ポストコロナの環境下で成長していく企業を探る特集の4回目。「リモートオフィス」の提供を発表しているピアズ<7066>の動きに注目したい。

自粛緩和ムードもつかの間、緊急事態宣言の解除後、感染者はじわじわと増え、7月8日は東京都で75人と7日ぶりに100人を下回ったものの、7日までは6日連続で100人を超えていた。政府は外出自粛や休業要請、営業時間の短縮、在宅勤務など人の接触機会を減らすことで感染者を減らしてきた。解除されれば増加するのは自然であり、再度の緊急事態宣言発令も議論される中、感染拡大防止と経済活動の両立について抜本的な対策を見いだせていない。

ピアズは「働き方革新」というテーマを掲げ、変化の厳しい通信業界で培ってきた組織活性化のノウハウを他業界にも展開するOne Colorsを設立するなど、サービス産業を始めとする日本企業の生産性向上を目指す施策を次々に打ち出してきた。特に新型コロナウイルスの感染拡大以降の動きは目立った。

4月に営業自粛の増えた飲食業界などの支援策として自身の携帯電話でオーダーから決済まで出来るセルフオーダーシステムを導入推進する子会社XEROを設立したのを皮切りに、5月には空き空間となった飲食業などの個室などを借上げ「リモートオフィス」を提供する子会社2linksを設立した。さらに、One Colorsが動画学習サービス「Jishu」を発表、WEB会議システムの際利用できる「オンライン名刺」の提案まで、コロナ状況下に素早く対応した同社に市場も大きく反応した。

しかし、注目すべきは設立した子会社を、XERO(ゼロ)、One Colors(ワン)、2Links(ツー)と意図的に命名しているように、一連の動きがコロナ対策であったというよりはもっと中長期的な展望に基づいたもの、日本企業、特にサービス産業の生産性向上と現場の働き手の「働きがい」向上を、人という個の力を上げるのと同時に、テクノロジーによっても解決するという確固たるビジョンと成長戦略に基づいていることだろう。同社は元々通信業界におり、今後の成長のカギは5Gにあるという洞察があった。5Gはサービス産業、スポーツや映画などエンタテイメントの世界を大きく変え、キャッシュレス化やIoTビジネスを拡大していく。一方でサービス業を始めとする日本企業の生産性が低いということも認識していた。今回のコロナ禍はサービス産業へのテクノロジーの導入による生産性向上という同社の戦略を加速したに過ぎない。
2Linksの「リモートオフィス」は、空室に悩む飲食業やホテル業界、カラオケやネットカフェ等のサービス業界と、リモートワーク環境を求める企業の社員をマッチングさせるシステムだ。飲食業界で空室を保有している店舗オーナーが同システムに登録することで、稼働率を上げ収入確保が可能になる。空室を「リモートオフィス」として利用するユーザーは、安心安全な環境で仕事に従事することができ、生産性も向上する。
感染拡大防止と経済活動の両立をテクノロジーによって解決し、新たな生活様式の創出に貢献するニューノーマル銘柄としてのピアズの動きに今後も注目していきたい。


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情報提供元:FISCO
記事名:「ピアズ---ポストコロナで頭角を現しつつある変化適応力。ソーシャルディスタンスを確保した「リモートオフィス」を提供