■業績動向と今後の見通し

1. 2019年3月期決算の概要
ムサシ<7521>の2019年3月期決算は、売上高37,135百万円(前期比0.4%減)、営業利益306百万円(同68.0%減)と、売上高は横ばいながら、営業利益は大幅減益で着地した。

売上高については、紙・紙加工品セグメントが、2017年に子会社化したエム・ビー・エス(株)が通期寄与となったことでセグメント売上高は前期比15.9%増となった。しかし、金融汎用・選挙システム機材セグメントは、前期の衆院選(2017年10月実施)の反動減により、同21.5%減と大幅減収となった。これらの結果、全社ベースの売上高は前期比微減となった。

利益面では、自社開発品で収益性の高い選挙システム機材が大幅減収となった影響や、印刷システム機材が減収と利益率の低下で営業損失になったことなどの要因から、大幅な営業減益となり、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益も同様の減益となった。


2020年3月期は統一地方選と参院選により増収増益を見込む
2. 2020年3月期の業績見通し
2020年3月期について同社は、売上高38,300百万円(前期比3.1%増)、営業利益1,124百万円(同266.4%増)と、増収・大幅増益を予想している。

2020年3月期は2019年4月の地方統一選と2019年7月の参院選により選挙システム機材の売上高は前期比18.1%増の4,000百万円を計画している。また、情報・産業システム機材も、メディアコンバート事業やミクロフィルターなどの高機能材料などの増収により、同10.7%増を計画している。この2つの事業の増収を主因として、連結ベースで同3.1%増収を予想している。

利益面では、自社開発品で利益率の高い選挙システム機材が大幅増収となる効果により、前述のように大幅営業増益を予想している。前期に営業損失を計上した印刷システム機材も収益性改善に注力する計画だ。

なお、現在の会社予想には衆院選や国民投票の影響は織り込まれていない。2019年7月の衆参同日選は見送られたが、衆院解散が今期中に起こる可能性はゼロではない。仮に衆院選が同日選ではなく単独で実施された場合には、過去の実績などから推計して、売上高で20~25億円、営業利益で5~7億円のインパクトがあると弊社ではみている。また、国民投票については国政選挙と同規模のビジネスがあると考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)

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情報提供元:FISCO
記事名:「ムサシ Research Memo(5):2018年3月期の衆院選の反動減で選挙システム機材が全社の業績を押し下げる