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信頼性があってこそのカッコよさや高機能! 走るクルマの要 ホイールは大事な命を預かってます


厳しい試験をクリアしたホイールたち


NAPAC JAWA事業部




様々なモデルが選べる最近のアフターメーカー製ホイール。だが、一方でホイールはタイヤと同じく人命に関わる最重要パーツ。デザインや機能に加えて、「安全・安心」は絶対条件だ。


国内主要ホイールメーカーで構成される業界団体「NAPAC・JAWA事業部」では、品質の維持・向上のため、加盟メーカー製品の強度試験の二重チェックに加え、自動車用軽合金製ホイール試験協議会(JWTC)とともに会員社の市場流通品のテストも実施。海外も認める高い信頼性を得ている。


ここでは、こうした取り組みについて、試験を担当するJWTC委員の生松さんにお話を伺った。お気に入りのホイールでカスタムが楽しめるのも、安全・安心があってこそ! 地道だが、とっても大切な活動なのだ。


ホイールは命を預かる重要なパーツ


クルマのカスタムではマストともいえるホイール交換。最近のアフターメーカー製ホイールは、3Dデザインなどを取り入れた多様で斬新な形状のモデルも数多い。また、素材や製法の進化は、軽量・高剛性など機能面の充実も実現している。

でも、忘れちゃいけないのが安全性。ホイールはカスタムを楽しむだけでなく、クルマに乗る人の命も預かる大切なパーツでもある。例えば、走行中にホイールを縁石へ当ててしまい、そこから徐々にエア漏れしてしまったら? それに気づかず走行し、タイヤがバーストしてしまうと大事故に繋がる可能性もある。

「特に、アフターマーケットのホイールは、幅広い車種への対応が求められます。モデルやサイズによっては、軽自動車からミニバンにまで装着されることがあるからです。車種が限定される純正ホイールと違って、装着車両の重量などの条件はおのずと厳しくなります」と生松さん。

こういったアフターメーカー製ホイールの「安全・安心」を担保するために、独自の試験制度などによる取り組みを行っているのがNAPAC・JAWA事業部だ。


2重のチェックが安全・安心を担保


「加盟メーカーの製品が、国の定める『軽合金ディスクホイールの技術基準』に適合しているかどうかを、3種類の強度試験(左記参照)で確認しています。ホイールに『JWL』や『JWL‐T』の刻印を見たことがあると思いますが、それらが試験にパスしたことの証です」。ただし、こういったチェックは製造メーカー自身が行う自己認証試験。「自己認証による強度確認を裏付けるため、公的第三者機関である日本車両検査協会(VIA)に試験を委託しています。その試験にパスした製品は登録し、『VIA』マークを表示するようにしています」。

そして、こういった2重のチェックをパスした製品だけに貼られるのが「JAWA品質認定証」。ちなみに、「VIA」マークや「JAWA品質認定証」は、アメリカや台湾など海外でもよく知られていて、その信頼性の高さが評価されているそうだ。


市場流通モデルで3つめのチェック




そして、さらなるチェックが、JAWAが関連団体と協力、生松さんが委員を務めるJWTCが実施する「サーベイランステスト」だ。


「市場に流通しているJAWA事業部会員社のホイールが、きちんと技術基準に適合しているかを調べるためです。毎年30〜35アイテムを選定し、それらを実際にショップで購入し(前述の試験により)強度テストを行っています。」

これは、いわば抜き打ちテストのようなもの。実際に、どんなモデルを選んでいるのだろう?

「ホイールの売れ筋商品の中から選定しています。モデルやサイズなどはその時々の流行も考慮していて、最近では14〜15インチや17〜18インチが多いですね」。

JAWAでは、ほかにも「VIA」マーク取得メーカーに、JWLより約20%以上の厳しい強度試験も推奨。18インチ超でリム幅7インチ以上のホイールには、インナーリム強度試験もすすめているそうだ。


日常の気遣いでも安全性は保てる


最後に、我々ユーザーが日常できる安全・安心を保つためのポイントについて、生松さんにお聞きした。

「タイヤを変える時には、エアバルブも一緒に交換して下さい。意外に知られていませんが、タイヤと同じゴムを使用しているので、劣化しているとエア漏れする危険性があります。また、ホイール交換をする際は、ホイールの穴にあったナット形状を選び、必ずトルクレンチを使いましょう。さらに、走行後に増し締めすることも必須ですね」。

