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■フィスコキャンパス銘柄分析レポートVol(2) 花王<4452>


「フィスコキャンパス銘柄紹介レポート」とは、フィスコ<3807>のアナリストと現役の女子大学生によって組織された「フィスコキャンパス」による毎月発行の共同レポートである。アナリストとディスカッションを重ね、キャンパス一期生となる7名が「フレッシュな感性」をもとに1人1銘柄選んだ、計7銘柄をまとめている。


※2016年10月号より抜粋


紹介銘柄:花王<4452>
キャンパス生:旅田 悠里


「化粧品やトイレタリー製品が国内・アジア市場で伸長」


■会社概要

「人々の豊かな生活文化の実現に貢献」することを使命に成長し続けている大手化学メーカーです。化粧品やスキンケア、ヘアケアなどの「ビューティケア事業」から、衣料用洗剤や住居用洗剤などの「ファブリック&ホームケア事業」、健康機能飲料やサニタリー製品などの「ヒューマンヘルスケア事業」、また工業用製品を取り扱う「ケミカル事業」を展開しています。特に、洗剤、トイレタリーでは国内1位、100%子会社であるカネボウ化粧品を含め化粧品においては資生堂に次いで2位となっています。さらに、世界でも化粧品・トイレタリー企業のシェアランキングで7位と高いブランドを獲得しています。国内外に多くの工場や販売拠点をもっており、原料からの一貫生産と物流・販売システムが強みです。


■業績動向と今後の注力ポイント

16年12月期第2四半期(1-6月)決算では、売上高は前年同期比0.4%増の699,529百万円となりました。化粧品やトイレタリー製品が国内・アジア市場で伸長しました。また、石化原料の価格低下もあって、営業利益は同26.6%増の81,095百万円となりました。16年12月期通期では7期連続の増収増益予想ですが、順調に推移している状況とみられます。今後、原材料市況や為替相場の変動など不透明な事業環境が続くと予想されるなか、グローバルに、かつ、幅広い産業分野に向けて多様な製品を提供しているケミカル事業においては、原料価格の変動に左右されない高付付加価値製品の開発や、環境負荷の低減に対応するためのエコケミカル製品の強化に注力するようです。


■今後の株価見通し

株価は夏場に伸び悩みましたが、中国EC売上も伸びており、インバウンド需要減退に対する警戒感は過剰反応とも考えられます。以下のような評価材料もあり、今後は見直しの動きが一段と強まっていく公算です。豊富なキャッシュを生かした積極的なM&A展開が今後も期待材料、連続増益・増配を続けている中で、さらなる成長を追い求める姿勢には評価余地が大きいでしょう。また、8月には予想外の自社株買いを発表するなど、株主還元策への評価の高まりも株価のプラス材料となるでしょう。


※「フィスコキャンパス」とは、現役の女子大学生によって組織されている。難しいと思われがちな金融・経済の世界を、身近なものに感じていただけるよう、大学生の目線に置き換えて企業や株式市場の情報発信を行うことを目的としている。



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