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20日の香港市場概況:ハンセン0.1%高で3日続伸、医薬セクターに買い


20日の香港市場は小幅に値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比11.82ポイント(0.05%)高の24399.95ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が14.63ポイント(0.15%)高の9898.00ポイントとそろって3日続伸した。売買代金は1016億9200万香港ドルに縮小している(19日は1259億6300万香港ドル)。

中国の政策に対する期待感が相場を支える流れ。今週22日には、今年の政策運営や経済成長率などの目標を示す中国の最重要会議、全国人民代表委員会(全人代、国会に相当)が開幕する予定だ。新型コロナの影響による景気懸念が根深いなか、新規の経済対策が望まれている。ただ、指数はマイナス圏で推移する場面もみられ、全体としては方向感を欠いた。香港の経済活動正常化の期待がやや後退している。香港政府は19日、新型コロナウイルス感染症対策の一環である「集会禁止令」の再延長を発表している。また、同日公表された労働統計では、2~4月期の失業率が5.2%と10年以上ぶりの高水準を記録した。

なお、朝方公表された事実上の中国貸出基準金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しては、前回4月と同水準に据え置かれた。事前予想通りだったこともあり、相場に与える影響は限られている。

ハンセン指数の構成銘柄では、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)が6.8%高、医薬品メーカーの石薬集団(CSPCファーマシューティカル・グループ:1093/HK)が4.7%高、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が2.3%高と上げが目立った。

セクター別では、医薬関連が高い。上記した石薬集団のほか、微創医療科学(853/HK)が9.6%、康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス:6185/HK)が8.9%、石薬集団(1093/HK)が4.7%、三生製薬(1530/HK)が3.8%ずつ上昇した。バイオ医薬品ベンチャーの康希諾生物は、コロナワクチンの期待感で上場来高値を連日にわたって更新。株価は年初から約4倍に伸びている。ワクチンを巡っては、各国が開発競争でしのぎを削る状況。中国では複数のメーカー・研究所が携わり、うち康希諾生物が開発中のワクチンは、第2期臨床試験をすでに始動している。

半面、不動産や消費などの香港銘柄はさえない。信和置業(83/HK)が2.5%、九龍倉置業地産投資(1997/HK)が2.1%、新世界発展(17/HK)と長江実業集団(1113/HK)がそろって0.9%、莎莎国際HD(ササ・インターナショナル・ホールディングス:178/HK)が3.0%、周大福珠宝(1929/HK)が2.2%ずつ下落した。

一方、本土市場は3日ぶり反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.51%安の2883.74ポイントで取引を終えた。ハイテク株が安い。資源・素材株、不動産株、インフラ関連株、消費関連株、運輸株なども売られた。半面、金融株の一角は高い。産金株も買われた。

亜州リサーチ(株)




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