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為替週間見通し:ドル・円は底堅い動きか、米税制改革関連法案審議の行方に注目


■ドル強含み、米税制改革実現への期待持続

先週のドル・円は強含み。米調査会社コンファレンス・ボードが10月31日発表した10月消費者信頼感指数は125.9に上昇し、16年10カ月ぶりの高水準を記録したことや、米税制改革実現への期待が持続したことがドル・円相場に対する支援材料となった。

米共和党下院が発表した税制改革案の詳細を受けて、財政悪化懸念が強まり、リスク回避的なドル売りが優勢となる局面があった。しかしながら、トランプ大統領は年内の税制改革実施を再確認したことから、リスク回避のドル売りは一服。次期米連邦準備制度理事会(FRB)議長にパウエルFRB理事が正式に指名されたが、無難な人事との見方が多く、短期筋などのドル売り興味は低下した。

なお、3日発表の米10月雇用統計では、失業率は2000年12月以来となる4.1%に低下したが、非農業部門雇用者数就業者数は前月比+26.1万人、平均時給の伸びは前年比+2.4%となり、市場予想を下回った。ドル・円は一時113円64銭まで売られたが、その後発表された10月ISM非製造業景況指数(総合)は市場予想を上回る60.1に上昇したことから、ドル・円は114円台を回復し、114円05銭でこの週の取引を終えた。先週のドル・円の取引レンジは112円96銭から114円43銭となった。

■ドル・円は底堅い動きか、米税制改革関連法案審議の行方に注目

今週のドル・円は底堅い動きとなりそうだ。米連邦準備制度理事会(FRB)による12月追加利上げの環境が整備されつつあるなか、トランプ政権の税制改革に関する法案審議の行方が注目される。共和党執行部は、今月下旬の感謝祭までに下院での税制改革法案可決を目指している。下院共和党の税制改革法案は、法人税率を35%から20%に引き下げ、所得税の税率区分数を減らす内容だが、市場関係者の間では「財源確保に問題があり、このままでは議会で十分な支持を得ることは難しい」との声が聞かれている。法案内容の一部を修正するために党内での調整を進めているもようだが、この調整に手間取り、法案の提示が遅れた場合、法案成立は12月以降にずれ込み、ドルを押し下げる可能性がある。

米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長人事について、トランプ大統領はFRBのパウエル理事を指名すると正式に発表した。タカ派寄りとみられていたスタンフォード大学のテイラー教授と比べてパウエル氏の基本スタンスは穏健的との見方が多い。来年以降の引き締めペースは多少緩やかになるとの思惑が広がっているが、FRBは金利正常化に向けて来年も3回の利上げを計画しており、日米金利差拡大への思惑でドルの先高観は後退しないとみられる。

一方、欧州中央銀行(ECB)は10月開催の理事会でハト派寄りのスタンスを示したことから、引き続きユーロは買いづらい状態が続くことから、相対的にドル買いに振れやすい地合いとなりそうだ。

【日米首脳会談】(6日予定)
トランプ大統領は6日に安倍首相と首脳会談を行なう。会談終了後に共同記者会見も予定されている。首脳会談は北朝鮮情勢に関する意見交換が主体となりそうだが、トランプ大統領が日米間の貿易不均衡について言及した場合、ドル売り材料になるとの見方がある。

【米・11月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値】(10日発表予定)
10日発表の11月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)は100.0と、10月の100.7をやや下回る見通し。ただし、信頼感指数は高水準を維持する見通しであり、市場コンセンサスとおおむね一致すればドル買い要因になりそうだ。

・予想レンジ:113円00銭−116円00銭


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