかった」というとおり、単なる交通違反を無理矢理「あおり運転」に結びつけたとしか思えないのだ。




 これは一体、どういうことなのだろうか。




 さっそく、昨年の事件を受けて警察庁が各都道府県に送付した「あおり運転等の悪質・危険な運転に対する厳正な対処について」という通達を研究してみよう。

一斉取り締まりは「あおり運転」を未然に防ぐための正しい取り締まりだった!?

 まず、この通達によれば、警察の「あおり運転」の定義は以下のようになっている。




☆妨害を目的とする運転の態様と違反の種別


1. 前方の自動車に激しく接近し、もっと早く走るように挑発する


  車間距離保持義務違反(1点)


2. 危険防止を理由としない、不必要なブレーキをかける


 急ブレーキ禁止違反(2点)


3. 後方から進行してくる車両が急ブレーキや急ハンドルで避けなければならなくなるような進路変更 を行う


 進路変更禁止違反(1点)


4. 左側から追い越す


 追い越しの方法違反(2点)


5. 夜間、他の車両の交通を妨げる目的でハイビームを継続する


 減光等義務違反(1点)


6. 執拗にクラクションを鳴らす


 警音器使用制限違反(-)


7. 車体を極めて接近させる幅寄せ行為を行う


 安全運転義務違反(2点)/初心運転者等保護義務違反(1点)




 なるほど、確かにドライバーが悪意をもって上記の行為をしたのであれば、それぞれの違反を適用されたことは納得できる。が、ほんとに1週間で1300人もの人が「妨害を目的とする運転」をしたというのだろうか?




 と疑問に思っていたら、通達の中に、この一文を発見。




 「また、悪質・危険な運転を未然に防止するため、車間距離不保持、進路変更禁止違反、急ブレーキ禁止違反等の道路交通法違反について、積極的な交通指導取締りを推進すること」




 つまり、警察は「あおり運転」を取り締まったのではなく、「あおり運転」につながる違反を取り締まったというわけだ。通常であれば見逃されることが多い「軽微な違反」(いずれも反則行為)を、今回は見逃さなかったということだ。




 確かに、交通取り締りの本来の目的は「危険な事故や違反を未然に防ぎ、交通の円滑を図る」ことにある。そういう意味では、正しい取締りであるといえるのだが、例えば車間距離保持義務というのは「前車との間隔を2秒以上(60km/hで30~40m)あけなさい」というのが目安となっているが、これをすべてのドライバーが遵守すると、全国で頻発している渋滞がますます激化するのは明白。過剰な取り締まりは却って交通事故を誘発する恐れもある。




「あおり運転」にやっきになる気持ちはわかるが、警察にはぜひ、分別のある取り締まりを望みたい。 

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