<ロッテ4-3日本ハム>◇19日◇ZOZOマリン
夕暮れ時の「ヒロミサンセット」で、ロッテがサヨナラ勝ちに沸いた。同点の9回1死。ステージにバットを寝せて構えた岡大海外野手(32)が立つ。「ホームランバッターではないので」。シーズン最多は昨季7本塁打。だが、おいしい場面では1発で持って行く男だ。日本ハムが誇る防御率0・00のセットアッパー河野の内角直球を振り抜き、左翼席最前列へ。日が沈みかけた幕張の空にサヨナラ弾が舞った。「打てばラッキーくらいの、失うものはないので」とハートの強さを示した。
21年に劇的なサヨナラ弾2発をナイター戦で放ち「ヒロミナイト」と呼ばれるようになった。今季4月16日の西武戦を含め、過去4度のサヨナラ打はすべてナイター。通算5度目は初めてデーゲームでの“オンステージ”だった。お立ち台で「ヒロミサンセット」とインタビュアーに連呼され「ファンのみなさんが呼んでくださったと思うので、それで大丈夫です」と照れながらも公認した。
今季5号でシーズン17本ペースだ。今季の統一球は「飛ばない」と選手間のもっぱらの評判の中でも、岡は飛ばす。「(飛ばない感触が)ないことはないですけど…。ポイントと角度がしっかり行けばというのは思う。あとスイングスピードもオフから取り組んでいるので」。鍛錬と技術でボールを遠くへ運んでいる。
パ・リーグ全3試合でサヨナラ勝ちの大トリを飾った。かもにされていた日本ハム相手に初のカード勝ち越しで貯金1。吉井監督も「すっとこどっこいな空振りもするけど、ああいう勝負どころですごいのを決めてくれる」とヒロミに最敬礼だった。【広重竜太郎】