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ポルシェがニュルブルクリンクで昨年の勝利を再現


2016/7/27



ポルシェAG



ポルシェがニュルブルクリンクで昨年の勝利を再現

FIA世界耐久選手権(WEC)、LMP1、第4戦、ニュルブルクリンク(ドイツ)、決勝



ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:Dr.オリバー・ブルーメ)の世界チャンピオンチームであるティモ・ベルンハルト(ドイツ)/ブレンドン・ハートレー(ニュージーランド)/マーク・ウェバー(オーストラリア)組は、ニュルブルクリンク(ドイツ)で開催されたWEC2016年シーズン第4戦の6時間レースで、昨年の勝利を再現しました。



919ハイブリッドによるこの優勝により、ポルシェはFIA世界耐久選手権(WEC)のマニュファクチュアラー部門におけるリードを広げました。ロマン・デュマ(フランス)/ニール・ジャニ(スイス)/マルク・リーブ(ドイツ)組は、4位となり、ドライバー部門の首位を守りました。初開催となった2015年と同様に、今年のWECドイツ戦も成功のうちに幕を閉じました。58,000人の観衆が、好天に恵まれたアイフェル山脈のサーキットで、息を呑むようなモータースポーツを堪能しました。



ポルシェ919ハイブリッドにとって、この勝利はシルバーストーンおよびル・マン戦に続く3回目の優勝となりました。このプロトタイプは2014年にデビューしてから累計優勝回数が10回となり、ベルンハルト/ハートレー/ウェバー組にとっては5回目の勝利です。現在、ポルシェは164ポイントでアウディ(129ポイント)とトヨタ(97ポイント)をリードしています。デュマ/ジャニ/リーブ組は、ドライバー部門で2位に33ポイント差をつけてリードしています。



カーナンバー1のレース展開:

スタート直後、ティモ・ベルンハルトはカーナンバー8のアウディを抜き、3位から2位にポジションを上げます。15周目以降、彼は首位を走るカーナンバー7のアウディにアタックしますがオーバーテークには至りませんでした。最初のピットストップの直前、カーナンバー1のポルシェがようやく先頭に出ます。31周を終了した後のピットストップで、給油、タイヤ交換、ドライバー交代を行いましたが、ポルシェのピットクルーは他のどのチームよりもすばやく作業を完了しました。これによりブレンドン・ハートレーがレースをリードしましたが、プレッシャーがかかります。45周目および48周目に、ハートレーは2台のアウディに先行され、3位に後退します。チームはタイヤ空気圧の低下を検出し、予定より早いピットストップを指示します。53周を終了して、ハートレーはクルマをマーク・ウェバーに託しました。ウェバーは86周走行後にトップでベルンハルトと交代します。レース後半に突入した直後、3回目のフルコース・イエロー(FCY)が出され、この間に2台ともピットに入ります。109周目からハートレーが再びステアリングを握ります。この時点で、タイトルディフェンダー達は2位のポジションで走行していました。そして4回目のFCYの間140周目にウェバーにドライバー交代し、首位に立ちます。165周終了後、5回目のFCY中にベルンハルトがコックピットに乗り込みます。194周でレースがフィニッシュとなり優勝を決めました。



カーナンバー2のレース展開:

スタート後ニール・ジャニは4位のポジションをキープします。22周目、第1コーナーで3位のカーナンバー8のアウディにアタックし、パスするかと思われましたが、ブレーキングでリアのグリップを失い、コースアウトしてしまいます。しかし、ジャニは4位で走行を続けました。30周終了後、マルク・リーブにドライバー交代しました。もう1台の919ハイブリッドがスローパンクチャーでピットに戻り、2台のアウディが予定のピットストップを行うと、57周目にリーブが首位に立ちます。62周を終え、彼はクルマをロマン・デュマに託します。91周終了後、カーナンバー2のドライバー達は2回目のFCYのチャンスに恵まれ、再度ピットストップとドライバー交代を行います。その後、交代したジャニが首位をキープしました。3回目のFCY中、108周走行後のピットストップから、リーブの悪夢のスティントが始まります。138周目、彼がGTE-Amクラスのポルシェ(カーナンバー88)を抜こうとした際、接触してしまいます。139周目以降、ノーズコーンを付け替えたジャニは2位で走行を続けますが、ほどなく首位を奪還します。147周終了後、彼は先の接触によるドライブスルーペナルティにより、3位に後退します。156周目、ジャニはカーナンバー8のアウディのオーバーテークを試みますが、コースの外に押し出されます。これにより、ジャニは2台のアウディに挟まれることになりました。2位および3位のポジションを争う3台は、時折接触が発生するほどのスリリングなバトルを展開しました。165周目に5回目のFCYが出され、その間に次のピットストップを行いました。172周後、運営側からリアの修理が指示され、予定にないピットストップを行いました。ジャニがチェッカーまでドライブし、4位でフィニッシュしました。



レース後のコメント:

ポルシェAGの研究開発担当役員ミヒャエル・シュタイナー:「厳しいレースでしたが、私達は長い間戦ってきています。祖国での優勝をとても喜んでいます」。



LMP1担当副社長フリッツ・エンツィンガー:「すばらしいの一言です。私達は過去10戦中9戦で勝利を飾っています。これには、ル・マン24時間レースでの2勝も含まれます。この結果を持って夏休みに入ることができます。これ以上望むことはありません。カーナンバー2は残念でした。この車両も十分に優勝を狙うことができるポジションでした。しかし、4位も立派な結果です。私達はすばらしいレースとモータースポーツの真髄を目の当たりにすることができ、今はメキシコ戦を愉しみにしています。それまで、ここニュルブルクリンクのチームとヴァイザッハのチームの全員がすばらしい休暇を過ごせるよう願っています」。



