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GTS Research Memo(5):2019年3月期より新経営体制で再スタートを図る


■業績動向

1. 2018年3月期業績概要
ジーンテクノサイエンス<4584>の2018年3月期の業績は売上高で前期比2.7%減の1,059百万円、営業損失で913百万円(前期は1,184百万円の損失)、経常損失で903百万円(同1,176百万円の損失)、当期純損失で904百万円(同1,224百万円の損失)となった。

売上高についてはフィルグラスチムBSの売上高が前期比3.6%増の852百万円と増加した一方で、知的財産権等収益が同41.1%増の121百万円と増加し、また、役務収益を29百万円計上した。費用面では、バイオシミラー事業を中心とした研究開発費が1,107百万円と前期比で325百万円減少したが、開発そのものは順調に進捗している。また、その他販管費はほぼ横ばい水準にとどまった。この結果、営業損失については研究開発費の減少を主因として前期比270百万円縮小し、また、会社計画比でも63百万円縮小する格好となった。

2. 2019年3月期業績見通し
2019年3月期は売上高で前期比横ばいの1,060百万円、営業損失、経常損失はいずれも1,180百万円、当期純損失は1,182百万円を見込んでいる。フィルグラスチムBSの売上高は、薬価改定の影響を受けるものの数量増効果により前期比横ばい水準となる見通し。ただ、研究開発費がGBS-007を中心に前期比192百万円増加の1,300百万円を計画しているため、営業損失は前期からやや拡大する。研究開発費の水準としてはバイオシミラーやバイオ新薬の開発費用、並びに新規バイオ事業の拡充費用等がかかるため、今後も当面は年間1,300百万円前後の水準が続くものと予想される。

なお、同社は2018年6月の株主総会で新たに2名の取締役を選任し(1名は社外取締役)、新経営体制をスタートさせたほか、事業本部制※を導入し各事業部門の体制強化を図っている。新任取締役の野口亮(のぐちりょう)氏はNKグループ会社である(株)日本再生医療及びGeneTech(株)の代表取締役であり、今後のNKグループ会社との事業連携強化を目的としたものとなっている。また、社外取締役となる栄木憲和(えいきのりかず)氏は元バイエル薬品(株)の代表取締役会長で海外製薬企業との人脈ネットワークが広いほか、厚生労働省のバイオシミラーに関するプロジェクト委員会のメンバーにもなるなど幅広いネットワークを持っており、同社が事業を推進していくうえでの貢献が期待される。

※2018年4月より、事業開発本部、研究開発本部、製薬本部、経営管理本部の4本部体制とした。



今後の事業推進に向けて新株予約権発行による資金調達を行う
3. 財務状況と資金調達について
2018年3月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比681百万円減少の3,025百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では現金及び預金が488百万円減少したほか売掛金が182百万円減少した。また、固定資産では関係会社株式((株)ミネルヴァメディカ等)が50百万円増加した。

負債合計は前期末比215百万円増加の421百万円となった。主な増減要因を見ると、未払金が179百万円、買掛金が60百万円それぞれ増加し、未払法人税等が25百万円減少した。また、純資産合計は前期末比896百万円減少の2,604百万円となった。主に当期純損失904百万円を計上したことによる。

同社は2017年3月期に第三者割当増資や新株予約権の行使により3,931百万円の資金調達を行い、自己資本を充実させたが、今後も研究開発費を中心とした事業支出が先行するため、2018年7月に新たに第三者割当による新株予約権を発行している。発行上限株式数は300万株(希薄化率15.68%)で、当初行使価額1020.5円で試算した資金調達額は約30億円となる。下限行使価額は714.5円で設定しているため、すべて行使されれば少なくとも約20億円は調達できる計算となる(7月13日終値は757円)。

資金使途としては、既存のバイオシミラーパイプラインのうち開発が進んでいる3品目についての製造販売承認までの準備費用で1,350百万円、バイオシミラーの新たなパイプライン1~2品目の開発費用で650百万円、既存バイオ新薬の開発及びバイオ新薬の導入、バイオ新規事業の拡充費用等で1,059百万円を見込んでいる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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