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『未来の売上に対する“保証”はなくてはならない存在に』イーギャランティ<8771>江藤公則社長インタビュー(後編)


今年2月に『平成最後に振り返る——「リーマンショック」の時期でも売上高を更新し続けた企業イー・ギャランティ<8771>』と題して取材をさせていただきました。あれから、半年、あらためて江藤公則社長の取材を経てイーギャランティの強みを3分で解説します。

前編で、簡単に言えば、“未来の売上に対す保証”をする、イー・ギャランティは、企業間取引の縁の下の力持ちであり、世の中になくてはならない存在になってきていることについて述べました。では、その市場はどのくらい拡大余地があるのでしょうか?さらに、同社が見据えている次なる視点は?

■売掛金の市場規模はなんと、200兆円市場規模
同社のサービスのメインとなる売上債権(受取手形、売掛金)の市場規模は、200兆円を超えています。売上債権すべてに、保証が必要なわけではありませんが、欧米では、この、未来の売上に対して保証しておく考え方は一般的になっています。日本における、潜在的な成長余力は高いと言えます。

■次なる視点は「ベンチャー企業」
イー・ギャランティができる分野が「ベンチャー企業の分野」になります。優秀なベンチャー企業は、革新性やスピード感、スケール感など、成長のスピードが非常に早いです。良い製品やプラットホーム、システムを持っています。ただ、老舗の大企業にとっては、ベンチャー企業との最初のお取引は社内稟議で通りにくいことがあります。そこで、同社では、ベンチャー企業の売上債権の保証をします(高めの保証料)。その代わり、ベンチャー企業取引で、事故がなければ、保証料半分お戻しするスキームを組んでいます。これは、保証料という感覚ではなく、『販売促進費、開発費的』な感覚で利用することで、大企業が思い切ってベンチャー企業との取引をチャレンジできます。そのことで、日本のベンチャー企業の成長にも寄与していくことを、同社は見据えています。

■「給与立替」の保証もスタート
例えば、BtoB、BtoCのネット系ベンチャーのフィンテック部分において、イー・ギャランティでサポートを開始しています。保証事業を行ってきた強みがあり、リスク取れない部分に入り込む事を得意として、新しい金融分野にも事業展開しているのです。具体的な導入事例としては、給与立替払いサービス提供会社向けに、給与立替分の未回収リスクに対して“保険”をしていくサービスを提供しています。この、給与立替払いサービスは、人材確保・定着率の向上を目的にしている企業の導入が増えていますので、今後もニーズは拡大していくことが予想されます。

■「決済代行」の保証もスタート
決済代行提供会社向けに、決済代行した部分の未回収リスクに対して“保険”をしていくサービスを提供しています。ここ数年、インターネットの普及を背景に、インターネット決済を行う中小企業やベンチャー企業などが増加しています。それによって、オンライン決済代行サービスの市場も急成長し、参入企業も増加しています。

■次なる野望「蓄積されたデータをフル活用」
イー・ギャランティは審査依頼が年間約30万社を超えてきており、『どの企業がどの企業とどんな取引をしている』というデータや、『どのような支払い状況』があるか等を把握しています。この情報を使うと、ある企業は保証が小さいが、データをもとに審査を行うと、もう少し保証枠を取れる事ができるようになります。いよいよ、溜まってきたデータを活用できるステージに入ってきているのです。

■中期目標として連結経常利益50億円の達成を目指す
平成の時代を生き抜き、東証1部に上場した後も企業業績は堅調に推移しています。投資家に支えられながら、成長を続けてきたイー・ギャランティ。

今後、更なる成長と飛躍を掲げています。中期の経営目標として、連結経常利益で50億円をターゲットとしています。50億円を達成するためには、保証残高で現在の約2倍の規模となる7,000〜8,000億円が目安となります。現状の10%台前半のペースで成長が続くと、2024年3月期には射程圏に入ってくると見られます。

(フィスコ アナリスト 馬渕磨理子)



<SF>

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