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日産東HD Research Memo(9):新車は電動車の好調で台数、販売単価ともに増加


*13:39JST 日産東HD Research Memo(9):新車は電動車の好調で台数、販売単価ともに増加 ■日産東京販売ホールディングス<8291>の業績動向

2. セグメント別動向
セグメント別では、自動車関連事業が売上高129,673百万円(前年同期比1.4%減)、セグメント利益(営業利益)6,667百万円(同40.4%増)となり、売上高の内訳は、新車が71,099百万円(同8.6%増)、中古車が20,922百万円(同25.0%減)、整備が29,911百万円(同1.5%減)、その他が7,740百万円(同0.9%減)だった。情報システム関連事業は売上高7,605百万円(同17.3%増)、セグメント利益612百万円(同44.7%増)となった。

(1) 新車
新車は、前述したように、EVとe-POWER車を中心に販売台数も販売単価も好調だった(一部人気車種での一時受注停止がなければもっと伸びたと思われる)。これはEV化の流れや統合シナジーが背景にあるが、「エクストレイル」など新型の高額電動車の車種構成が増加したこと、日産販売会社3社の統合でベストプラクティスの共有がより早くより確実になったことで、コーティングやナンバーの盗難防止ロックといったオプション品・サービスの提案をスムーズに進められたこと、収益性の高い個人リースの販売が伸長したこと(2023年3月末時点で個人リース保有台数は9,813台)が、押し上げ要因となったといえる。特に個人リースについては、統合によりベストプラクティス共有が急速に進んだことも大きな要因だろう。

(2) 新車以外
中古車販売は新車の供給不足に伴い中古車の仕入れが減ったことで大幅な減収となったが、仕入れ不足による需給の逼迫に加えエンドユーザー向け小売販売に注力したことで販売単価が上昇、ポジティブな利益貢献になったようだ。整備はストックベースのサービスのため収益が安定しており、売上高・利益ともに前期水準を維持した模様である。この原動力となっているのがメンテナンスパックで、メンテナンスパックの会員数は12.2万となり、顧客の47.3%をカバー、日産自動車グループのなかでは相対的に高い数値となっている。整備では「車検館」も好調で、車検台数は前期比9.3%増となった。予約システムの導入などDX化により新規客、リピーター客ともに増加したことが要因で、働く環境の整備で生産性も向上したようだ。これにより車検館は過去最高益を記録している。情報システム関連事業では子会社の東京日産コンピュータシステムが、IT投資が活況となるなかでマネージド・プラットフォーム・サービス事業が堅調に推移、大幅増収増益を達成し過去最高益となった。

3. トピックス
「ニッサン・リテール・コンセプト」に基づく店舗リニューアルに関してだが、2023年3月期のリニューアルが9店と例年より多くなっている。これは、前中期経営計画期間中にコロナ禍で遅れた投資を取り戻し、顧客の多様なニーズに応えつつ、来店から納車までワクワクするような体験を早く提供したいという思いからで、結果的に全店舗数の1割にあたる大規模リニューアルとなった。新たな顧客接点に関しては、日産自動車と共同で、顧客が日産車の車種やグレードの検討・選定から試乗、購入の契約までをメタバース空間上で行う、仮想店舗「NISSAN HYPE LAB」の実証実験を開始した。デジタル技術やメタバース技術を活用して自動車の新たな販売方法を探ることを目的としている。近い将来ではないかもしれないが、主要販路となる可能性もあると考える。

脱炭素社会に向けた環境関連の取り組みとしては、太陽光で発電した電気をEVのリユースバッテリーに蓄電する蓄電システムを導入、店舗内の照明や災害時の非常用電源として活用する方針である。また、再生可能エネルギー電力を導入、グループ全体の電力の15%を再生エネルギー電力に切り替えた。これにより、年間約1,250トンのCO2削減量を見込んでいる。今後は導入比率を段階的に引き上げ、将来的には100%再エネルギー電力化を目指す。EVを活用した地域社会貢献としては、日産自動車が推進するゼロ・エミッション社会の実現を目指す取り組み「ブルー・スイッチ」活動と連動し、EVを活用した「災害連携協定」を各自治体及び警察署と締結しているところである。また、災害などによる停電発生時に、日産東京販売が貸与するEV及び新車店舗の約8割に配備しているポータブル給電器「パワー・ムーバー」を用いて、避難所などへ電力を供給する体制を構築した。なお、同社は2022年9月に独立社外取締役を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置、2023年3月に「統合報告書(Integrated Report 2022)」を発行した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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