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最先端材料科学研究:手描きで作る防水圧力センサー


やわらかく、身に着けられ、しかも防水の高性能圧力センサーを手作りする

2021/8/24
Science and Technology of Advanced Materials誌 プレスリリース

Science and Technology of Advanced Materials誌 プレスリリース

配信元:国立研究開発法人 物質・材料研究機構 (NIMS)・〒305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1
Date: 24 August 2021

最先端材料科学研究:手描きで作る防水圧力センサー

(Tsukuba 24August 2021) やわらかく、身に着けられ、しかも防水の高性能圧力センサーを手作りする

論文情報
タイトル:Waterproof, thin, high-performance pressure sensors-hand drawing for underwater wearable applications
著者:Chi Cuong Vu &Jooyong Kim*
* Department of Organic Materials and Fibers Engineering, Soongsil University, Seoul, Dongjak-gu, 06978, Republic of Korea (E-mail: jykim@ssu.ac.kr)
引用:Science and Technology of Advanced Materials Vol. 22 (2021) p. 718
URL: https://doi.org/10.1080/14686996.2021.1961100

薄く、フレキシブルで、防水性の高性能圧力センサーを、特別なデザインソフトや装置無しで、手描きでも作成できる手法を提案、実証作成した。
 柔軟性のある装着型圧力センサーは、人の動きの認識、患者の健康状態のモニタリング、身に着けられるIT端末、スマートアパレルといった幅広い分野への応用が考えられ、材料科学者が注目している。従来の半導体などを使った固体材料では、硬く、柔軟性に欠け、身に着けられるデバイスにするのには不適切であった。センサーをフレキシブルにすることは、我々の健康やライフスタイルに関わるウエアラブル技術全般に新しい世界をもたらすことになる。同時に、ウエアラブルデバイスが我々の生活に密着している以上、防水性を持つことは非常に重要である。

Science and Technology of Advanced Materialsに、韓国、ソウル市にある Soongsil University (崇実大学校)、Chi Congo Vu および Jooyong Kim が発表した論文 Waterproof, thin, high-performance pressure sensors-hand drawing for underwater wearable applications において、ウエアラブルな防水性圧力センサーの作成が報告されている。その作成は、特別なデザインソフトや装置を用いることなく、手描きで行われている。

 著者らの用いた材料は、電極部にはデュポン製の柔軟性フィルム「ピララックス」、感圧部にはカーボンナノチューブ(CNT)を染み込ませたティッシュ(不織紙)、そして全体を覆うプラスチック粘着テープである。
 圧力センサーの作成は、まず、ピララックスのCu導電面上にマーカーペンで電極の形状を描き、エッチングにより、マーカーペンで被覆した電極部分を残して、その他の部分の銅を取り除く。その後、マーカーペンの被覆をアセトンで洗浄除去し、電極部フィルムとする。電極部フィルムの上に載せる感圧部は、溶媒中でティッシュにCNTインクを染み込ませ、乾燥させることで作成している。この工程でティッシュを構成する紙繊維の表面はCNTで被覆されることになる。この感圧部を電極上に置き、その上から全体を粘着テープで覆い、全体を防水する。

 センサーは15x15 mmのサイズで、厚みは、およそ0.26 mm(ピララックス 0.032 mm、ティッシュ/CNT 0.16 mm、粘着テープ 0.03 mm)である。センサー上部から圧力が加わると、CNTの密度が増し、抵抗が減少する。この抵抗減少値を圧力増大値に変換、検出する。圧力センサーの感度は高く、 0.2 kPa-1 (<6 kPa)である。実際、この圧力センサーをマスクの内側に設置すると、圧力センサーは呼吸による空気圧の変化を読み取り、マスク装着者の呼吸数をリアルタイムでレポートできる。
 この圧力センサーをマトリックス状に配置したセンサーアレイでは圧力値および圧力の加わった部位を同時検出できる。実験では、検知した信号を機械学習技術を用いて処理すれば、加わった圧力を94%の精度で検出できた。さらにこの圧力センサーをwi-fiネットワークに接続して、水中からでも、シングル、ダブル、トリプルなどのタッチアクションの組み合わせで離れてある携帯電話を操作できた。

 この論文で報告した、容易に入手できる材料、簡単な制作方法、それに機械学習アルゴリズムを加えた手法が、今後の手描きセンサーの発展に大いに貢献するであろうと著者らは期待しています。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202108249134-O1-3ByCTNFK
図の説明:韓国の研究者は、水中から携帯電話を操作できる圧力センサーを開発した。

論文情報
タイトル:Waterproof, thin, high-performance pressure sensors-hand drawing for underwater wearable applications
著者:Chi Cuong Vu &Jooyong Kim*
* Department of Organic Materials and Fibers Engineering, Soongsil University, Seoul, Dongjak-gu, 06978, Republic of Korea (E-mail: jykim@ssu.ac.kr)
引用:Science and Technology of Advanced Materials Vol. 22 (2021) p. 718

最終版公開日:2021年8月17日
本誌リンク https://doi.org/10.1080/14686996.2021.1961100(オープンアクセス)
Science and Technology of Advanced Materials誌は、国立研究開発法人 物質・材料研究機構(NIMS)とEmpaが支援するオープンアクセスジャーナルです。

企画に関する問い合わせ: stam-info@ml.nims.go.jp

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