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マザーズ市場2022年の動向と先物戦略vol.2〜2021年のマザーズ概況と今後の展望~


以下は、2022年2月8日にYouTubeチャンネル「FISCO TV」で配信された「マザーズ市場2022年の動向と先物戦略」である。フィスコアナリスト白幡玲美と、チーフアナリストである小林大純が、対談形式で今後のマザーズ概況と注目企業についても解説している。4回に分けて配信する。

小林:それでは日経平均とマザーズ指数の推移の違いが分かるように、2つのグラフを重ねてみましょう。
(資料 日経平均・マザーズ指数の動向比較:2021年)

小林:こちらは日経平均、マザーズ指数とも2020年末の値を100に置き換えてグラフにしたものです。日経平均がおおむね2020年末の水準を上回って底堅く推移した一方、マザーズ指数は年末にかけて弱含み、日経平均と比べパフォーマンスが悪化したことがわかります。

白幡:こうして比べてみると推移の違いがよくわかりますね。マザーズ指数はなぜ年末にかけて下落してしまったのでしょうか。

(資料 マザーズ指数下落の背景)
小林:最大の要因として、世界的な物価上昇(インフレ)への懸念の高まりと主要中央銀行による金融政策の正常化観測が挙げられます。新型コロナウイルスの流行を受けて各国が推し進めた大規模な財政出動や金融緩和といった景気刺激策は一定の成果を上げました。ただ、製品の供給網(サプライチェーン)の混乱や労働市場の回復の遅れなどが重なったことで、アメリカで30年ぶりの高い物価上昇率を記録するなど、世界的にインフレ圧力が強まっています。アメリカの中央銀行である連邦準備理事会(FRB)はインフレ抑制のため緩和的だった金融政策を見直す姿勢を鮮明にしており、これに伴い金利水準が大きく上昇したことがマザーズ市場にとって強い逆風となったのです。

白幡:金利上昇がマザーズ市場にとってなぜ逆風となるのか、また今後どうなりそうかについても教えて頂けますでしょうか。

小林:はい。新興株のような成長期待の高い銘柄、一般的にグロース銘柄と言われるものは株価収益率(PER)などの株価指標が高くなっています。成長期待がプレミアムとなり、足元の収益規模に比べ高い株価が許容されていると考えるとよいでしょう。ただ、金利が上昇するとこうした株価指標の高いグロース銘柄は割高感が意識されやすくなります。マザーズ市場に限らず、市場第一部やアメリカの株式市場でもグロース銘柄の株価は下落しており、2022年に入りこうした傾向は一段と強まっています。年明け以降のマザーズ指数の動きを見ると逆風の強さが窺えますね。

白幡:なるほど。当面は新興株にとって厳しい環境が続きそうでしょうか。

小林:もちろんそういった可能性も念頭に置いておく必要があるかと思います。しかし、マザーズ指数は既に2019年末の水準を下回るまで調整が進んでおり、個別の業績動向を見ても順調に成長している企業が少なからずあります。市場環境に注意を払いつつも、中長期的な成長に期待して買いのタイミングを探るのは十分に意義のあることでしょう。また、相対パフォーマンスが良好と判断できる銘柄を買い持ちしつつ、マザーズ先物を活用して市場全体の下落リスクをヘッジするなどの投資戦略も効果を発揮しそうです。

白幡:なるほど、マザーズ市場の動向がよくわかりました。小林さん、ここまでありがとうございました。

小林:はい、ありがとうございました。

白幡:後半の動画では、注目されるマザーズ企業の業績動向や4月に予定される東証の市場区分見直し、それにマザーズ先物を使った投資戦略についてご説明頂きます。ここまでご覧頂きありがとうございました。

「〜マザーズ市場2022年の動向と先物戦略vol.3〜」に続く


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