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キャリアリンク Research Memo(4):事務系人材サービス事業の収益性はコロナ禍前の水準まで低下


*15:34JST キャリアリンク Research Memo(4):事務系人材サービス事業の収益性はコロナ禍前の水準まで低下 ■業績動向

2. 事業セグメント別の動向
(1) 事務系人材サービス事業
事務系人材サービス事業の売上高は前年同期比1.5%減の18,999百万円、営業利益は同58.8%減の1,027百万円となった。営業利益率は5.4%となり、四半期ベースで見ると第1四半期の売上高9,862百万円、営業利益率7.9%に対して、第2四半期は売上高9,136百万円、営業利益率2.7%となり、収益性が第2四半期に入って大きく低下したことが目を引いた。前述したとおり、一般競争入札などで受注した案件の収益率が想定を下回ったことなどに加え、今後の業務多様化やBPO関連事業の地方展開に対応する他、競争力強化を図るための人員増強や業務処理システムの開発などを実施したことが主因だ。キャリアリンク<6070>では、既に施策を打っており、第3四半期以降は売上高、収益性ともに上向くものと見ている。

事業部門別の売上動向について見ると、BPO関連事業部門は前年同期比2.0%減の14,157百万円となった。地方自治体からのマイナンバー交付施策案件及び新規業務のBPO請負案件の受注は前年同期比で堅調に推移し、直接受注による売上高は増加したものの、経済対策関連案件など多くの新規案件において前述の一般競争入札が採用されたことによる失注や、大手BPO事業者経由で受注した案件の規模縮小や業務終了が減収要因となった。

一方で、BPO請負案件の競争力強化のため人員を積極的に採用した結果、中核人材は2024年3月期第2四半期累計平均で367名と前年同期の269名から大幅に増加した。こうした効果により、新規取引先自治体数も18ヶ所増えて130となった※。BPO案件数も133件と前年同期の95件から順調に増加し、取引先自治体のリピート率は90%と高水準を維持した。ただ、規模の比較的大きいスポット案件が終了したことで、スポット売上比率は12%と前年同期の水準から低下し収益性低下の一因となった。協業先・JV等取引先数については、37社と前期の36社から1社増となっている。

※ 事務系人材サービス事業全体の取引先自治体数で、2020年2月期から2023年3月期の3期間で取引実績(派遣含む)のあった自治体数は112にのぼり、うち政令指定都市は20都市中16都市で取引実績を持つ。


CRM関連事業部門の売上高は前年同期比8.2%増の2,293百万円と増収基調が続いた。首都圏で既存取引先から大型コールセンター業務案件を受注したほか、新規取引先のBPO事業者から公共関連業務派遣案件を受注したこと、金融機関からの受注が堅調に推移したことなどに加え、仙台、福岡などの地方拠点でもインターネット関連サービス企業やテレマーケティング事業者などから通信販売及び金融関連案件を受注したことが増収要因となった。

一般事務事業部門の売上高は前年同期比6.5%減の2,548百万円となった。大手BPO事業者からの受注は堅調に推移したものの、前期に受注した地方自治体向けのスポット案件や金融機関向け既存案件の規模が縮小されたことなどが減収要因となった。

(2) 製造系人材サービス事業
製造系人材サービス事業の売上高は前年同期比19.5%増の3,092百万円と過去最高を更新した一方で、営業利益は同24.9%減の88百万円に留まった。売上高は食品加工部門において新規取引先の開拓や既存取引先の受注量が拡大したことで好調に推移したほか、製造加工部門でも各営業拠点で既存取引先への営業活動を強化した結果、輸送機器、住宅設備、機械業界向けの受注が拡大し増収要因となった。利益面では、今後の業容拡大を図るため正社員を新たに20名採用したことに加え、受注拡大に対応すべく登録者募集費を積み増したことが減益要因となった。

(3) その他
その他の売上高は前年同期比3.9%減の143百万円と減少したものの、営業利益は販管費の削減により同35.9%増の20百万円となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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