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TOKAI Research Memo(1):2019年3月期1Q業績は2期ぶりの過去最高益更新に向けて順調な滑り出し


■要約

TOKAIホールディングス<3167>は、静岡県を地盤にLPガスを中心とした「エネルギー・住生活関連事業」と「情報通信事業」を展開しており、「Total Life Concierge」(暮らしの総合サービス)構想※を掲げて事業を拡大中。2018年3月期よりスタートした中期経営計画「Innovation Plan 2020“JUMP”」(以下、IP20)では、M&Aやアライアンス等を活用した積極投資により高成長を実現する方針を打ち出している。

※Total Life Concierge構想:暮らしに関わるあらゆるサービスをワンコントラクト、ワンストップ、ワンコールセンターで提供し、顧客やその先の地域・社会・地球環境とのつながりを深めながら、人々の豊かな生活や地域社会の発展、地球環境保全に貢献する企業を目指している。


1. 2019年3月期第1四半期業績
2019年3月期第1四半期(2018年4月−6月)の連結業績は、売上高で前年同期比4.8%増の44,553百万円、営業利益で同11.0%増の2,390百万円となった。CATV事業がM&A効果もあり同17.2%増収となったほか、建築・不動産事業、アクア事業が2ケタ増収と好調に推移した。利益面では、LPガス事業が高気温による単位(顧客)当たり販売量の減少で減益となったものの、CATV事業、建築・不動産事業、アクア事業が2ケタ増益となり、利益のけん引役となった。また、社内予算比でも、営業利益で1億円強上回るなど順調な滑り出しとなっている。2019年3月期第1四半期末のグループ顧客件数は2,883千件となり、前年同期比で313千件増、前期末比で7千件と順調に拡大している。

2. 再生可能エネルギー事業開始に向けた検討を開始
2018年8月13日付で同社は、新電力会社のみんな電力(株)と資本業務提携を締結し、再生可能エネルギー由来の電力販売等を行う100%子会社を2019年4月に設立し、事業化に向けた検討に着手したことを発表した。2019年以降、電力の固定価格買取制度による買取期間が終了する太陽光発電設備の電力を買い取り、新設する子会社で販売していく。まずは静岡県内の法人・個人、公共施設向けなどへ販売し、その後、同社がサービスエリアとする地域へと販売エリアを拡大していく予定にしている。また、再生可能エネルギー由来の電力販売を全国のガス事業者やCATV事業者とのアライアンス施策として積極的に活用していくことも考えている。

3. 2019年3月期業績見通し
2019年3月期の連結業績は、売上高で前期比5.1%増の195,600百万円、営業利益で同27.2%増の13,960百万円と2期ぶりの過去最高益更新を目指す。前期比で約30億円の増益となるが、内訳としては顧客件数の増加による増収効果で21億円、前期に実施した先行コストの減少で8億円の増益要因となる。グループ顧客件数はM&Aも進めながら、前期末比65千件増の2,941千件を見込んでいる。利益面では、LPガス事業が高気温による単位当たり販売量の減少、並びに仕入価格の上昇により下振れする可能性があるものの、CATV事業を中心にその他事業の拡大でカバーできると弊社では見ている。

4. 中期経営計画(IP20)
中期経営計画(IP20)では2021年3月期に売上高で3,393億円、営業利益で225億円を目標として掲げている。グループ顧客件数を4,320千件以上(2018年3月末比1.5倍)に拡大していくほか、顧客のクロスセル率を現在の約7%から20%に引き上げることで、1顧客当たり収益も拡大していく戦略だ。目標達成のために、今後も積極的にM&Aを活用していく方針だ

5. 株主還元策
株主還元については、継続的かつ安定的な還元を維持していく方針に変わりはない。2019年3月期の1株当たり配当金は28.0円(配当性向46.3%)と前期比横ばい見込みだが、今後も配当性向40~50%を目安に収益動向や資金需要を勘案しながら配当を実施していく。株主優待ではアクア商品やQUOカード、1,000円相当の「TLC会員サービス」のポイントなどから1つを3月末、9月末の株主に贈呈している。株主優待も含めた単元当たり総投資利回りを現在の株価水準(2018年8月16日終値1,036円)で試算すると4~7%※となる。

※株主優待をQUOカード、またはアクア商品で選択した場合。


■Key Points
・再生可能エネルギー事業分野への参入を本格検討
・2019年3月期は顧客基盤拡大による増収効果とコスト削減により、2期ぶりに過去最高益を更新する見通し
・2021年3月期にグループ顧客件数で432万件超、連結営業利益で225億円を目指すため、25件のM&A案件を検討中

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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