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ハイテク軟調も景気敏感株主導で底堅さが意識される相場展開【クロージング】


9日の日経平均は4営業日ぶりに反発。284.69円高の29027.94円(出来高概算16億2000万株)と4営業日ぶりに29000円を回復して取引を終えた。前日の米国市場では、追加経済対策による景気回復期待でNYダウは上伸した一方、米長期金利の上昇を嫌気しナスダック総合指数は下落するなどまちまちだった。この流れを引き継いで、東京市場でも景気敏感株買い、ハイテク関連株売りの動きとなり、日経平均は寄り付き直後には一時28609.21円まで上げる場面がみられた。その後は前日の終値を挟んでのもみ合いとなるなか、後場に入るとグローベックスの米株先物がじり高歩調をたどっていることなどから買い戻しの動きが強まり、引けにかけて切り返す展開となった。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり銘柄数は1800を超え、全体の8割超を占めた。セクター別では、不動産が3.92%と大きく上伸したほか、電気・ガス、輸送用機器、鉄鋼など30業種が値上がりした一方、鉱業、電気機器、その他製品の3業種が値下がりした。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、テルモ<4543>、ダイキン<6367>、アステラス薬<4503>が堅調。半面、アドバンテス<6857>、ファーストリテ<9983>、ソニー<6758>、ファナック<6954>、信越化<4063>が軟調だった。

米国では追加経済対策が成立する見通しとなり、市場では景気回復への期待感が高まっている。また、世界的に新型コロナウイルスワクチンの接種による経済活動の正常化への期待も支援材料となった。日経平均は前日までの3営業日で800円を超える下落となるなかで、鉄鋼、自動車、金融などの景気敏感株中心に投資資金が向かっている。1ドル=109円台へと円安が進んだこともポジティブに働いたようだ。一方、景況感の改善により世界的に金利が上昇傾向にあるため、利払い負担の大きいグロース関連株には利益確定売りが膨らんでいる。

上昇基調は一服しているとはいえ、米長期金利は1.57%前後と依然として高値圏での推移が続いている。こうしたなか、10日には2月の米消費者物価指数の発表が予定されている。食料品・エネルギーを除くコア指数の市場予想は前年同月比1.4%増となっており、これを上回る景況感の好調さが示され、思わぬインフレ加速が強まれば、米金利の上昇ピッチを早める可能性があり、しばらくは警戒が必要で、米金利動向に振らされる展開は続きそうだ。

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