2019年10月9日

メルクバイオファーマ株式会社

23カ国、4,500人の女性を対象とした国際調査により
女性がん患者さんが抱く疎外感やサポート不足の現状が明らかに
~啓発とサポートの拡充が必要~

●がんとともに生きる女性を支援するためには、政府や医療従事者、雇用主、関連団体の協力が必要
●支援強化のための議論や行動を進めるべき地域、患者さんの年齢層を特定
●日本では、社会的サポートを十分に得られていないと感じる女性がん患者さんが多いことが明らかに

※本プレスリリースは、独メルクが9月24日に発表した英文ニュースリリースの翻訳を元に編集したもので、補足の目的で一部加筆しています。

サイエンスとテクノロジーのリーディングカンパニーである独メルク(以下、メルク)は2019年9月24日に、世界23カ国の4,585人の女性を対象とした調査に基づく「Supporting Women With Cancer(女性がん患者を支えて)報告書」を発表しました。本調査では、がんと診断された女性が仕事を続けるために十分な支援を受けていると答えたのはわずか5人に1人(20%)であることが明らかとなったほか、がんと診断される前に徴候や症状を自覚していた女性は45%であり、がん検診制度を利用したことがない女性は半数近く(47%)にのぼることがわかりました。これらの調査結果は、がんについての理解促進と、検診や支援サービスの認知拡大、検診へのアクセス向上が必要であることを示唆しています。さらに、4分の1(25%)の女性は、がんであることで男性よりも疎外感を抱いていることも明らかとなりました。

メルク・グローバルヘルスケアCEOのベレン・ガリーホは、次のように述べています。「私たちメルクは、治療効果の高い薬剤の開発に取り組むだけでなく、がんに罹患した女性に寄り添い、困難に直面した暮らしを支えていきたいと考えています。今回の調査では、女性がん患者さんの健康と生活の質(QOL)を高めるために検討が必要な数多くの要素について、直接的な情報を得ることができました。」

国際対がん連合(UICC)の協力のもと設計された本調査では、3分の1(34%)の女性が、がんと診断された後に雇用主から全く支援を受けていないと回答しています。また、出産可能な年齢の女性で、医療従事者からファミリープランニングのアドバイスを受けたと答えたのは半数以下(45%)にとどまりました。さまざまな困難を抱えたときに支援サービスを利用したと回答した女性は42%のみで、がんについて学ぶためのリソースや支援サービスの認知度が低く、患者さんが本当に求めているものにシフトさせる必要があることが示唆されました。

調査ではさらに、女性のがんに関する知識向上を支援する必要があることも明らかとなりました。多くの女性は、肺がんや大腸がんなど、一般的に女性のがんと認識されていないがん種のリスクを過小評価していました。また、高齢女性や「低・中所得国」および「高・中所得国」の女性が、がんの徴候や症状を診断前に認識していた割合は、高所得国の女性より低い結果となりました。これらの調査結果は、所得や教育水準に関わらず、女性にとってリスクの高いがん種の徴候や症状、リスク要因について、女性の理解を一層促進させる必要があることを示唆しています。

UICCのケアリー・アダムズCEOは、次のように述べています。「私たちは、がんの症状について女性の理解促進のためにあらゆる手段を講じなければなりません。女性特有のがん種に限らず、肺がんや大腸がん、胃がんなども同様です。UICCは、世界のがんコミュニティに対し、がんの徴候や症状について女性の理解促進を支援し、生存率の高いステージで診断できるよう呼びかけを行っています。」

がんの早期診断は治療の成功機会を高めると考えられており、がん検診制度や検診受診への理解促進の必要性が本調査で明らかになりました。とくに「低・中所得国」の女性では、診断が遅れる例が多く見られます(55%)。その理由の上位3つは「症状を深刻に受け止めなかった」(52%)、「がんと診断されるのが怖い」(38%)、「費用がかかるため診察を受けるのが遅れた」(29%)でした。また18~40歳の女性も、他の年齢層と比べて診断が遅れる傾向にあり(49%)、その主な理由は「症状を深刻に受け止めなかった」(43%)でした。

「Supporting Women With Cancer(女性がん患者を支えて)」プログラムは、APEC(アジア太平洋経済協力)のグローバルプロジェクトである「健康な女性と健全な経済(Healthy Women, Healthy Economies)」イニシアチブの一環として実施されました。本イニシアチブは、患者さんや政府、医療従事者、雇用主、その他のステークホルダーがともに女性の健康改善を推進することで、女性のコミュニティへの参加と活躍、適切な評価を支援するものです。メルクは、グローバルおよびAPAC(アジア太平洋地域)において本イニシアチブを推進しています。治療を含め、生活のあらゆる面で患者さんをサポートし、がんとともに生きる女性にとって意義のあるソリューションをがんコミュニティとともに模索しています。報告書には、この目的達成に向けた提案も含まれています。

「Supporting Women With Cancer(女性がん患者を支えて)報告書」はこちらからご覧ください。
https://www.merckgroup.com/content/dam/web/corporate/non-images/company/responsibility/en/Supporting-Women-With-Cancer-Report-MERCK-FINAL.pdf

