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「春分」です! 立春からひと月半、ようやく春といえる心地ではないでしょうか?


江戸時代に出版された『暦便覧』には「日、天の中を行きて昼夜等分の時なり」とあります。この日を境に昼がどんどん長くなります。天文学的にはこの春分から夏至の前日までを「春」と考えていますが、春を実感するのはやはり大気のあたたかさが肌に触れた時ではないでしょうか。脱いだコートを手に颯爽と歩いた時に、いよいよ春が始まった! と思いますよね。


天体の厳かな運行が春分をしるします

春分の日、太陽は真東から昇り真西に沈みます。煩悩に満ちたこの世をこちら側の岸「此岸(しがん)」というのに対して、あの世または悟りの境地をさして「彼岸」といいます。彼岸である極楽浄土は西にあると信じていた昔の人々にとって、太陽が真西に沈むこの日は最も極楽浄土に近づく日と考えたのでしょう。春分をはさんだ7日間が春の彼岸、その中日である春分の日はお墓詣りや仏事が行われる習慣があります。寺横のお墓地には花を持った人々が訪れ線香の煙が立ちこめます。春は新しい生活や秋の収穫に向けての活動が始まる時。先祖への感謝は大きな力となることでしょう。

彼岸の初日は「彼岸太郎」と呼ばれ晴れると豊作になるといわれているそうですよ。昔の人々は観察によって天体の動きを理解し、暦に利用していたのですね。


生き物たちは活動開始! さあ、春の楽しみがやってきます

立春の初候は「雀始巣(すずめはじめてすくう)」雀が巣を作り始める時期です。都会では雀は見ても雀の巣を見ることは少なくなりました。雀は軒先の瓦の下のすき間に巣をつくる習性があるようで、そのすき間のことを建築用語では「雀口」といいます。巣を作って雛をかえし育てるためにエサを取りに出入りをくり返したのでしょう。今はもう漆喰などで塞いでしまうということです。そんなことも雀の巣を見かけなくなった原因かもしれません。草木の芽がのびタンポポなど花も咲き始めて土色の地面はしだいに春色に染まってきます。雀といえはこんな句も思い出されます。

「雀の子そこのけそこのけ御馬が通る」 一茶

「こぼれてはこぼれては群れ春雀」    河野真

小さな雀もたくさん集まってくればそのエネルギーは大きくなります。雀の姿には昔も今も歌心がくすぐられるようですね。


「暑さ寒さも彼岸まで」ようやく気温が安定する頃ですが・・・・・・

急な春の訪れか、と喜んだのもつかの間ぶり返す寒さ。まさに三寒四温とはよくいったものですね。春分の日をむかえるとようやくこれで寒さともお別れ、と胸をなでおろす気持ちになります。待ち望んでいたあたたかさは嬉しいもの。コートを脱ぎ、時にはTシャツ1枚でもいいような陽気の日もあったりと気持ちはどんどん開放的になっていきます。でもまだまだ油断はできません。

「うつつにし もののおもひを遂ぐるごと 春の彼岸に降れる白雪」斎藤茂吉

実際に4月に入ってから雪が降ったことは何度も記録されています。季節外れともいいたくなる雪を見たことがある方も多いことでしょう。春という季節は一筋縄ではいかないようです。寒さとあたたかさを繰り返しながら大地では芹や菜の花に土筆、やがては筍といった春の香をもつ食材が出番を待っています。春のえぐみは夏に向かって身体には大切なもの。その日その日に現れる春とつきあいながら、すこしずつふくらんでいく桜でも楽しみにしていきませんか。

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