豪雪地帯に一足早い春＝只見、初の大舞台へ―高校野球

　日本有数の豪雪地帯に、朗報が届いた。２１世紀枠で春夏を通じ初の甲子園出場が決まった只見。体育館で待機した部員に伊藤勝宏校長が告げ、「会津の奥から甲子園にその勇姿を見せてください」と激励すると、選手たちは「よっし！」と力強くガッツボーズ。歓喜の拍手が響き渡った。 　冬場は積雪でグラウンドが使えず、体育館や駐輪場を利用して練習。地道な努力を重ねてきた。只見町では「山村教育留学制度」が導入され、部員の５人が町外から入学してきた。環境面でのハンディを抜群のチームワークで乗り越えてきた。 　吉津主将は「特別なことはせず、いつも通り自分たちの野球を磨き上げていきたい」と意気込む。地元出身で、高校（学法石川）時代に甲子園に出場した長谷川監督は「一報の瞬間は力が抜けた。この日を迎えられて本当にうれしい」。近くで旅館業を営む目黒ゆかりさんは、「小学生の時から見てきた。野球の神様が只見を選んでくれた」と感慨深げだった。（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕甲子園出場決定の報告を受け帽子を投げて喜ぶ只見の野球部員ら＝２８日、福島県只見町 〔写真説明〕校長から甲子園出場決定の吉報を受け、喜ぶ只見の野球部員ら＝２８日、福島県只見町