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サン電子 Research Memo(7):モバイルデータソリューション事業の伸びが同社成長をけん引


■過去の業績推移

サン電子<6736>の過去5期分の業績を振り返ると、東日本大震災によるパチンコ業界の自主規制もあって売上高は2011年3月期にボトムをつけた。その後、モバイルデータソリューション事業の急拡大と遊技台部品事業の回復によって増収基調を続けてきた。また、損益面では、利益率の高いモバイルデータソリューション事業の構成比の高まりに加えて、増収による固定費吸収などにより、2014年3月期の営業利益率は9.0%にまで上昇した。2015年3月期も、厳しい業界環境を背景としてホールシステム事業が大きく後退するなかで、好調なモバイルデータソリューション事業が業績の伸びをけん引してきた。2016年3月期については、モバイルデータソリューション事業が一時的な要因等により落ち込んだが、2017年3月期には再度成長軌道に戻すことができた。ただ、損益面では、M2M、AR及びVR関連の事業など、今後の成長に向けた先行費用が拡大傾向にあることに加えて、2017年3月期には海外子会社の下振れもあり、経常(及び最終)損失に落ち込んだ。

一方、財務面では、財務基盤の安定性を示す自己資本比率は50%前後で推移するとともに、短期の支払い能力を示す流動比率も150%超と高い水準にあることから、財務基盤の安定性に懸念はない。一方、資本効率を示すROEは利益率とともに上昇し、2013年3月期以降10% を超える水準を維持してきたが、2016年3月期以降は利益率とともに大きく低下した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)


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