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日本電技 Research Memo(6):大型案件を引き寄せる計装エンジニアリング


*14:36JST 日本電技 Research Memo(6):大型案件を引き寄せる計装エンジニアリング ■日本電技<1723>の業績動向

2. セグメントの状況
セグメントの状況では、空調計装関連事業が、受注高35,270百万円(前期比20.1%増)、売上高29,792百万円(同5.2%増)と非常に好調だった。受注工事高は34,961百万円(前期比20.3%増)となり、新設工事で工場や事務所向けなどが増加して13,909百万円(同49.2%増)、既設工事で工場や公共施設向けなどが増加して21,051百万円(同6.6%増)だった。完成工事高は29,484百万円(同5.2%増)となり、新設工事で工場や事務所向けなどが増加して10,105百万円(同11.5%増)、既設工事で事務所や公共施設向けなどが増加して19,378百万円(同2.2%増)となった。次期繰越工事高は、新設工事、既設工事ともに増加して20,959百万円(同35.4%増)となった。また、制御機器類販売の受注高及び売上高は308百万円(同3.7%増)だった。

一方産業システム関連事業は、受注高3,793百万円(同18.4%減)、売上高4,515百万円(同35.0%増)と受注高は減少したものの、売上高は非常に好調だった。受注工事高は、電気工事や産業用ロボット関連工事などの減少により3,498百万円(同19.6%減)となった一方、完成工事高は、電気工事や工場設備における機械設備更新などが増加して4,220百万円(同38.5%増)となった。次期繰越工事高は、電気工事などが減少して2,002百万円(同26.5%減)だった。また、制御機器類販売の受注高及び売上高は295百万円(同0.9%減)となった。以下、セグメント別の業績概要を示した。

空調計装関連事業は5.2%増収、2.1%増益となった。首都圏再開発など工事が大型化するにつれ、計装エンジニアリング企業としての特徴が生かされるため受注は増えるものの、完成計上にかかる時間も長くなる傾向がある。このため、2023年3月期受注・2024年3月期売上計上の案件が増えている模様である。その大型案件だが、首都圏再開発が活況のオフィスビルや国内シフトが続く半導体工場のほか、地方都市再開発関連、高水準が続くデータセンター、様々な業界の工場、商業施設、公共施設と満遍なく受注があり、ノウハウのある地域空調の需要も堅調だった。なかでも首都圏や大阪圏における再開発の盛り上がりを背景に、オフィスビル需要は2027年頃までは続く勢いのようだ。また、大きく想定していなかった地方都市再開発も、大型化が進んだことでエンジニアリング機能を併せ持つ同社に受注が流れている模様で、これも2025年~2026年まで勢いが続く見込みである。

なお、2023年3月期のテーマに沿った取り組みも功を奏した。空調計装関連事業の新設工事において、全国の案件情報集約やブロック制により最適な営業・施工体制を構築するとともに、既設工事の営業との連携強化によりメンテナンスにつながる選別受注を進めた。既設工事では、メンテナンスサービスの品質向上と価値提供の強化、脱炭素社会に対応した提案、将来を見据えた協力会社との体制構築を推進した。省エネや運用サポートのメニュー拡充や機器の稼働状況の把握・制御などにより顧客との関係を深めることで、長期のタイアップにもつなげた。また、協力会社の人的ボトルネックを解消し長期的なキャパシティを確保する一貫として、NDテックサービス(株)を子会社化した(協力会社への支援は、後継者不足や人材確保の観点から今後も続く見込み)。

産業システム関連事業は35.0%増収、4倍増益となった。展示会などプロモーションが浸透しつつあるところだが、三菱電機<6503>とのタイアップや半導体工場など食品工場以外へと裾野が広がったうえ、大型プロジェクトが増えてきた。このため、2023年3月期受注・2024年3月期売上計上というインターバルの長い案件が複数あったようだ。産業システム関連事業の取り組みとして、組織再編、グループ企業としての確立、基盤構築のための投資を進めた。組織再編では、事業部制に格上げしたことで現場従事者の柔軟で効率的な配置、営業情報の事業部全体での共有、エンジニアリング教育の充実による人材育成の強化などを進めた。グループ企業としての確立では、子会社のジュピターアドバンスシステムズとの連携を強化し、同社の「計装エンジニアリング」技術とジュピターアドバンスシステムズの生産管理システムをワンストップで提案することで、工場のスマート化など顧客のニーズに対応した。基盤構築としては、展示会への出展を継続するほか、「計装エンジニアリング」技術と生産管理システムを補完する設備管理システムなど能力強化につながる業務提携やM&Aの検討も進めているようだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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