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ミロク情報 Research Memo(4):フロー型のシステム導入契約売上高、ストック型のサービス収入ともに拡大(1)


*12:24JST ミロク情報 Research Memo(4):フロー型のシステム導入契約売上高、ストック型のサービス収入ともに拡大(1) ■ミロク情報サービス<9928>の業績動向

2. 販売先別・品目別売上動向
売上高の内訳を見ると、フロー型収入となるシステム導入契約売上高が前期比16.8%増の23,646百万円と2期連続増収、3期ぶりに過去最高を更新した。また、ストック型収入となるサービス収入が同9.6%増の14,255百万円、その他(主に子会社の売上)が同6.1%増の3,559百万円と揃って増収となった。

(1) システム導入契約の販売先別・品目別売上高
システム導入契約売上高を販売先別で見ると、企業向けが前期比22.9%増の13,003百万円、会計事務所向けが同11.6%増の6,679百万円、その他が同7.9%増の3,963百万円とすべて増収となった。

企業向けについては、2021年以降にリリースした新製品(2021年3月中堅・中小企業向け「MJSLINK DX」、2022年4月中堅企業向け「Galileopt DX」※)の販売がリプレース需要を中心に好調に推移した。企業向けERP製品の提案営業を行うソリューション支社を新たに4支社開設し、合計15支社体制で新規顧客の開拓並びに既存顧客に対するアップセル・クロスセルに取り組んだことで、リプレース需要を取りこぼさず売上を伸ばすことができた。ERPシステムの機能が高度化・複雑化するなかで、製品の性能だけでなく企業が抱える課題を的確に捉えて最適なソリューションを提案するコンサルティング能力が重要となってきており、自社で提案能力の高い営業要員を育成してきたことが顧客満足度の高さと好調な売上につながっている。実際、主力ERP製品の契約継続率は99.1%と極めて高水準にある。

※「Galileopt DX」は従来品と比較して、AI技術の活用により操作性を向上したほか処理スピードの高速化、API連携先の拡充を図るなど、利便性を一段と向上したことが特徴で、リプレース需要の活性化につながる一因となった。


企業向け売上全体に占める新規顧客の売上比率は27.4%と前期から3.1ポイント低下した。リプレース需要やアップセル・クロスセルに取り組んだことにより、既存顧客向けの売上高が前期比28.5%増の9,443百万円と大きく伸長したことによる。新規顧客向け売上高も同10.3%増の3,560百万円と3期ぶりに増収に転じたものの、クラウド・サブスク型での契約比率が高かったため、既存顧客向けと比べると伸び率は下回る格好となった。企業向けERP製品売上高のうち、クラウド・サブスク型の売上比率は前期の20%弱から30~35%程度に上昇したと見られ、これらはサービス収入(ソフト使用料)として計上される。

会計事務所向け売上高も前期比11.6%増の6,679百万円と3期ぶりの増収に転じた。パソコン等の買い替え特需と合わせてERP製品の更新が集中した2020年3月期をピークに売上高は減少傾向となっていたが、ようやく底打ちした格好だ。売上高のうちサブスク契約の比率は数%の水準に留まっており、売切り型がまだ主流となっている。その他売上高については、販売パートナー経由での売上が堅調に推移し同7.9%増の3,963百万円となった。

システム導入契約売上高の品目別では、ソフトウェアが前期比11.2%増の13,802百万円、ハードウェアが同26.7%増の3,939百万円、ユースウェア(導入支援サービス)が同25.4%増の5,904百万円といずれも2ケタ増収となった。ソフトウェアの増収率が相対的に低くなっているのは、サブスク・クラウド型の契約比率が上昇したことが要因だ。ハードウェアについては、半導体不足の解消により、前期に納期遅延した案件の売上が計上されたこともあり2ケタ増収となった。また、ユースウェアについてはサブスク・クラウド型契約の顧客に対する導入支援サービスも寄与し、高い伸びとなった。

(2) サービス収入
サービス収入の内訳を見ると、TVS(会計事務所向け総合保守サービス)が前期比0.6%増の2,534百万円、ソフト使用料が同41.6%増の3,934百万円、ソフト運用支援サービス(企業向けソフト保守サービス)が同1.6%増の5,684百万円、ハード・NW保守サービスが同0.9%増の1,518百万円、サプライ・オフィス用品が同3.9%減の582百万円となった。ソフト使用料については、ERP製品の一部サブスクでの提供やクラウドサービスの拡販により大幅増収となった。TVSやソフト運用支援サービスも新規顧客の開拓により着実に増加した。なお、主力ERP製品の一部サブスク化への移行に伴い、ソフト運用支援サービスの売上の一部がソフト使用料に移行した。

クラウド・サブスク収入(ソフト使用料)のKPIとなるARRの推移を見ると、2023年3月は前年同月比48.9%増の4,540百万円と成長ペースが加速した。特に、主力ERP製品のサブスク・IaaS※1は同126.1%増の1,585百万円と急成長した。企業向けの「Galileopt」「MJSLINK」シリーズなどでサブスク・クラウドサービスへの移行が進んだためで、同ARRのうち約9割が企業向けで占められている。また、企業向け統合フロントクラウドサービス「Edge Tracker」※2が同36.5%増の445百万円、小規模事業者向けの各種クラウドサービス(「かんたんクラウド会計」等)が同4.5%増の1,215百万円、ストレージ・マイナンバー等の各種オプションサービスが同50.6%増の1,294百万円とそれぞれ順調に増加した。ストレージサービスについては電帳法改正※3に伴い、会計・税務処理に関わる書類を電子保存する必要が出てきたことから利用する顧客が増加し高成長につながっている。直接的な利益へのインパクトは小さいものの、顧客の囲い込み戦略(=解約防止)の1つとして提供している。小規模事業者向けの各種クラウドサービスについては、顧客である会計事務所を通じて契約件数を積み上げてきたが、今後は会計事務所以外の販売チャネルも開拓しながら、さらなる積み上げを図ることにしている。

※1 IaaS (Infrastructure as a Service)とは、クラウドサービスのうち、ハードウェアやネットワークなどのインフラ部分のみを提供するサービス。
※2 中堅・中小企業の従業員を対象としたクラウドサービスで、「経費精算」「勤怠管理」「給与明細参照」「年末調整申告」「ワークフロー」などの業務をマルチデバイス対応により、いつでも、どこでも利用できるサービス。
※3 電帳法(電子帳簿保存法)とは税金に関わる帳簿や書類を電子データで保存することを認めた法律で、2022年1月の改正により、経過措置として認められていた印刷での保存が2024年1月以降は不可となる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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