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夏・脱水対策が強化の基本!クラブ活動中の熱中症予防と対策


20150714



教えて!「かくれ脱水」委員会



夏・脱水対策が強化の基本!クラブ活動中の熱中症予防と対策



夏場のクラブ活動中、特に注意が必要なのが熱中症対策。炎天下の屋外でのクラブ活動だけでなく、実は、体育館や武道場などの室内競技スポーツが、熱中症のリスクが高いといわれています。どうしても頑張ってしまい、限界まで無理しがちなクラブ活動だからこそ、熱中症予防のための脱水対策が大切です。昼間のクラブ活動が盛んになる夏休みを目の前に、教えて!「かくれ脱水」委員会の十河剛委員、都立小山台高校剣道部顧問土崎祐一郎先生に、激しい室内競技である剣道における高校生の熱中症リスクとその対策について伺いました。



十河剛(そごう・つよし)

済生会横浜市東部病院 小児肝臓消化器科副部長 医学博士

1970年東京生まれ。1995年防衛医科大学校医学科卒。躰道七段教士。

合気道二段剣道二段。日本小児科学会認定小児科専門医。日本肝臓学会認定肝臓専門医。

日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医。自宅敷地内に道場建設し、

SogoBudoAcademyInternational設立。現在、子供達や学生達への指導を続けている。





◆剣道の熱中症リスクとは?



十河委員は、剣道における熱中症のリスクについて、次のように話します。「激しい運動でカラダが熱を持つだけでなく、体育館や武道場など、古い校舎でやることが多いですよね。そうすると、一般的に、壁や屋根からの伝導してくる熱をうけてしまいます。また、室内で風がどうしても抜けていかないような造りになっていると、空気が対流できないために皮膚の温度を下げることができなくなります。加えて、剣道では、防具を付けているので、対流があってもその効果を受けにくいんです。汗をかいても汗が防具の中にこもってしまい、蒸発しないために気化熱による体温調節もできにくい。熱中症の原因となるものを考えていくと、熱を逃がすということが困難な場合が多い、かなりリスクの高い競技といえます。」





◆クラブ活動での、熱中症対処への意識変化は?



「近年は、日本全体で、真夏日とかいわれるようになって、自分たちが子供の頃に経験したことの無い、暑い日差しが照る日が続く中で運動しなければならない。きちんと水分補給をして運動するための科学的な知識が必要になってきたと感じています」と、土崎先生は話しています。「剣道界全体としても、夏場の稽古はそうしたリスクがあるということを認識していて、今、夏場の大きな大会は空調設備を整えておこなっています。日本武道館でもそうですし、東京武道館でも。最近の稽古では、脱水しないように、運動した後に水分を摂るのではなく、先に水分と電解質を摂っておいて、その摂った分を汗として出す。カラダの水分量はなるべく変わらないようにしておきなさいということが指導としていわれるようになってきました。我々もなるべく稽古の前にまず水分を摂っておくようにとか、朝稽古のときやランニングのとき、なるべく前に水分と電解質を摂っておくようにしています」



「最近は激しい汗をかくときは、体重減少を2%以内に抑えるようにいわれています。そのために、先に水分や電解質を摂っておくことが推奨されているんです。体重を稽古や練習の前後で測るというのが理想なんですが、なかなかそこまではいきませんので、目安として前もって飲んでおくということですね」と、十河委員。



◆稽古中に気をつけることは?



「剣道のような、対人競技の稽古というのは、柔道もそうですけど休む時間がないですね。剣道だったらどっちかが打つ、どっちかが打たせるという役割分担。それを交代して何度もやる。そのため、稽古の継続時間や生徒の状態を配慮して、どこかのタイミングで一回防具を外して休む、あるいは水分補給をするということが必要になってくると思います」と、土崎先生。先生が顧問を務める都立小山台高校剣道部では夏の練習時、面や小手などの防具をつけない状態での練習から初めたり、こまめに水分補給をとるようにしたり、熱中症にならないよう様々な工夫をしています。合宿を行う際も朝のうちに激しい稽古を、暑くなってからは抑える、など一日の気温の変化にも気を使っているとのこと。





◆終わってからの水分補給は、濃いめの塩分を



「競技や練習の最中というのは、糖分の入った(スポーツドリンクは5%程度の糖分)ものでいいですが、終わった後に補給するものになってくると、糖分しか入っていない飲料の摂りすぎは、カラダに水分が保持されず尿量が増えますので、あまりお勧めしません」と十河委員。「水分保持の本題からすると、激しい運動や稽古が終わった後は、ある程度塩分が濃いものの方がいいのです。運動が終わったときに飲む水分として、ナトリウム量が少ないと、水分のカラダへの定着が悪く尿として出て行ってしまう。そういった意味では、経口補水液のOS-1などは、塩分が多くて糖分が少ないので、水分や電解質がカラダに定着します。栄養をしっかり摂って睡眠をとって、水分とともに塩分や糖分を適度にとるということは、回復にもつながると思います」





◆熱中症予防には、なにより早めの脱水対処!



十河委員によると、「熱中症は早めの処置をしてあげることが大切」とのこと。「I度II度の段階で処置をしておけば、その後に重篤になるようなことはありません。先ほど土崎先生が子供たちの顔色が悪くなっている時には休ませるといわれましたが、これはI度II度の症状です。その段階でしっかり対応されているので、問題が無いのだと思います。I度II度の段階を理解して、その段階でどういう対応をしたらいいのかを知っておくことがいちばん大切です」



教えて「かくれ脱水」委員会のウェブサイト『かくれ脱水JOURNAL』にて公開しています。 http://www.kakuredassui.jp/column10









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