チーム監督アンドレア・ザイドル:「サーキットとヴァイザッハのチームの全員が勝ち取った結果を誇りに思います。カーナンバー1のクルー達は、私達の919ハイブリッドのポテンシャルのすべてを引き出し、ほとんど問題も発生しませんでした。スローパンクチャーも、ピットストップの回数に影響しませんでした。残念だったのは、カーナンバー2が不運なアクシデントに見舞われ、トップを譲らざるを得なかったことです。私達は、マニュファクチュアラー部門でのポイント差を広げ、カーナンバー2のドライバー達も、ドライバー部門の貴重なポイントを稼ぎました。今シーズン3つ目となるエアロパッケージも今日のレースに間に合いました。その裏には大変な努力がありました。というのも、これはル・マンの準備と並行して進められたからです。そして、この新しいパッケージは、週末を通してその威力を発揮しました。私達のクルマは明らかにサーキットにおいて最速であり、この勢いに乗って今後の海外戦に臨みたいと思っています」。



ポルシェ919ハイブリッド(カーナンバー1)のドライバーのコメント

ティモ・ベルンハルト(35歳、ドイツ):「レース序盤、私は2位にポジションを上げることができ、トップにプレッシャーをかけ続けました。最初のスティントでは、2、3回、トップを走るアウディに並びかけました。一旦はオーバーテークしたのですが、GTクラスのトラフィックに集中していたためブレーキングポイントを逃し、アウディに抜かれてしまいました。2回目のスティントでは、ファステストラップを記録することができました。最終スティントも簡単ではありませんでした。私にとって、今日の勝利の味は格別です。これまで厳しい戦いで、それはここ故郷の地でも同じでしたが、チャンピオンシップ最初の3戦の不運を跳ね返す原動力となりました」。



ブレンドン・ハートレー(26歳、ニュージーランド): 「ポルシェ、メカニック、エンジニア、ティモそしてマークに感謝しています。再び表彰台の頂点に立ったときの気分は最高でした。レース序盤は順調で、最初のピットストップではピットクルーによる素早い作業のおかげでトップのアウディを抜くことができました。その後はトラフィックに手こずり、スローパンクチャーにも見舞われてピットに予定より早く戻らなければなりませんでした。2回目のスティントは、もっと愉しむことができました。コースがクルマのバランスにとても合っているようでした。アウディを退けて首位に立つことができました」。



マーク・ウェバー(39歳、オーストラリア):「ポルシェが自国での優勝を果たすことができ、とても嬉しく思っています。手強いライバル達を相手に、すばらしい戦いをしました。今シーズン、苦戦を強いられていたカーナンバー1のメカニック達にとって、今日は最高の日となりました。マニュファクチュアラー部門のポイントを獲得することもできました。決勝当日のサーキットのコンディションは、それまでとはまったく異なりましたが、私はクルマのパフォーマンスおよび自分達のドライビングにとても満足しています。今日のレースは混乱気味で、FCYでタイムをロスしました。これは、私の前のクルマがレギュレーションで規定された80 km/hを下回る速度で走行していたからです。そして、カーナンバー2はドライブスルーペナルティを課されてしまいました。我々はサーキットでアウディとすばらしいバトルをしていましたし、幾度かの接触もはまったく気になりませんでした。私にとって今日一番大事だったのはアウディに勝つことでした」。



ポルシェ919ハイブリッド(カーナンバー2)のドライバーのコメント

ロマン・デュマ(38歳、フランス):「私はFCY直前にクルマに乗り込み、多少タイムをロスしました。これは、前を行くクルマが80 km/h以下で走行したからです。2回目のFCYはよいタイミングで、私達にとって大きなチャンスとなりました。919は好調だったので、もう少しよい結果を期待していましたが、いずれにしてもチャンピオンシップのポイントを稼ぐことができました」。



ニール・ジャニ(32歳、スイス):「今日のレースで優勝する可能性も十分にありました。レース序盤は、あちこちでポジション争いが起こっていて、とても難しい局面でした。FCYで首位に立ったときは、運が私達に味方してくれたと思いましたが、その後は見放されました。他車と接触した後はアウディに挟まれて難しい状況になりました。彼らをストレートでオーバーテークするのは、ほぼ不可能でした。私はブーストを一杯まで貯えましたが、それでもアウディの前に出ることはできませんでした。そして、大混戦が始まりました。いずれにしても4位は何も無いよりはましで、チャンピオンシップに向けてポイントは大歓迎です」。



マルク・リーブ(36歳、ドイツ):「トラフィックが難しいレースでした。サーキットでは遅いクルマに追い付くことは避けらないことなので、いつでも少なからず運に左右されるからです。私達のクルマは好調でした。私がドライブスルーペナルティを課されてしまい、チームに申し訳なく思っています。トラフィックの中ではよくある状況なのですが、正しい答えを出すか、間違った答えを出すか、決断を迫られている場面でした。私はギャップを利用しようとしましたが、その決断は間違っていました。彼がもう少し間隔を空けてくれるだろうと予想していました。十分に優勝を狙えたので悔しいですし、接触してしまったカーナンバー88に対しても申し訳ない気持ちで一杯です」。



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