ドイツは路上駐車が一般的です。筆者は、路上にずらりと停まっているさまざまなクルマを観察しながら歩いていることが多く、Hナンバー車や、珍しいクルマに遭遇することがあります。

先日、私用で朝早くから静かな住宅街を歩いていたところ、あるクルマが目に入り、すこしギョッとしてしまいました。そこには苔が生え、さび付いた1台のメルセデス・ベンツ190E(W201)がひっそりと置かれていたのです。

生前、ご主人が乗っていたメルセデス・ベンツ190E(W201)を処分できずに・・・

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そのときは時間も迫っていたため、写真を撮り、先を急ぎました。きちんと庭が手入れされた一軒家でした。それなのに、なぜあのクルマだけがこのような状態で置かれているのか?どうしても気になってしまい、帰りにもう1度寄り道してみたのです。住人の方には会えなかったのですが、偶然外に出ていたご近所の方に声をかけてみました。

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聞くところによると、ここには老夫婦が住んでいて、このメルセデスはご主人の愛車だったそうです。そのご主人が亡くなった後、奥さんはどうしてもこのクルマの処理ができず、少なくとも5年ほどそのままにしているようでした。ボディカバーもかけず、この数年間雨風にもさらされながらじっとその場に留まり、劣化してゆくメルセデス。なぜこのままに?奥さんはあえて、最愛の人が毎日停めていたのであろうこの場に残しているのだろうか?と、想像しつつも色々な考えが頭の中を巡ります。

オーナーなき後、所有していたクルマの遺し方について考えさせられる

ドイツをはじめ、世界には「クルマの墓場(独:Autofriedhof)」と呼ばれる場所があります。オーナーが亡くなったあと、彼らのコレクションたちが放置され、結果的に墓場と呼ばれるようになったもの。また、アートの一環として、意図的に森の中に長期間放置して、ツルやコケを生えさせる場合もあります。大規模なものでは、フランスのプロヴァンス地方やアメリカのジョージア州には1つの場所に4000台以上のクルマたちが眠っており、今や観光地化しているものもあります。

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