春もたけなわ、全国で春の行事もにぎわいを見せています。古都・鎌倉では、明日14日から毎年恒例の「鎌倉まつり」が始まります。初日は若宮大路の時代行列に八幡宮での静の舞、最終日の21日には行事を締めくくる流鏑馬が予定され、鎌倉の街全体で春を堪能することができます。初日の「静の舞」を中心にご紹介しましょう。


政子もみとめた幽玄「静の舞」

鎌倉八幡宮と言えば鎌倉時代を築いた源頼朝とその兄弟のエピソードが欠かせません。中でも、心が通い合うことのなかった義経との悲劇はその後さまざまな文学・芸能に継承されていますね。もう一つ、義経の思い人・静(しずか)と頼朝の妻・政子の物語をご存知でしょうか。義経を逃がし、一人鎌倉へ連れられた静は奉納舞を所望されます。源氏の繁栄を舞うかとおもいきや、静は義経への思いを歌に乗せて舞いました。驚きとともに怒りを覚えた頼朝ですが、政子は「なんと幽玄な舞でしょう…」と言ってとりなしたと言われています。政子のとりなしにより、頼朝は怒りを収め、褒美として静に卯の花襲の衣を与えたと『吾妻鏡』に記されています。同じ武士を慕うもの同士、女性ならではの心の通じ合いが頼朝の心も溶かした逸話です。今に伝わる「静の舞」を堪能したいですね。


舞の中で歌われた「おだまき」の真意とは

頼朝の期待に反して、祝儀舞ではなく恋しい義経への思いを舞った静ですが、その舞の歌は次のようなものでした。
「吉野山峰の白雪踏み分けて
入りにし人のあとぞ恋しき
静や静しずのおだまき繰り返し
昔を今になすよしもがな」
雪の吉野山での悲しい別れを「静、しず…」と呼んでくれたあの方との時を今に戻すことが叶うのなら…という意味とされています。この歌は『伊勢物語』からの本歌取りと言われています。天下の頼朝の前でこれほど本心を堂々と舞歌った静御前の思いの深さに感服ですね!それゆえに政子も心を打たれ、頼朝も怒りを収めたのでしょう。おだまきは、晩春に花を咲かせますのでちょうど今が見ごろを迎えています。うつむきがちに紫色の花を咲かせます。山に咲く花は日本原産、園芸用に広く使われている品種は西洋オダマキなど、品種改良され色も豊富になっています。

うつむきがちに咲くおだまきの花

うつむきがちに咲くおだまきの花


見どころ満載!のスケジュール

鎌倉まつりは、14日午前10時から始まります。予定されている初日のスケジュールは以下の通りです。
午前10時:若宮大路(下馬交差点)~鶴岡八幡宮まで、鎌倉時代の武士の装束を身につけた行列巡行で祭がはじまります。
午後13時半:鶴岡八幡宮・舞殿にて「2019ミス鎌倉」のお披露目
午後14時半:「静の舞」の解説
午後15時:「静の舞」上演開始
朝から丸一日楽しめますね!交通規制などがありますので詳細はリンクサイトをご参照の上、安全に春の一日をお楽しみください。
この後も21日まで鎌倉はお祭り一色になります。最終日には流鏑馬(やぶさめ)がクライマックスを飾ります。いずれも見逃せないですね。どうか良いお天気が続きますように!
出典・引用
・鎌倉観光公式ガイドホームページ(下記リンク)