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【FISCOソーシャルレポーター】暗号通貨研究家 平野淳也:ブロックチェーンに変わる新技術? DAGで構築される暗号通貨


以下は、フィスコソーシャルレポーターの暗号通貨研究家の平野淳也氏(ブログ「Think Nomad」を運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

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※2017年10月4日に執筆


ビットコインのブロックチェーンは現在1秒間に3~4取引程度の取引を処理していますが、これは1秒間に5万6,000以上の取引を処理できるとするVISAなどの既存の決済ネットワークに比べると非常に少なく、今後この取引処理能力をどう向上させるかについてスケーラビリティ問題と呼ばれる課題があります。このようなブロックチェーンの問題を回避し、取引性能もブロックチェーンを上回るとも言われることのあるDAG (Directed Acyclic Graph)という技術が注目されています。本記事はDAGを採用した暗号通貨、Byteballの解説です。


Byteball は2016年12月に、ロシアの開発者のTonych氏がローンチしました。
Byteballのネイティブ通貨は、GBYTEです。以下、基本情報です。

ティッカー $GBYTE(下の単位が、それぞれ、KB・MB・KB・BYTE)
最大供給量 1,000,000 GBYTE
合意形成アルゴリズム Directed Acyclic Graph(DAG)
上場取引所 Bittrex、criptopia等

■ブロックチェーンではない、DAGをベースに作られた暗号通貨
Byteballのネットワークは、ブロックチェーンではなく、Directed acyclic graph(以下DAG)をベースにしています。
DAGは、邦訳すると有向非巡回グラフと呼ばれ、ブロックチェーンとは仕様が異なります

すべてのトランザクション(取引情報の処理)は、ハッシュを含んで署名されることによって1つ以上以前のもの(親)を参照し、それが連続して「雪玉」のようになることから、Byteballという名称になっているといわれます。
各トランザクションの前のトランザクションを親として、それに続くトランザクションが、子として扱われます。

一本の直線状でブロックが連続するブロックチェーンに対して、DAGは、複数のトランザクションが繋がりあって網目のように構成されることからより多くのトランザクションを処理できるため、スケーラビリティの問題を回避し、トランザクション処理性能が優れていることが特長とされます。

DAGを使った通貨には、他にIoT(あらゆるモノをインターネットと接続して利便性を高める動き)のための仮想通貨IOTAがあります。IOTAは、トランザクションを生成する際にTangleという技術によって手数料ゼロで送金できるという設計になっています。

一方、Bytaballは、トランザクションに僅かな手数料が発生するため、ネットワーク上で二重支払いをふせぐためのwitnessと呼ばれる重要なノードがあります。このノードは手数料をインセンティブとして運用されます。
IOTAがマイクロペイメントに特化した設計になっていることに対し、Byteballは、マイクロペイメントの機能性も持ちながら、より汎用性がある設計になっています。

■高速送金や、安価な送金手数料、汎用性のあるスマートコントラクト
Byteballは、コンセプトに、「Smart payments made simple」を掲げています。通常の取引が10秒ー1分程と度高速で完了する(ビットコインでは10分程度)ことに加え、安価な手数料での取引、マルチシグや、スマートコントラクトを用いたいくつかの条件付き支払いや、予測市場、債務・株式などのアセットのトークン発行などができる汎用性の高いプラットフォームです。
取引に発生する手数料は、エクスプローラーで確認すると、概ね平均500BYTEくらいになっています。

最近のレートでおおよそ、0.3円くらいですので、マイクロペイメント(少額決済)の利用も十分にできる手数料水準です。



■総論
Byteballは、P2P(個人間)の決済、予測市場などとビジョンが共感します。

フェアなディストリビューション(コインの配布)も好感度が高く、国内外で、コアなビットコイナーでもファンが多い印象をうけるプロジェクトです。

フェアなローンチという観点では、プレマインなしのPoWの通貨が最もフェアな設計ですが、それ以外では、現状、最もフェアなディストリビューションをしようとしている通貨だとも思います。

ただし、DAGはそもそも非常に新しい技術であり、本当にスケーラビリティの問題がないのか、攻撃点はないのか、といった検証はまだ十分であるとはいえず、過度に期待するのではなく慎重に評価していくべきとも言えます。

ただし、総論としては今後に注目しているプロジェクトです。


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執筆者名:平野淳也
ブログ名:Think Nomad




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