ちょっとした気遣いが、安全・安心に繋がるもの。明日からぜひ実行してみて欲しい。


JAWAが発行する品質認定証シール




JAWAが会員社のみに発行する「品質認定証」シール。取得するためには、

1.JWLまたはJWL-Tの強度試験を自己認証、

2.第三者機関の「日本車両検査協会(VIA)」による強度試験に合格、

3.VIA登録をする、

といった3段階の手続きが必要だ。これら厳しい条件をクリアしたホイールにのみ貼ることが許される、まさに信頼と安心の証。



このシールが貼ってあるホイールには、JAWAが加入するPL保険が付帯しているため、まさかの時の保証も安心だ。


ホイールの技術基準を自己認証し、裏付けとなる確認試験にパスしたことを示す刻印




1番右がJWLの刻印。3種類の強度試験(左参照)により、国土交通省が定める「乗用車用 軽合金製ディスクホイールの技術基準」を自己認証したホイールであることの証明だ。

中央はJWL-Tの刻印。これも3つの強度試験を実施して、「トラック及びバス用軽合金製ディスクホイールの技術基準」を自己認証したことを示す。

1番左がVIAの刻印で、取得要件は上の「品質認定証」と同じく幾重ものチェックをパスした製品にのみ表示されるものだ。


アルミホイールが持つべき強度などを調べる3つの試験


衝撃試験



強度確認試験で最初に行うのが衝撃試験。

ホイールが縁石に当たり強い衝撃を受けた時を想定。タイヤを装着したホイールを取り付け台にセット、ホイールの軸が垂直方向に対しJWLで13度、JWL-Tは30度に固定する。その状態でリムフランジ上端に重りを自由落下させるテスト。貫通亀裂ができないか、リムとディスクの分離や空気漏れがないかをチェックする。


半径方向負荷耐久試験



2番目に行うのが半径方向負荷耐久試験だ。

走行中に掛かる上下の荷重への耐久性を確認する、通常クルマに掛かる以上の負荷を掛けて調べるテストだ。やり方は、タイヤを装着したホイールを車両に装着した時と同じ状態になるよう試験機にセットし、半径方向負荷を加えながらドラムを回転させる(JWL50万回、JWL-T100万回)。回転終了後に、亀裂や著しい変形、締め付けナットに異常がないかを確認する。


回転曲げ疲労試験



3つ目が回転曲げ疲労試験だ。

常に、コーナリングしている状態を想定したもの。ホイールリム部のフランジを試験機の回転円板に固定し、中心部にある剛性が高い軸にホイールを車両への取り付けと同様の状態でセットする。その状態で曲げモーメントをあたえながらJWLで10万回、JWL-Tが25万回もの回転を与える。試験後に、亀裂がないかや著しい変形の有無、締め付けナットの異常なゆるみがないかをチェックする。


知っておきたいホイール豆知識


エアバルブ



「ホイールやタイヤ交換時はエアバルブも交換するといいですね」と生松さん。ゴムの部分が劣化していると、エア漏れの原因になるそうだ。


ホイールのナット形状ホイール穴の形状は60度テーパ

ーや平型、球面など様々。交換時は、ホイール穴にあったナットやボルトを使おう。


JAWA事業部とは?


ジャパンライトアロイホイールアソシエイションの略称。アフターマーケットで販売されているアルミホイールについて、安全性と信頼性を確保するための取り組みを行っている業界団体。1972年に前身の「スポーツホイール販売店協会」が設立。1988年に現在の名称となり、2004年に「日本自動車用品・部品アフターマーケット振興会(NAPAC、現在は一般社団法人)」内のJAWA事業部となる。2017年11月現在、97社のホイール関連企業が加盟している。

生松伸彦さん

トビー実業 自動車部品事業部 品質保証室に課長として在籍。また「自動車用軽合金製ホイール試験協議会(JWTC)」の委員も務める。JWTCは、JAWA事業部が「日本アルミニウム協会(JAA)」や「日本車両検査協会(VIA)」と協力して組織する協議会。主な活動は、「VIA」マークの登録事業やサーベイランステストなどだ。


(ドレナビ編集部)



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