自分はチャールズ・M・シュルツ先生の筆による『PEANUTS』、俗に言うスヌーピー漫画を幼少のみぎりより愛している。神童と呼ばれていた尋常小学校時代は、その後倒産することになるツル・コミック社のそれを大量に買いそろえ、谷川俊太郎先生訳による日本語はいっさい読まず、英語部分のみで精読していたものだ。

……まぁ「神童」とか「英語部分のみ」というのは真っ赤な嘘だが、ツル・コミック社のそれを大量に所有していたことだけは本当である。

しかしその後の一家離散やそれに伴う引越し等々のせいか、あれだけあったはずのTSURU PEANUTS COMICは手元に1冊もなくなってしまった。そしてそのまま自分は成人となり、中年になった。

昭和50年代のスヌーピー古本は今や定価の2倍近くに

だが中年ともなれば、こんな自分であっても古本を買う程度のゼニは持ち合わせている。「ならば古本屋で再びTSURU PEANUTS COMICを買いそろえれば良いではないか!」との名案に思い至った自分は、そのまま駅前の古書店にママチャリで直行。店内にあったとりあえず11冊のPEANUST本をすべて買い占めてこました。

尋常小学校の頃の記憶によれば、ツル・コミック社のそれは1冊290円。あれから35年以上が経過しているので、紙材の傷みやツーオーナー、スリーオーナーと代を重ねたことによる価値の低下等々から考えると、「ま、古本価格は1冊100円だべ」と自分は読んだ。そうでなければせいぜい200円とか。

が、レジに座る店主はスマイリーかつポライトに言った。

「えっと、これはすべて1冊500円ですので、合計で5500円になります」

……自分はクールかつヒップな態度を装いつつ、たまたま財布に入っていた五千円札と、先ほど自販機近くで拾った五百円硬貨1枚にて、内心焦りながら支払いを済ませた。

なるほど。再販制度をとっている新品の書物と違い、古本の価格というのは中古車と同じで需給関係に基づく弱肉強食・適者生存の世界。290円の本が500円になっているからといって店主を怒鳴りつけ、訴訟を起こすのは明らかに間違っている。

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