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マザーズ市場2022年の動向と先物戦略vol.3~注目企業の業績動向や市場区分見直し、マザーズ先物を用いた投資戦略~


以下は、2022年2月8日にYouTubeチャンネル「FISCO TV」で配信された「マザーズ市場2022年の動向と先物戦略」である。フィスコアナリスト白幡玲美と、チーフアナリストである小林大純が、対談形式で今後のマザーズ概況と注目企業についても解説している。4回に分けて配信する。

白幡:こんにちは、フィスコアナリストの白幡 玲美です。ここからは注目されるマザーズ企業の業績動向や4月に予定される東証の市場区分見直しに触れたのち、マザーズ先物を活用するメリットについてフィスコアナリストの小林大純(こばやし ひろずみ)さんに解説して頂きます。それでは小林さん、宜しくお願いします。


小林:はい、宜しくお願いします。まず前半の動画の内容をおさらいしたいと思います。製品の供給網(サプライチェーン)の混乱や労働市場の回復の遅れなどが重なったことで、世界的に物価上昇(インフレ)圧力が強まり、アメリカの中央銀行である連邦準備理事会(FRB)は緩和的だった金融政策を見直す姿勢を鮮明にしました。これに伴い金利水準が大きく上昇し、マザーズ銘柄のような成長期待とともに株価指標の高いグロース銘柄にとって逆風となっています。

白幡:マザーズ指数は2022年に入ってからもかなり下落していますね。一方で個別の業績動向を見ると順調に成長している企業が少なからずあるとのことでした。

(資料 マザーズ主要企業の業績動向)
小林:その通りです。ここでは時価総額上位2社の業績動向を見てみましょう。まずマザーズ時価総額トップでフリマアプリを手掛けるメルカリですが、昨年10月に発表した2022年6月期第1四半期決算は売上高が前年同期比52%増の336億円、営業利益が2.3倍の8.5億円でした。前年同期のハードルが巣ごもり消費の影響で高く、アメリカでのフリマアプリの流通総額が減少する一方、日本では成長が続きました。また、昨年10月より本格提供を開始した事業者向けのEC(電子商取引)プラットフォーム「メルカリShops」の効果で、流通総額の成長再加速に期待する声などもあります。2月3日に発表予定となっている上半期の決算も注目されるでしょう。

白幡:なるほど、再び成長に弾みが付くか注目したいですね。
小林:次に時価総額2位で転職サイト「ビズリーチ」を手掛けるビジョナルです。こちらは昨年12月に2022年7月期第1四半期決算を発表するのと同時に、早々に通期予想を上方修正しました。通期の売上高予想は従来の377億円から410億円に、営業利益予想は26.7億円から60億円に引き上げています。それぞれ前期比で43%増、2.5倍という水準です。旺盛な採用需要などを背景に「ビズリーチ」が伸長しており、その成長ぶりは株式市場でも高く評価されました。次回、上半期の決算発表は3月上旬に予定されていますので、こちらも注目してみましょう。

白幡:確かにメルカリやビジョナルを見ても、着実に成長しているマザーズ企業が多そうですね。ところで、今年は4月に予定されている東証の市場区分見直しも注目されています。そちらについても教えて頂けますでしょうか。

(資料 東証の市場区分見直し)
小林:はい。現在、東証には市場第一部、市場第二部、マザーズ及びJASDAQの4つの市場区分があります。ただ、東証と大阪証券取引所が2013年に株式市場を統合した経緯などから、市場第二部、マザーズ、JASDAQの位置付けが重複しているなどの課題が挙げられていました。これらを解消するため、4月4日からプライム市場、スタンダード市場、グロース市場の3つの市場区分に見直すこととなっています。グロース市場は「高い成長可能性を有する企業向けの市場」というコンセプトのもと設けられ、マザーズ・JASDAQから458銘柄が移行する予定です。

白幡:
確かに各市場の位置付けがよりわかりやすくなりそうですね。ところで市場区分の見直しに伴ってマザーズ指数の算出は終了するのでしょうか。

小林:いえ。新たに「東証グロース市場指数」の算出が開始される一方、マザーズ指数も市場関係者の強い要望で継続算出されることになりました。算出に当たっての注意点ですが、まず4月1日時点の構成銘柄は4日以降も上場市場に関わらず、継続してマザーズ指数の構成銘柄とされます。また、10月の定期入替の結果、除外となる銘柄については「段階的ウエイト低減銘柄」とされ、3段階で構成比率を調整したうえで2023年4月に除外する措置がとられます。これは指標の継続性に配慮したものです。

白幡:なるほど。マザーズ指数も引き続き算出されるのですね。それではここまでの説明を踏まえたうえで、マザーズ先物を活用するメリットについても解説して頂きましょう。小林さん、宜しくお願いします。

—「〜マザーズ市場2022年の動向と先物戦略vol.4〜」に続く—


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