今日の欧米市場では、ドル・円は下げ渋る展開を予想する。米朝関係の緊張は続くものの、過度な警戒は緩和されたようだ。今晩は米経済指標にらみの展開となり、連邦準備制度理事会(FRB)の年内追加利上げ観測が高まればドルの買い戻しが見込まれる。

報道によると、北朝鮮は「火星12」を含む中距離弾道ミサイル4発を、米国の軍事拠点であるグアムに向けて発射する計画を近くまとめる方針。実行に移すかどうかは金正恩朝鮮労働党委員長の判断次第とし、米国への威嚇を続けている。これに対し、米国のマティス国防長官は声明を発表し、「体制の終焉や自国民の破滅につながるようないかなる行動の検討もやめる必要がある」と北朝鮮に呼びかけた。

ある短期筋は「軍事衝突の可能性から懸念はあるが、前日ほどではない」と指摘する。ドル・円は9日のNY市場で109円半ばまで下げたものの、本日アジア市場では110円付近に回復。米朝両国に関する次の材料待ちのようだ。

こうしたなか、今晩は21時半発表の米国の7月生産者物価指数と先週分新規失業保険申請件数などの経済指標と、23時からのダドリーNY連銀総裁の記者会見が手がかりとなろう。インフレ指標の生産者物価指数は今年前半に比べ不安定な内容が目立つ。7月の内容が予想よりも低調な結果となれば、明日の7月消費者物価指数への下振れ警戒も広がり、年内追加利上げなど観測はさらに後退しそうだ。

一方、足元で発表された7月雇用統計や7月JOLT求人件数、さらに前日の4-6月期非農業部門労働生産性(速報値)などは堅調な内容が目立つ。本日の先週分新規失業保険申請件数で雇用情勢の改善が示されれば、FRBの金融正常化方針への思惑からドルは買い戻される可能性があろう。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:30 英・6月鉱工業生産(前月比予想:+0.1%、5月:-0.1%)
・17:30 英・6月貿易収支(予想:-110.00億ポンド、5月:-118.63億ポンド)
・21:30 米・7月生産者物価指数(前月比予想:+0.1%、6月:+0.1%)
・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:24.0万件、前回:24.0万件)
・23:00 ダドリー米NY連銀総裁会見
・02:00 米財務省30年入札(150億ドル)
・03:00 米・7月財政収支(予想:-520億ドル、16年7月:-1128.15億ドル)


<CS>

情報提供元:FISCO
記事名:「欧米為替見通し:ドル・円は下げ渋りか、過度な警戒は緩和し米経済指標を注視