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11日の香港市場概況:ハンセン1.5%高で続伸、テンセント2年ぶり高値


週明け11日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比371.89ポイント(1.53%)高の24602.06ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が122.14ポイント(1.24%)高の9990.48ポイントとそろって続伸した。売買代金は1036億5300万香港ドルとなっている(8日は968億2000万香港ドル)。

内外環境の改善で買われる流れ。中国のほか、米国やイギリスなど主要国で経済活動を再開させる動きが広がっている実態を受け、世界景気の持ち直しが期待された。中国の金融緩和期待も強まる。中国人民銀行(中央銀行)が10日に公表した1~3月の金融政策執行報告では、過剰流動性回避の文言が削除された。

米中の通商交渉担当者が電話会談し、「第1段階通商合意」の履行で成果を上げるために両国が努力することで一致したことも引き続き材料視されている。トランプ米大統領は8日、新型コロナウイルスが中国から世界に感染拡大したことについて、「中国が故意に起こしたとは思わない」と発言し、これまでの中国非難姿勢をトーンダウンさせた。米中対立の警戒感が後退している。

ハンセン指数の構成銘柄では、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が4.2%高、マカオ・カジノの金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が4.0%高、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が3.4%高、取引所運営の香港交易所(香港証券取引所:388/HK)が3.0%高と上げが目立った。テンセントは約2年2カ月ぶりの高値水準を回復。同社が13日に報告する1~3月期決算に関しては、2ケタ増収を持続すると市場関係の間で予測されている。香港交易所に関しては、市場活性化による手数料増などの思惑が広がっている。「Eコマース大手の京東商城(JD/NASDAQ)が6月にも香港上場する見通し」などと報じられた。また、大手ネット企業の重複上場を巡っては、ポータルサイト大手の網易(ネットイーズ:NTES/NASDAQ)が香港IPOを申請したもよう——などと伝わっている。

セクター別では、カジノや映画館(チケット販売)、空運、空港などレジャー関連が高い。上記した金沙中国のほか、新濠国際発展(メルコ・インターナショナル:200/HK)が3.1%、永利澳門(ウィン・マカオ:1128/HK)が1.8%、アイマックス・チャイナHD(1970/HK)が6.4%、阿里巴巴影業(アリババ・ピクチャーズ:1060/HK)が4.0%、猫眼娯楽(マオイェン・エンターテインメント:1896/HK)が3.8%、中国南方航空(1055/HK)が2.6%、中国国際航空(753/HK)が2.3%、海南美蘭国際空港(357/HK)が2.4%、北京首都国際機場(北京国際空港:694/HK)が1.9%ずつ上昇した。レジャー消費の回復期待が高まっている。国務院(内閣に相当)は8日、ショッピングセンターや映画館などの全面的な営業再開を認める方針を発表した。

中国不動産セクターもしっかり。融創中国HD(1918/HK)が3.4%高、中国恒大集団(3333/HK)が2.6%高、碧桂園HD(2007/HK)が2.4%高、華潤置地(1109/HK)が2.1%高で引けた。

一方、本土市場は小反落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.02%安の2894.80ポイントで取引を終えた。ITハイテク株が安い。医薬品株、不動産株、食品飲料株、証券株なども売られた。半面、自動車株と家電株の一角は物色される。インフラ建設関連株、銀行・保険株の一角も買われた。

亜州リサーチ(株)




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