日本の現状

本調査で収集された日本のデータに注目すると、がん検診制度を利用したことのある女性は7割(71%)にのぼり、全体の平均(53%)を上回りました。診断前にがんの徴候や症状を自覚していた女性は、全体の45%に対して半数以上(54%)となり、日本では検診の必要性やがんの徴候などの理解が比較的高いことが明らかになりました。また、出産可能な年齢の女性で、医療従事者からファミリープランニングのアドバイスを受けたと回答したのは56%で、全体の45%より高い結果となりました。一方、病気を抱えて仕事を続けるために十分な支援を受けていると答えた女性は8%にとどまり(全体20%)、がんの診断後に雇用主から全く支援を受けていないと回答した人は半数近くの47%に達していました(全体34%)。このことから、日本の女性がん患者さんは、家庭や仕事において社会的なサポートを十分に得られていないと感じている現状が明らかとなりました。

メルクバイオファーマ株式会社は、がんと不妊治療領域のスペシャリティファーマとして、より多くの人に正しい情報を「伝え」、サポートの輪を「広げ」、人々の充実した暮らしという 「未来をつくる」ことへの貢献を目指しています。妊孕性に関する知識向上を目指した取り組みなどを通じて、今後もより一層患者さんをサポートしてまいります。

【本調査について】
「Supporting Women With Cancer(女性がん患者を支えて)」調査は、ヘルスケア領域における先進的なアドバイザー企業であるCello Healthによって2018年に実施されました。調査は、アメリカ、アルゼンチン、イギリス、イタリア、インド、インドネシア、オーストラリア、ガーナ、カザフスタン、カナダ、韓国、ケニア、コロンビア、スペイン、中国、ドイツ、日本、ブラジル、フランス、ポーランド、南アフリカ、メキシコ、ヨルダンの23カ国の女性を対象に実施されました。

調査全体のサンプル数は4,585人の女性で、ヨルダン(n=204)、カザフスタン(n=201)、韓国(n=180)を除き、1つの国から200人の女性が参加しました。このサンプル数は、各国から代表的なサンプルを収集し、頑健性の解析と各国間の比較ができるように設定されました。また、このサンプル数は、各国の所得水準、地域、年齢、教育水準、扶養状況、診断の遅延状態に着目したサブ解析を適切に実施できるように設定されました。

調査対象者は、がんと診断され治療を受けている18~80歳の女性とし、解析促進のため、18~40歳の女性がん患者さんについては下限制約を設定*しました。
*がん罹患者数が少ない18~40歳の女性について、有効な解析のために必要な最小限の人数を設定しています。


「健康な女性と健全な経済(Healthy Women, Healthy Economies)」イニシアチブについて
「Supporting Women With Cancer(女性がん患者を支えて)」調査は、グローバルイニシアチブ「健康な女性と健全な経済(Healthy Women, Healthy Economies)」の一環です。このイニシアチブは、女性の健康増進による女性の経済参加の推進を目的として、2015年にAPEC(アジア太平洋経済協力)の正式なプロジェクトとして発足しました。政府や民間企業、その他の非政府組織(NGO)などのステークホルダーおよび患者会が協力し、女性とその家族がより良い生活を送れるよう、官民連携で女性の健康促進に取り組んでいます。

【メルクについて】
Merck(メルク)はヘルスケア、ライフサイエンス、パフォーマンスマテリアルズの分野における世界有数のサイエンスとテクノロジーの企業です。約 52,000 人の従業員が、人々の暮らしをより良くすることを目標に、より楽しく持続可能な生活の方法を生み出すことに力を注いでいます。ゲノム編集技術を進展させることから治療が困難を極める疾患に独自の治療法を発見すること、また各種デバイスのスマート化まで、メルクはあらゆる分野に取り組んでいます。2018 年には 66 カ国で 148 億ユーロの売上高を計上しました。

メルクのテクノロジーと科学の進歩において鍵となるのは、サイエンスへのあくなき探求心と企業家精神です。それはメルクが 1668 年の創業以来、成長を続けてきた理由でもあります。創業家が今でも、上場企業であるメルクの株式の過半数を所有しています。メルクの名称およびブランドのグローバルな権利は、メルクが保有しています。唯一の例外は米国とカナダで、両国では、ヘルスケア事業では EMD セローノ、ライフサイエンス事業ではミリポアシグマ、パフォーマンスマテリアルズ事業では EMD パフォーマンスマテリアルズとして事業を行っています。

【メルクバイオファーマ株式会社について】
「メルク ヘルスケア・ビジネス」(本社:ドイツ・ダルムシュタット)における、バイオ医薬品事業部門の日本法人です。2007年10月1日にメルクセローノ株式会社として発足し、がん、腫瘍免疫および不妊治療領域を重点領域としています。2019年4月1日に社名をメルクセローノ株式会社から現在の「メルクバイオファーマ株式会社」へと変更しました。
メルクバイオファーマ株式会社の会社概要は
https://www.merckgroup.com/jp-ja/company/merckbiopharma.htmlをご覧ください。

情報提供元:PRワイヤー
記事名:「23カ国、4,500人の女性を対象とした国際調査 疎外感やサポート不足の現状が明らかに