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企業型DCの放置が1,428億円に。離転職したら何をすべき? その疑問と手続きの方法を解説します。



2016年11月24日付け、朝日新聞デジタルニュースによると、企業が設けている確定拠出年金(DC)で運用されずに放置されている資産が、約57万人分、1,428億円に上っている(2016年3月末時点)そうです。



「この記事を見た」という読者の方もいらっしゃることでしょう。



離転職で加入資格を失った場合、なんらかの手続きをしなくてはならないのですが、これほど多くの方が放置しているとは驚きです。









企業型DCを利用している方が離転職したら何をすべき?


・ 「転職先の企業型DCに加入する」か、「個人型DCの加入者になる」あるいは「運用指図者になる」のかの手続きを、資格損失後6か月以内に自身で行う



・ 条件があえば、脱退一時金が受け取れる場合があるので手続きを行う(2017年1月に制度内容が変わり、受け取れる条件が更に厳しくなっています)



手続きをしないとどうなるの?


資産は自動的に売却、現金化され、国民年金基金連合会に強制移換されてしまいます。



国民年金基金連合会に強制移換された場合




・ 4,269円の手数料が引かれる



・ 移換された資産は全く運用されない



・ 通算加入者期間に算入されない(DCで積み立てた資産は、通算加入者期間が10年以上ならば原則60歳から受け取れる)そのため、受給時期が最高65歳までと遅くなってしまうことがある



毎月51円の手数料がかかる



老齢給付金が受給できる年齢になっても受け取れない。受け取るには、個人型DCにいったん資産を移換しなければならない



国民年金基金連合会によると、放置している金額は年々増加中。

「毎月の手数料はそれほど多くはないし、今は面倒だから手続きしない」

そんな方もいらっしゃるかもしれませんね。でも、私は手続きをした方が良いのではないかと考えています。









転職先の企業がDCを導入の場合


転職先の企業型DCに資産を移換するには、企業の担当者に連絡をします。サポートしてくれるでしょうから、それほどハードルも高くはないでしょう。



なお、国民年金基金連合会から資産を移換する際には、1,080円の手数料が発生します。移し換えると、DC口座で運用を再開することができます。



運用の基本(分散投資、継続投資、長期投資等)を心がければ、資産を増やすことができるかもしれません。



また、DCには様々なコストがかかりますが、原則60歳までの加入者期間中のコストは、企業が負担してくれる場合もあるので確認してみましょう。





転職先にDCがない場合


自営業者、専業主婦、公務員など

「個人型DCの加入者」もしくは「運用指図者」となります。



国民年金基金連合会から資産を移し換える際の注意点




・ 移換先の運営管理機関(銀行、信用金庫、証券会社等)を自身で選択して連絡をする



・ 企業型DCの加入者資格喪失と個人型DCへの移換の手続きを取る



・ 移換する際に1,080円と、2,777円の個人型DC受け入れ手数料がかかる



毎月コストがかかる(加入者となった場合は国民年金基金連合会に月103円、信託銀行に月64円。さらに、運営管理機関ごとの口座管理手数料がかかる場合がある。)





個人型DCに移換するメリット


もしかすると、「個人型DCに移換するのは微妙…」と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。



しかし、加入者となる資格がある方は、資産の移換と共に、自分で掛金を払いこんで運用してみるのも良いと思います。



掛金全額が所得控除の対象となりますし、運用により、将来受給できる資産が手厚くなる可能性もあるからです。



運用指図者となる場合




運営管理機関のウェブやコールセンターを活用できるのが一般的。運用の基本的な考えを学び、相談も可能。



ウェブ上のシミュレーションコーナーで、自身に合った資産配分や商品の選び方がわかることもあるかもしれません。一通り学び直しをしてから加入者となる道を選択しても良いでしょう。





放置増加の理由のひとつ






離転職の際に、手続きを自身でしなければならないことを知らない

企業がDCを導入する際には、従業員向けにセミナーを開催する等、教育が必須です。



しかし、限られた時間の中で余りにも沢山の情報を伝えなければならないので、離転職の際の手続きまで十分に話せていないことも考えられます。



講師はどう印象づけて話すべきか意識しておくこと、企業も離転職をされる方に、十分説明することが大切。そうすると、放置される金額の増加を抑えることができるかもしれません。



※手数料は、2017年2月13日現在であり、将来変わる可能性もあります。

※運営管理機関については、国民年金基金連合会ホームページをご参照ください。(執筆者:横井 規子)



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