劣勢はね返した精神力＝大坂、宿敵下し喜びの涙―女子テニス

　最後は強烈なサーブで相手にリターンを許さず勝利を決めると、大坂はベンチに戻ってタオルで顔を覆った。劣勢をはね返し、３連敗中で苦手意識のあったベンチッチに雪辱。「タフな相手に勝ててとてもうれしい」。東京五輪金メダリストを倒し、喜びの涙を浮かべた。 　第１セットはリターンに苦しんで落とすと、目を閉じて深呼吸。「倒れるまで力を出し切ろう」。心を乱さずに修正する強さがあった。第２セット以降はサーブのコースを変えながらエースを量産。重圧をかけ、相手のミスに乗じて強打を突き刺し、流れを引き寄せた。 　優勝した昨年の全豪オープン以来となる決勝進出。完全復活の声には、「（昨年の全仏以降も）大会に出ていなかっただけで、選手としての自分は変わっていなかった」ときっぱり。観客からの罵声に涙を流して敗れた大会の後、セラピストに相談して精神面も安定した。「この大会は自分にとってテストだと捉えていた。勝ち進むことができて満足している」。そう語る表情には自信がみなぎっていた。（マイアミ時事） 【時事通信社】 〔写真説明〕女子シングルス準決勝でプレーする大坂なおみ＝３１日、米フロリダ州マイアミ（ＥＰＡ時事）