ソフトウェアのOTA(Over-the-air:無線接続)更新がまもなく標準機能になる。

新しい機能、改良された機能を車両に直接中継転送できることで、

リコールやディーラー訪問が減少、時間を節約できる期待が大きい。

いっぽうで、車載システムのソフトウェアをワイヤレスで安全に更新するためには、

新しい暗号化技術でOTA更新のセキュリティを確保する必要がある。

将来、車両のオーナーは車両のセキュリティ、インテリジェンス、性能を、家から出ることなく強化できるようになる。



車載システムのソフトウェアの更新が、スマートフォンのアプリの更新並みに手軽になる。スマートフォンの画面に触れるだけで、車載ソフトウェアの更新やクラウドからの新しい機能を直接ダウンロードでき、そのために修理工場やディーラーに足を運ぶ必要がなくなるのだ。



「数年以内に、すべての新車にソフトウェアの自動更新機能が導入される見込みです」



ボッシュ取締役会メンバーのマルクス・ハインはこのように予測する。「無線接続によるOTA(Over-the-Air)更新はドライバーにとって非常に便利です。それに加えて、ボッシュのオンライン更新はセキュアで高速です」とハインは続ける。

エレクトロニクスの多用、機能の増強、ソフトウェアの増加など、車両は四輪で走るスマートフォンへと変身しつつある。それに伴って重要性が増しつつあるのが、車載システムのソフトウェアの更新だ。利便性向上に寄与する新しい機能を、車両を購入した後でも入手できる。



現在の車両は、多いもので100個前後のコントロールユニットを搭載している。その数はコンパクトカーでも30~50個にのぼり、車両の機能はすべて、これらコントロールユニットのソフトウェアでコントロールされているといっても過言ではない。



さらに、インターネットや、他の車両あるいはインフラとつながった車両が増えている。このことは、車載ソフトウェアに含まれる脆弱なリンク、そして不正操作がもたらすリスクの増大を意味する。その点を考えた場合、クラウド経由のソフトウェア更新は、車載ソフトウェアを常に最新レベルにし、したがってセキュアな状態に保つ格好のソリューションである。ボッシュは無線交信に必要な技術のすべてを社内で開発、その中にはコントロールユニットや、車載通信インフラ、最新の暗号化技術に加えて、Bosch IoT Cloudまでもが含まれる。



「乗用車は一般に購入から15年またはそれ以上使われるのが普通です。ソフトウェアのOTA更新は、修理工場やディーラーを訪問するまでもなく、車載ソフトウェアの継続的更新を可能にするボッシュの貢献です」(ハイン)



さらに、クラウド経由の更新では、車載コントロールユニットに新しい機能を、それも大がかりな機能を追加的に持たせることができる。必要なハードウェアが備わっていれば、ドライバーは新しいソフトウェア機能を試してみて、気に入ったらダウンロード。このようなやり方で、たとえばレーンキープ機能や駐車アシスト機能を追加できるのだ。



そして、ソフトウェアのOTA更新のメリットを享受するのはドライバーだけではない。2015年に米国で実施された自動車のリコールの15%は、ソフトウェアエラーに関連するものだった。その4年前の数字は5%に過ぎなかったと、米国高速道路安全局(NHTSA)のデータをベースとする同国の調査は報告する。



「修理工場やディーラーを訪れなくてはいけない顧客と同様に、リコールは自動車メーカーにとっても時間的にも金銭的にも負担となっていました。オンライン更新が普及すれば、その負担を大幅に減らせます」(ハイン)

セキュアで高速、簡単。これがソフトウェアのOTA更新の特長だ。



オンラインセキュリティ更新の開始、そしてダウンロードする新機能の選択を、ドライバーは自分のスマートフォンまたは車両のインフォテインメントシステムで行う。この情報はクラウドに送信され、クラウドはあたかもアプリストアのように機能、配布の用意が整ったアプデートを保管し、ドライバーの求めに応じて車両へのソフトウェアのダウンロード手順を実行する。



データのダウンロードは、車両の走行中にバックグラウンドで、または夜間、車両が車庫に保管されている間に行われる。車両が(駐車するなどして)安全な状態に移行すると、すぐにダウンロードしたソフトウェア更新データを目的のコントロールユニットにインストールし、直ちに有効にする。

いっぽうで、OTA更新では車載電子機器、クラウド、ソフトウェア間の円滑な相互作用とセキュリティが非常に重要となってくる。



データセキュリティは、ボッシュの子会社であるEscryptが開発した最新の暗号化技術で保証される。複雑高度のセキュリティアーキテクチャと終端間暗号化(E2EE)が、伝送中のデータを不当なアクセスから保護。車両とクラウド間のインターフェースでは、セキュアなプロトコルとフィルタがファイヤウォールのように働き、一切のハッキング行為を撃退する。



ソフトウェアのOTA更新を安全に、さらに高速かつ信頼性の高いものとするために、ボッシュは差分法や圧縮技術などを使用。それによりデータ伝送量を抑えられ、更新手順の高速化とコストダウンにつながる。もう一つのセキュリティ対策が更新データのシーケンス伝送である。問題が発生すると更新手順を停止し、調整する。こうしたOTA更新を担う中核技術が、ボッシュのAutomotive Cloud Suiteだ。このソフトウェアエレメントは、OTA更新のためにドライバー、自動車メーカー、そして車両自体が必要とするすべての機能を有効にする。

情報提供元:MotorFan
記事名:「 ボッシュ:クルマをスマートフォンのようにアップデート