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【巨人】菅野智之、球団最速1500奪三振はヤクルト村上から「意識していた。いいバッターからと」


ヤクルト対巨人 6回裏ヤクルト2死、空振り三振に倒れる村上。投手菅野(撮影・江口和貴)

<ヤクルト3-4巨人>◇11日◇神宮

投打の大黒柱が躍動し、巨人が722日ぶりにセ界単独首位に躍り出た。先発の菅野智之投手(34)がヤクルトを7回途中5安打2失点に抑え自身5度目の開幕4連勝。史上60人目となる通算1500奪三振を球団最速で達成した。打線は4番岡本和真内野手(27)が2打席連発となる6号同点ソロと7号勝ち越し2ランで突き放した。単独首位は22年5月20日阪神戦以来で、阿部慎之助監督(45)体制では初。勝負強さを身に付けたチームは、今季最長タイ4連勝で最多タイの貯金4と勢いは増すばかりだ。

   ◇   ◇   ◇

節目の数字に、これ以上ない相手だった。菅野が眼光鋭くキャッチャーミットを見つめた。6回2死、ヤクルト村上と対峙(たいじ)。カウント2-2からの8球目。134キロスライダーをストライクからボールゾーンに決めた。空振り三振。この試合4つ目を奪い、節目の通算1500奪三振に到達した。「あと1個は意識していた。いいバッターから取りたいと思っていた。思い出に残る三振になった」とかみしめた。

強風に苦しみながら、バランスを修正し、尻上がりに調子を上げた。開幕から無傷の4連勝。「僕1人の力では達成できない」と感謝した。5度目の開幕4連勝は工藤公康氏に並ぶプロ野球最多タイとなった。

常勝の看板を背負いマウンドで立ち続ける一方で、周囲への気配りは忘れない。練習でのキャッチボールでは、あえて音を立てて捕球する。まるでブルペン捕手のようにグラブの芯で「パン」と捕球音を響かせるように心がけて。「趣味かな。好きなんだよ」と笑うが、キャッチボール相手の投手に気持ちよく投げて、自信をつけてもらうためでもある。細かな背番号18の心遣い。そうやって投手陣を引っ張ってきた。

強いときも、そうでないときも知る菅野は、今のチームの強さをこう見ている。「やっぱり接戦をものにしているのが一番の強み。去年と違う部分はそこ。それは僕も含めて」。12年ドラフトで入団から2年連続を含む4度のリーグ優勝を経験。「強い巨人を知っているのは長野さん、(坂本)勇人さん、僕ぐらいしか現役ではいないと思う。野球自体も変わってきている」。かつての圧倒的な戦力差でねじ伏せる勝利は少ない。ただ接戦をものにする力はついてきた。今季1点差ゲームは7勝5敗と最も勝利数が多く、競り勝って単独首位まで上り詰めた。

「今の強さを引き続き最後まで。長く首位の座を守れるように先頭を切って頑張ります」と菅野。ベテランの背中に引っ張られながら、巨人は勝負強さを増していく。【上田悠太】

▽巨人杉内投手チーフコーチ(通算125勝&1500奪三振の菅野に)「僕(2156奪三振)を抜いてもらいましょう。まずは勝利数(142勝)を抜けっていっているんですけれど。トモに勝ちがついてよかった」

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