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白露次候「鶺鴒鳴」秋が深まるなかに鳴くセキレイはどんな鳥?


9月も中旬にはいりました。今年の夏は台風が次々と上陸し各地に暴風が吹き荒れ、被害も甚大なものになりました。秋が深まる中一日も早い復旧が望まれます。日が進むにつれ少しずつ秋の気配が入り込み、耳をすませば虫の音が風にのって聞こえてきます。秋の風を日本人は「色無き」と呼んでいます。五行説の秋の色の白を言い換えたのでしょう。心に沁みる寂寥感を表していますね。この時期に鳴くのが小さい身体の割りには尾の長い「鶺鴒(せきれい)」となっています。日本には古くからいる鳥らしく『古事記』『日本書紀』にも登場しています。日本の秋にとってどんな鳥なんでしょうか?


尾を振るしぐさから鶺鴒は「恋教え鳥」と呼ばれるのはなぜ?

イザナギの尊とイザナミの尊は日本の神話の原点となる神様で、天沼矛(あめのぬぼこ)という大きな槍を与えられ、下界を固めて国作りをします。さて夫婦和合のときその方法がわからなかったふたりは、なんと鶺鴒の尻尾を振る動作からその方法を教わったとのこと。この神話からついた名が「恋教え鳥」または単に「教え鳥」というそうです。

この尻尾を振る動作はとても目につくようで他にも「石たたき」「庭たたき」という名前をもっています。英語名はずばり「wagtail」尻尾をふる動作からついています。水辺で多くみられる鳥ですが、街中でも見つけることができるようです。出会えた時には尻尾を振る姿を楽しむのもいいですね。

金沢にある大名庭園として有名な兼六園には、イザナギの尊とイザナミの尊のこの故事から名前をとった鶺鴒島があります。この島には人間の「誕生」「結婚」「死」という一生の大切な時を陰陽石、相生の松、五重の塔を置いて表現しています。他にはない珍しい構成ということです。灯籠があまりにも有名で見落としてしまうかもしれませんが、訪れたときはぜひ足をのばしてみてください。


秋の気配はそこかしこ、風にはメランコリーも感じられます

夏の暑さがおさまり涼しい日がふえていく時、蛇口からの水をしばらく使っていると温かい水が流れてくることがあります。大気がしだいに秋へと深まる中、大地にはまだ夏のなごりの暑さが残っていたとハッとさせられます。この水がすっかり冷たくなるとほんとうに秋がやって来たんだ、と実感します。夏から秋へは静かにすこしずつ、いつの間にか変わっていく季節の流れに詩情も湧いてくるようです。

「秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる」

秋といえばよく引用される『古今和歌集』に載っている藤原敏行朝臣の歌です。風は日々吹いているもの。その中から秋への移り変わりを感じる風に気づくなんて、生活が味わい豊かなものになりますね。

「石山の石より白し秋の風」

こちらは江戸時代の俳人、松尾芭蕉が『奥の細道』の道中石川県の那谷寺で詠んだ句です。那谷寺にあるたくさんの白石、それよりも白く感じる秋の風。「石」の字が2回続きさらに「し」の音を何度も続けるリズムが、秋の風のスッと静かに流れていく心地よい風情の句です。芭蕉はおなじ秋の風でこんな句も作っています。

「物言へば唇寒し秋の風」

聞いたことありますね。思わず「うんうん」とうなづいてしまう経験は、誰にでもあるのではないでしょうか? 芭蕉はこの他にも秋の風でたくさんの句を作って、さまざまな心情を表しています。秋は詩心がフッと浮かんでくる風が確かに吹いているような気がします。


地味なようでいてとても賑やかな「敬老の日」

秋にある祝日といえば「お彼岸」が浮かびますが、身近なご先祖さまである祖父母や両親、そして日々お世話になっている方々の長寿を祝うのが「敬老の日」です。長年、家族や社会のために働き続けてきて下さった方々へ、日頃なかなか口にできない感謝をこめてお祝いできる素敵な祝日です。

1947年(昭和22年)に、兵庫県多可郡野間谷(のまだに)村で農閑期の9月15日を「としよりの日」としたのが始まりとされているそうです。趣旨は「老人を大切にし、年寄りの知恵を借りて村作りをしよう」というもの。戦後間もない時に始まった小さな村のこの行事がやがて兵庫県全体に広まり、1966年(昭和41年)には「敬老の日」として国民の祝日になりました。

今は歳を重ねても元気な方が多い時代です。年寄り扱いされるのにふだんは不満でも、お祝いとなればこの日ばかりはそんなことも忘れてしまうでしょう。それぞれの年齢を元気に無理なく心豊かに過ごして頂きたいですね。

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