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GMOペパボ Research Memo(8):フリーランス向けファクタリングサービスを成長事業として育成する


■今後の見通し

3. フリーランス向けファクタリングサービスを育成
GMOペパボ<3633>は2019年2月に、フリーランス向けファクタリングサービスを手掛けるGMOクリエイターズネットワークの第三者割当増資を引き受け(出資額141百万円、出資比率51.0%)連結子会社化した。フリーランス向けファクタリングサービスが、同社の既存サービスと親和性が高くシナジーが見込めるためだ。

インターネットの普及により、ネット経由での仕事が広がりを見せるなかでフリーランス人口も2018年で1,119万人と労働人口の17%を占めるまで拡大、経済規模(年間報酬額)で見ると20兆円に達している。一方で、労災保険の適用や取引先との公正な契約ルール等、法制度面で未整備な点も多く、今後の課題となっている。こうした状況下で、フリーランスは都度契約となるため毎月の資金繰りが不安定であるといった課題を抱えており、こうした課題を解消するファクタリングサービスの潜在需要は大きいと見て、同事業を今後育成していく方針だ。

同社の既存サービスの利用者数は約600万人で、このうち88%となる約530万人が個人及び個人事業主であり、「FREENANCE」の潜在顧客層となる。「FREENANCE」のサービスは2018年10月に開始したが、同社が12月より「ロリポップ!」のユーザーに訴求を開始して以降、サービスの申し込み件数は急増し始めており、ファクタリングサービスの需要が強いことが確認されている。今後はフリーランスのユーザーが多い「minne」や「SUZURI」でサービス連携を図ることによって、顧客数の拡大を図っていく予定にしている。

「minne」や「Suzuri」では作品を販売した月の翌月末に作家に対して報酬が支払われる規約となっているが、「FREENANCE」のサービスを利用することで、作家は販売日の翌日に報酬を得ることが可能となる。「FREENANCE」の手数料率は請求額(報酬額)の3~10%に設定されている。例えば、「minne」の2019年の総流通額見込み130億円のうち、30%が「FREENANCE」のサービスを利用し、手数料率を3%とした場合、約1億円の手数料収入となる。フリーランス市場においてファクタリングサービスの普及が今後どの程度進むかは未知数だが、すべてのフリーランスがファクタリングサービスを利用したと仮定すると、市場規模は6,000億円(20兆円×3%)となる計算で、潜在的な成長ポテンシャルは大きいと言える。国内のファクタリングサービスの市場規模は2016年で5兆円規模と言われている。ちなみに、米国で個人・中小企業向けファクタリングサービス「FUNDBOX」を展開しているFUNDBOX.LTD(2012年設立)の売上規模は、2017年で約60億円となっている。

なお、GMOクリエイターズネットワークは従来、編集プロダクションサービスを主に事業展開してきた。2018年12月期の売上高は大型案件を受注したこともあり、売上高で前期比30.7%増の302百万円、営業利益で同136.3%増の4百万円となっている。2019年12月期は大型案件がなくなることで売上高は減収見込みとなっており、利益面でも「FREENANCE」の先行投資により減益が見込まれる。連結業績においては、のれん償却費も発生するため若干の減益要因となるが、収益性の高いビジネスモデルである「FREENANCE」の事業が成長してくれば、中長期的に連結業績に貢献するものと期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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